
税理士登録時の面接とは?開業時ならではの質問・注意点について
税理士として独立開業する過程で税理士会との面接が行われます。今回はその面接がどういうものなのか、開業時ならではの質問や面接時に注意点について紹介します。
目次[非表示]
- 1.税理士登録時の面接とは?
- 2.税理士登録時の面接はいつ行われる?
- 2.1.面接までのスケジュール
- 2.2.面接日時の通知方法
- 2.3.面接の場所
- 3.面接時の持ち物や内容について
- 3.1.面接時の持ち物
- 3.2.面接で行われる質問
- 3.3.面接時の注意点
- 3.4.開業時は現地調査あり
- 4.面接の目的を理解し、丁寧な対応を心がけましょう
税理士登録時の面接とは?
税理士登録は、税理士会による調査の後に行われますが、この調査の一つに、申請者に対する面接があります。
この面接は、申請者を選抜する「落とすための試験」ではなく、提出された申請書類の内容や、開業税理士であれば開業する目的などを確認するために行われます。和やかな雰囲気で進行することが多いため、必要以上に構える必要はありません。
税理士登録時の面接はいつ行われる?
面接までのスケジュール
税理士登録時の面接は登録申請書類一式の提出を行った後に税理士会による調査の一環 で行われます。
面接のスケジュールは税理士会によって異なりますが、一般的には登録申請後、数週間から1ヶ月程度の間に実施されます。
たとえば、東京税理士会では、申請の翌月から支部による面接調査を含む調査を開始するとしていますので、面接日は申請月の翌月と考えてよいでしょう。(※1)
また、申請書類の提出時期に応じた面接予定日を示している税理士会もあり、近畿税理士会の場合は、過去のスケジュールによると、たとえば令和6年10月21日までの申請に対する面接予定日は、11月8日と指定されています。(※2)
詳細は、申請先の税理士会のホームページ等で確認しましょう。
(※1)東京税理士会:【参考】税理士登録申請をする場合
(https://www.tokyozeirishikai.or.jp/tax_accountant/certify/regist/new/)
(※2)近畿税理士会:税理士登録の申請をされる方へ
(https://www.kinzei.or.jp/sites/default/files/document/touroku_r4_v2.pdf)
面接日時の通知方法
税理士登録の面接日時は、税理士会の支部などから電話やハガキなどで通知されます。
通知が面接予定日の数日前に行われ、平日が指定されることもあるため、この時期には柔軟にスケジュール調整ができるように準備をしておくことが望ましいです。
もし都合がつかなければ、翌月などに 延期されます。
結果、税理士登録がどんどん遅れていく可能性があるため注意が必要です。
通知された面接日は、多少無理をしてでもスケジュール調整した方がいいでしょう。
面接の場所
税理士登録のための面接は、基本的には各税理士会の支部で行われます。
税理士会によっては、支部ではなく税理士会の登録調査委員会が直接面接を行う場合もあります。
面接時の持ち物や内容について
面接時の持ち物
面接時には、税理士登録の申請書に使用した印鑑などを持参するよう指示されることが一般的です。
この印鑑は、誓約書などの書類への押印のために使用されます。
面接で行われる質問
面接で確認される内容は、基本的には登録申請の内容に基づくものです。以下に、一般的に質問されやすい事項を紹介します。
- 職歴や実務経験に関する質問
職歴や実務経験は、質問されやすい事項の一つです。
これらを質問する目的は、実務経験の内容を確認することや、短期離職が繰り返されている場合に、その原因が税理士業務に支障をきたす心身の問題によるものではないかを確認することにあると考えられます。
ただし、多くの場合、申請書類の内容を確認するにとどまります。
- 志望動機に関する質問
税理士登録の面接では、なぜ税理士になったのかなど、いわゆる志望動機について尋ねられることもあります。こちらも選抜のための質問ではなく、当該地域の税理士として稼働させて問題ない人物かどうかを形式的に確認しているものと考えられます。
- 開業に関する質問
開業税理士として申請する方には、開業に関する質問も行われます。
開業に向けた準備の状況や開業の目的、開業予定の事務所の確認として、勤務している会計事務所の退職の予定や、独立開業をしようと思った理由、開業してどのような業務を行いたいかといった質問が想定されます。
こちらも、基本的にはすでに提出済みの申請書類の内容を確認する程度で終わるでしょう
面接時の注意点
「落とすための面接ではないから」と気を緩め過ぎると態度に現れてしまうかも知れません。特に、時間を守る・場に合った服装をする・尋ねられたことに丁寧に答える・・・といった基本的なマナーは大切にしましょう。服装については、オフィスカジュアルが認められている税理士会もある可能性がありますが、よくわからない場合はスーツが無難です。
面接を含めた調査結果に基づき、地方税理士会から日本税理士連合会へ「適、不適」の意見を付した報告が行われるため、相手に悪い印象を与えるような行為は避けるべきです。
開業時は現地調査あり
開業税理士として登録申請を行う場合の税理士会の調査では、面接とは別に、開設する事務所の現地調査が行われることがあります。
この現地調査では、主に顧客の守秘義務を守るために必要な業務スペースが確保されているかどうかや、顧客の資料が関係者以外の目に触れない作りになっているかといった点が確認されます。事前にしっかりと準備をしておきましょう。
面接の目的を理解し、丁寧な対応を心がけましょう
税理士登録時の面接は、申請者を落とすための試験などではなく、基本的には提出書類の内容や開業に向けた準備状況を確認する場です。そのため、過度に構える必要はありません。
一方、開業を目指す税理士には、追加の実地調査が行われることがありますので、顧客の守秘義務に配慮しながら事務所の整備を進めましょう。
税理士会には、税理士の使命や職責を踏まえた上で、税理士を指導監督する役割があります。相手方の調査目的を理解しつつ、一つずつ丁寧に対応すれば、登録までスムーズに進めることができるでしょう。
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