
開業税理士のホームページに掲載すべき内容とポイント
税理士事務所がホームページを使って顧問先を獲得するためには、他の事務所との差別化や信頼感のある情報が重要です。
そのためにも掲載する内容は制作会社任せにせず、事務所の魅力が伝えられるよう自ら工夫することが重要です。
この記事では、税理士事務所の顧問先獲得のために掲載するべき項目と、ホームページ作成の際の注意点をご紹介します。
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目次[非表示]
ホームページに掲載するべき項目
顧問先を獲得するためにはホームページにどのような情報が必要でしょうか?
おおむね、以下の項目があるとよいでしょう。
・顧問先へのサービス内容
月額顧問料で提供するサービスやオプション(例:経営分析、資金調達支援など)を具体的に記載します。
・単発相談に対するサービス内容
単発の決算や確定申告など、スポットでのサービス提供が可能な場合には記載します。
・料金一覧
料金体系も掲載します。複雑になりそうな場合は、最低料金や目安を表示するとミスマッチを防ぎやすくなります。(例:月額顧問料3万円~、売上高5億円の法人様の場合、月額5万円+決算申告料など)
・問い合わせから顧問契約までの流れ
問い合わせから契約までのステップや所要日数を記載します。お問い合わせを検討しているお客様の不安や不明点を少しでも解消することが狙いです。
・経営理念
税理士事務所の経営理念を記載します。組織としての方針を示すことで信頼感を与えます。事務所のMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)もあれば記載しましょう。
・自身のプロフィール
特に一人税理士事務所の場合には、自身の経歴や専門分野、さらには趣味や休日の過ごし方などプライベートな情報を追加することで、親近感を与えることができます。スタッフが増えた場合にはスタッフのプロフィールや取得資格についても掲載すると良いでしょう。
・税理士の写真
可能であれば、明るくプロフェッショナルな印象を与える写真も掲載しましょう。プロに撮影を依頼するなど、質の高い画像の使用を推奨します。
す。閲覧者に「相談しやすそう」と感じさせる、明るく清潔感のある写真を選びましょう。
・実績やお客様の声
成功事例や顧問先の感想を掲載して信頼感をアップさせます。顧問先に執筆を依頼したり、プロに取材を依頼してインタビュー形式にしたりする方法もあります。
・お問い合わせ先
電話番号やメールアドレス、問い合わせフォームをわかりやすい場所に配置します。初めての相談者でも気軽に相談してほしい旨を伝え、問い合わせにつなげましょう。
・事務所の所在地やアクセス情報
住所や地図、事務所の外観写真を掲載し、来所しやすい印象を与えます。
・プライバシーポリシー
個人情報の取り扱い方針を示したものです。ホームページに掲載することで利用者に安心感を与えます。
・所長やスタッフブログ
必須ではないですが、税務や経営に関する解説系のコンテンツを投稿し、専門性をアピールすることも可能です。ブログはアクセスを集めやすいため、集客効果もあります。
・お知らせ等のニュース系コンテンツ
こちらも必須ではないですが、経営に関するニュースや事務所の直近の活動を発信することも効果的です。解説系コンテンツよりも更新頻度を上げやすく、閲覧者に「活発な事務所」という印象を与えられます。
ただし、更新が止まってしまうと逆に活気のない印象を与えてしまうため、定期的な更新ができることが前提になります。
また、ホームページを見たお客様の印象に残ってもらうために、事務所のロゴマークを作成してホームページに使用することもおすすめです。ロゴマークはプロに依頼するとよいでしょう。
ホームページ作成時の注意点
顧問先の獲得に繋がるホームページにするためには、単にホームページを作成して終わりではなく、見やすく信頼感を与えるデザインや、継続的に運営できる体制の構築が重要です。
ここでは、そのための注意点を説明します。
デザイン面での注意点
・信頼感のあるデザイン
過剰な装飾や宣伝は避け、シンプルで見やすいデザインを心がけましょう。複雑な内容は図やイラストを活用すると効果的です。
・継続的に更新できるデザイン
継続的に更新できるようにしましょう。お知らせ機能には税理士事務所についての最新情報を、ブログ機能には長期間読まれる記事を掲載するなど、コンテンツの種類ごとに機能を分けると更新が続けやすくなります。
・明確な動線設計
サービスや料金のページ、お問い合わせフォームなどを分かりやすい場所に配置し、訪問者がスムーズに行動できる設計にします。
運営面での注意点
・定期的に更新する
週に1回、最低でも月に1~2回程度のペースでコンテンツを更新できる体制を整えます。時間がない場合は、記事作成を外注することも有効です。
・お問い合わせに対応できる体制作り
問い合わせを受けたら、遅くとも2営業日以内に返信する体制を構築しましょう。メールチェックの体制を構築し、顧問先獲得のチャンスを逃さないことが重要です。
・守秘義務や広告規制の遵守
顧問先の成功事例などを公開する際は、必ず事前に書面などで同意を得ましょう。また、ホームページの内容が優良誤認を起こさないかどうか、消費者庁の景品表示法に関する資料や税理士会の指針等に基づいてチェックすることも大切です。
・セキュリティ対策の徹底
HTTPSの導入(いわゆるSSL化)、ホームページに使用するシステムの最新バージョンへのこまめな更新、複雑なログインパスワードの設定などを徹底し、ホームページを外部の攻撃から守りましょう。
・アクセス解析によるサイト改善
可能であれば、Googleアナリティクス等のアクセス解析用ツールを活用して訪問者の行動を把握し、アクセス数や離脱率を元にサイトの改善を行いましょう。
ホームページを運用しながら改善を重ね、新規顧客獲得を目指そう
この記事では、税理士事務所が顧問先を獲得するために税理士事務所のホームページに必要な項目と、作成の際の注意点をご紹介しました。
ホームページに掲載するべき情報は多岐に渡りますが、自身の税理士事務所をどのようにお客様にアピールしたいかを第一に、掲載する情報を考えていきましょう。
またホームページは作成して終わりでなく、運営体制も重要です。定期的なコンテンツの更新やお問い合わせ対応、セキュリティや個人情報保護など運用項目を確認しましょう。定期的な運用を通じてホームページを育てていくことが、持続的な事務所の成長を支えてくれます。ホームページを効果的に活用し、着実に顧問先を増やしていきましょう。
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