
CPO武地の凡事徹底|Vol.4 機械に外注する世界へ
2018年5月21日に、freeeはAI月次監査という機能を公表しました。 当面はアドバイザーの皆様限定の機能として、試算表の確認・修正作業をAIが支援する仕組みです(詳細は次回連載でも取り上げます)。是非お試しください(2020年7月1日をもって提供を終了しています)。
さて、freeeでは半年に一度「成長目標」を作成し自身のマネージャー(freeeではメンバーの活躍を支える存在でありたい、という意思を込めてジャーマネと呼びます)と合意します。
いわば、半年後の自分の姿に関する宣誓です。
私のマネージャーはCOOの東後(連載当時)ですが、彼と議論の中で「自分の価値に集中できる/やらないことを決めて任せる」という目標を掲げました。
ついつい何でも自分でやりたくなってしまう、でもそうすると自分がfreeeという会社の中で本当になすべきことができない/質が落ちてしまう。そのような課題を改めて解消したい、と考えました。
前回は付加価値アップを実現されている認定アドバイザー様の事例をご紹介いたしました。今回と次回は改めて、具体的に「効率の向上」について深堀りしていきます。
仮に「顧問先様に向き合う時間」以外の時間を敢えて「ムダ」と定義すると(厳密にいうとムダではない時間もあります)、「ムダ」には4種類があります。
いかがでしょうか?アドバイザー様ごとに「これが課題だよ」と思われるポイントは異なると思います。そして、「これが課題だ」と思われたことはすぐにでも着手したほうがいいと考えています。
そこには3つの理由があります。
- 装置産業ではない士業ではスモールスタートが比較的簡単にできる
- 提供サービスの性質上、保守的な人が多く変革に時間がかかる
- 年末調整/確定申告や算定基礎/ 年度更新などの繁忙期があるため、チャレンジできる期間が短い
そして、課題解決のツールは既に世の中に出回っています。
freeeだけを例にとってみても、「ムダ」を解決する手法はこの数年で劇的に進化しています。
機能 |
概要 |
解決する課題 |
---|---|---|
クラウド会計freee
人事労務freee 全体
|
クラウド上でサービス提供 |
移動時間
伝達時間
|
インターネットバンキングや
クレジットカードの明細を取り込み
自動仕訳
|
収集時間 転記作業 |
|
証憑の電子化 |
移動時間 |
|
freee上で取引内容の確認等やりとり |
移動時間 |
|
請求書の情報から債権管理と
会計処理まで実施
|
転記作業
プラン移行を告知
|
|
社員が経費精算作業をすると自動仕訳 |
伝達時間
転記作業
|
|
電子化された証憑から半自動仕訳 |
転記作業 |
|
通帳データ化サービス |
通帳の電子明細化 |
収集時間 |
領収書データ化サービス |
領収書の電子明細化 |
収集時間 |
例えば小規模な会計事務所様でも、疑似的な製販分離体制を構築することができます。
全体を俯瞰してみると「自動化」とは「機械に外注すること」であり、外注可能領域が拡大していく中で、自社の業務から外注を始めるか、という業務設計力が重要であると考えています。
外注の究極の姿は「記帳代行」「自計」ではなく、「無計」という世界です。
アドバイザーの皆様も「何が自社のコアバリュー(付加価値の中心)なのか」「事務所業務をどう設計するのか、何を外注するのか」を一度振り返られてはいかがでしょうか?
全体を俯瞰してみると「自動化」とは「機械に外注すること」であり、外注可能領域が拡大していく中で、自社の業務から外注を始めるか、という業務設計力が重要であると考えています。
外注の究極の姿は「記帳代行」「自計」ではなく、「無計」という世界です。
アドバイザーの皆様も「何が自社のコアバリュー(付加価値の中心)なのか」「事務所業務をどう設計するのか、何を外注するのか」を一度振り返られてはいかがでしょうか?
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