税理士が独立開業後の年収はどのくらい?

税理士が独立開業後の年収はどのくらい?

​​​​​​​税理士として独立を考える際、気になるのは開業後の年収です。
特に、独立直後の収入がどのように推移し、どのタイミングで事業が安定するのかを知ることは重要です。本記事では独立開業した場合の税理士の平均的な収入の実態を見ながら、初期段階から軌道に乗るまでの年収の推移について詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.独立開業した場合の税理士の平均年収
  2. 2.開業税理士の年収シミュレーション(1年目~2年目)
  3. 3.事務所の場所やライフスタイルを自由に選択したい
  4. 4.自身で組織づくりをしたい
  5. 5.開業税理士として独立を考えるきっかけのまとめ

独立開業した場合の税理士の平均年収

令和3年経済センサス活動調査では、28,513の税理士事務所に対する年収の調査が行われており、同調査から計算した一事務所あたりの平均売上金額は4,956万円でした。
ここから、平均費用総額である3,923万円を控除すると、独立開業後の税理士個人に入る平均年収の目安は約1,033万円であることがわかります。(※1)

(※1)「経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 企業等に関する集計 産業横断的集計 経理事項等」より、税理士事務所28,513か所のデータをもとに算出
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80&layout=dataset&stat_infid=000040067984&metadata=1&data=1)

しかし、開業当初は顧問先ゼロの状態からスタートすることもあるため、最初からこの年収が期待できるわけではありません。
独立するための事業計画を立てる際、まずは1年目と2年目に分けて、年収をシミュレーションすると良いでしょう。

開業税理士の年収シミュレーション(1年目~2年目)

仮に顧問先ゼロで独立する場合、開業直後は収入がない状態からのスタートとなります。
多くの税理士は、この間にサービス設計や集客に力を入れ、1年目から2年目にかけて顧問先を着実に増やし、収入基盤を固めていくことになります。

それでは、1年目から2年目にかけての収入増加のイメージを見ていきましょう。

【例:4月に1人で独立開業】

サービス内容:
 税務顧問業(個人事業主向け)

料金:
 顧問料:月2万円(相場は月3万円程度)
 決算申告料:5万円 (相場は15万円程度)

なお、この例では開業直後は顧問先獲得のハードルを下げるため、料金を相場よりも低く設定しています。一定の実績を積み、信頼を得た後に相場に近い料金へ移行することを想定しています

上記のサービス設計で、最初の3か月間の顧問先はゼロ、4か月目から毎月2件ずつ新規顧問先と契約し、3月末の契約先の決算と税務申告を受けたと仮定します。

【1年目】

  • 顧問先数:0件→18件(毎月+2件)
  • 年商:270万円(顧問料180万円、決算申告料90万円)

【2年目】

  • 顧問先数:18件→42件(毎月+2件)
  • 年商:954万円(顧問料744万円、決算申告料210万円)
    なお、先ほどの開業税理士の統計から独自に算定した税理士事務所の経費率(経費率約41%)(※2)を用いた場合、税理士個人の手元に残る金額は、1年目は約160万円、2年目は約570万円となります。

3年目以降は顧問先を引き上げたうえで、顧問先を増やすなど、より収益が上がるように計画して事業展開することでさらなる年収アップが狙えるでしょう。

参考記事:「開業直後でも取り組みやすい税理士・会計事務所の営業手法とは?

(※2)「経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 企業等に関する集計 産業横断的集計 経理事項等」より、税理士事務所28,513か所のデータをもとに算出
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80&layout=dataset&stat_infid=000040067984&metadata=1&data=1)


事務所の場所やライフスタイルを自由に選択したい

税理士は都市部でも地方でも開業しやすく、自宅開業という方法もあるので、理想のライフスタイルに合わせた働き方ができます。独立することで仕事量を自分で調整し、プライベートとのバランスが取りやすくなりますし、心身の充実や仕事へのモチベーション向上も期待できます。

参考記事:「税理士開業時の事務所は? 自宅開業、賃貸、レンタルオフィスのメリット・デメリット

自身で組織づくりをしたい

事務所での勤務経験が増えていくと、自身の考えで事務所を成長させたい、組織づくりしたい!といった気持ちが出てくるケースもあります。独立することでスタッフを採用・育成して組織をつくり、経営理念やMVVC(ミッション、ビジョン、バリュー、カルチャー)に基づいて行動するチームを育てることができるのも魅力の一つです。

スタッフと共に事務所を成長させることは、他では味わうことのない大きなやりがいと達成感を得られますし、将来的には自身の税理士としての想いを次世代に引き継ぐことも可能です。

このほかにも、一緒に働いていた仲間が独立して成功する姿を見て自分も挑戦したいという気持ちが湧いてきたというケースや、仕事に使う道具にお金をかけたいといった理由で独立を考えるケースもあるようです。

開業税理士として独立を考えるきっかけのまとめ

自身の強みを生かした顧客へのアプローチや収入・ライフスタイル、組織作りへの想いなど、独立開業を考えるきっかけは税理士によってさまざまです。

いざ独立開業の際には、顧問先のターゲット設定や報酬表の設計から、開業場所や会計ソフトの選定、開業資金の用意など、さまざまな開業準備が必要になります。開業準備を進めるには大きなエネルギーが必要ですが、まずは着手できるところから少しずつでも開業準備を進めておきましょう。

freeeでは税理士開業を目指す方のために独立開業時に準備すべきことのすべてが分かる「事務所開業ハンドブック」を提供しております。ぜひ、こちらも参考にしてください。



人気記事ランキング

タグ一覧

操作方法バナー
ページトップへ戻る