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税理士チラシの作り方と配布戦略|費用目安や他の集客手段との組み合わせ方を解説

チラシは、地域密着型の税理士事務所にとって今も効果的な集客手段のひとつです。ただし、実際に成果を出すためには、内容やデザインの工夫、配布方法の選択が欠かせません。

本記事では、チラシの作成方法・盛り込むべき情報・配布戦略・費用の目安を解説するとともに、ホームページやSNSなど他の集客手段との組み合わせ方についても紹介します。

チラシ集客のメリット・デメリットを知りたい方は、「税理士がチラシで集客するメリット・デメリット|効果を高めるためのポイントも紹介」をご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.チラシの作成方法
    1. 1.1.自作する方法
    2. 1.2.外注する方法
  2. 2.チラシに盛り込むべき情報
  3. 3.チラシの配布方法と戦略
    1. 3.1.新聞折込
    2. 3.2.店舗設置
    3. 3.3.郵送DM
  4. 4.他の集客手段との比較と併用
    1. 4.1.チラシ×HPの効果
    2. 4.2.チラシ×SNSの効果
    3. 4.3.チラシ×デジタル広告の効果
  5. 5.チラシ制作・配布の費用目安
    1. 5.1.チラシの制作費用
    2. 5.2.チラシの配布費用
  6. 6.チラシを上手に活用して集客力を高めよう

チラシの作成方法

チラシには、大きく分けて自作する方法と外注する方法の2つがあります。それぞれの特徴とメリットを理解したうえで、自分の事務所の体制や予算に合った方法を選びましょう。

自作する方法

チラシをパソコンなどで自作する方法です。

専門的な技術が必要なイメージを持たれがちですが、デザインの無料テンプレートを活用すれば、コストを抑えながら初めてでも見栄えの良いチラシを作成することができます。

無料テンプレートを提供するサービスは多く、代表的なものとしてPowerPoint・Word・Canvaなどが挙げられます。
自作のメリットは、プロに依頼する場合に比べて費用を大幅に抑えられる点です。

ただし、テンプレートがあるとはいえ、作成にはそれなりに時間がかかります。

また、写真を加工したり、素材や配置を調整したりする作業は発生しますので、プロ並みのスキルまでは不要ですが、一定のパソコン操作技術とデザイン感覚は求められます。

外注する方法

広告代理店やデザイン会社、フリーランスのデザイナーなどに制作を依頼する方法です。

洗練されたオリジナルデザインと、コピーライティングを含めた訴求力の高いチラシを仕上げることができます。

特に、士業広告の実績がある会社に依頼すれば、専門性の高い内容に仕上げてもらえるほか、業界特有の広告規制にも配慮して制作してもらえるため安心です。

その分、費用はかかりますが、効率よくデザイン性と専門性を兼ね備えたチラシを作成できるのが大きなメリットです。

チラシに盛り込むべき情報

チラシは配色やデザインだけでなく、どのような情報を盛り込むかも非常に重要です。

まず、必ず以下の内容はチラシに盛り込みましょう。

  • 事務所名、事務所のロゴ

  • 代表税理士の氏名

  • 連絡先

  • 事務所へのアクセス(簡略地図や交通手段)

続いて、伝えたい内容に応じて以下の内容を盛り込みます。

  • 顔写真や経歴

  • サービス内容、料金の目安

  • 他の事務所との差別化できる強み

  • 行動喚起の一文(「まずは無料相談、ホームページはこちら」など)

集客効果の高いチラシには、見込み客にとって必要な情報が「ちょうどいい量」で掲載されています。何もかも「100%の情報量」で届けようとすると、文章が多くなりすぎて印象がぼやけるからです。

信頼感や期待感を醸成することが第一ですので、掲載する情報は厳選し、詳細はホームページやSNSなどで補完するとよいでしょう。

※税理士広告には独自の広告基準があります。誇大表現・比較優位の断定・成果保証に見える文言は避け、詳細は所属税理士会の基準をご確認ください。詳しくは関連記事「税理士の広告規制とは? 順守すべき法規則・運用指針を解説」を参考にしてください。

チラシの配布方法と戦略

チラシの配布方法には、新聞折込、店舗設置、郵送DMといったものがあり、どれを選ぶかによってリーチできる顧客層が変わります。

チラシの効果を最大限に高められるよう、配布方法にもこだわりましょう。

以下、チラシの配布方法とその効果をまとめます。

新聞折込

新聞折込は、地域の中高年層への訴求に特に強い配布方法です。

相続対策や確定申告など、個人向けの税務サービスのチラシと相性が良いといえます。

また、新聞を購読している層は紙面を丁寧に読む傾向があると考えられます。そのため、目に留まれば文面をしっかり読んでもらえる可能性が高いです。

店舗設置

店舗にチラシを置いてもらい、訪れた客に自由に取ってもらう方法です。

たとえば、事業者層に届けるには、金融機関、商工会、提携先の士業のオフィス、地元の商店、カフェ、コワーキングスペースなどがよいでしょう。

この方法は、配布エリアを細かく選定する必要がないため、特定の地域をターゲットにしていなくても活用できます。また、住宅やオフィスの密集地でない地域など、従来の配布手法ではアプローチしづらいエリアで活動する事業者にも届く可能性があります。

郵送DM

郵送DMの特徴は、配布する相手を選べることです。

特定の業種向けのサービスや、独自性の高いサービスを得意としている場合、それに関心のありそうな企業を選んでチラシを送付することで、通常よりも高い反応率が期待できます。

企業の一覧表を作成する手間や送料の負担が生じますが、送付先を丁寧に選ぶことで印刷部数を抑えられる利点もあります。

他の集客手段との比較と併用

チラシを見てすぐに相談する人もいれば、興味はあってもチラシの情報のみで相談することに慎重な人もいます。チラシで興味を持った後、「どんな先生なのか、もっとよく調べておきたい」と考える見込み客もいるでしょう。

こうした見込み客の次の行動に対応するために、チラシ一本ではなく他の集客手段を併用することが重要です。

チラシ以外の集客手段には、ホームページやSNS、デジタル広告(Web広告、リスティング広告)があります。チラシと比較した場合、以下のメリットがあります。 


ホームページ

多くの情報を掲載できる

SNS

親近感を与えやすい

デジタル広告

不特定多数の中から、税理士への相談ニーズを持つ相手に届けやすい


チラシ以外の手段について特徴やコストを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください

関連記事:「税理士が集客手段としてSNSを利用する際に意識すべきポイントとは

関連記事:「開業税理士が新規顧客を獲得するために必要な営業ツール

関連記事:「開業直後でも取り組みやすい税理士・会計事務所の営業手法とは?

それでは、こうした手段とチラシを併用することで得られる効果を紹介します。

チラシ×HPの効果

ホームページは、チラシよりも多くの情報を発信できる媒体です。

チラシだけでは伝えきれない内容をホームページに掲載し、チラシにはそのURLやQRコードを記載する方法があります。

たとえば、チラシではキャッチコピーやビジュアルなどを強調し、詳細な実績や税理士としての想いや強みなどはホームページで確認してもらうイメージです。

これにより、チラシで興味を持った相手がホームページで安心感や期待感を高め、問い合わせにつながりやすくなります。

チラシ×SNSの効果

チラシは誠実で信頼感を与えやすい一方で、デジタル世代にはやや堅い印象を与える場合があります。

特に若手経営者などオンラインで情報収集を行う層への訴求を強化したい場合は、SNSの併用が有効です。

チラシにSNSアカウント名やQRコードを掲載して日常の投稿を見てもらい、相手に親近感を与えることが期待できます。

チラシ×デジタル広告の効果

デジタル広告(Google広告やYahoo!広告など)で地域を絞った「〇〇市 税理士」「△△区 税理士」といった検索広告を出すことで、チラシを配布したエリアと同じ地域の見込み客への再アプローチが可能になります。

また、チラシが行き届かないエリアや、インターネット検索を中心に情報収集する層にも広告を表示できるため、チラシでの訴求範囲の限界をオンラインで補完できる効果もあります。

チラシ制作・配布の費用目安

チラシの制作・配布にかかる費用は、自作か外注か、どの配布方法を選ぶかによって大きく変わります。ここでは、一般的な費用感を目安として紹介します。

チラシの制作費用

自作する場合は、部数に応じた印刷費がかかります。目安は1,000枚あたり約5,000円〜1万5,000円ほどです。無料のテンプレートを活用すれば、デザイン料などはかかりません。

一方、デザイン会社や個人のデザイナーにチラシ制作を外注する場合は、5万〜15万円ほどが目安となります。文章を自分で用意してデザインのみを依頼したり、クラウドソーシングを活用してフリーランスに発注したりすることでコストを抑えやすくなります。

チラシの配布費用

以下、配布方法ごとの目安です。

  • 新聞折込:1枚あたり2〜5円

  • 郵送DM:1通あたり90〜180円

たとえば1,000枚を配布する場合、新聞折込であれば2,000〜5,000円程度となります。

郵送DMは高めですが、業者によっては印刷込みのサービス利用により、送料の単価を抑えられる場合があります。

チラシを上手に活用して集客力を高めよう

チラシは、地域密着の強みを活かした集客手段として、今もなお高い効果が期待できる方法です。デザインや内容、配布エリアを工夫することで、限られた予算でもターゲットに届けることができます。特に開業間もない税理士や、地元の顧客とのつながりを大切にしたい事務所にとって、チラシは信頼を築く第一歩となるでしょう。

一方で、オンラインでの情報収集が主流となった今は、ホームページやSNS、デジタル広告といったオンライン集客と併用する視点も重要です。チラシをきっかけにホームページやSNSへ誘導することで、見込み客に認知から問い合わせまでの導線をスムーズに示すことができます。

地元に根ざした関係づくりと、デジタルを活かした発信をうまく組み合わせることで、チラシは今でも力強い集客ツールになります。

事務所の魅力を伝える一枚を、地域に届けるところから始めてみましょう。

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