
税理士・会計事務所の繁忙期への入口である、年末調整業務。特に紙での運用の場合、書類が揃うまでの「待ち時間」や不備があった場合の「手戻り」、さらに手入力の作業に大きく時間を取られがちです。
そんな状況を「freee人事労務年調プラン」で大きく変えたのが、とどろき会計事務所です。従来は、紙の申告書を顧問先で配布し、従業員に記入してもらい、回収して事務所側でシステムに手入力するという運用。それが「freee人事労務年調プラン」導入後は、現場の担当者が「入力作業がなくなり、チェックだけで済むようになった」と実感するほどに、作業の時間削減とスピード向上を実現しています。今回は、とどろき会計事務所で年末調整業務を担当する皆さまに、紙での運用時代の課題、「freee人事労務」導入後の変化、そして今後の展望についてお話を伺いました。
導入前の課題
紙の申告書回収に時間がかかり作業が遅延
手書き内容の判別や不備確認に手間が発生
確認リスト作成や顧問先への連絡が負担
導入の決め手
従業員自身が簡単に入力できること
完了者から順に確認でき進捗も見えること
顧問先の配布回収業務も減らせる仕組み
導入後の効果
事務所側の入力作業がほぼ不要になった
年末調整業務を半分以上削減できた実感
人が確認すべき内容に集中できる体制

小髙さん(以下、小髙):紙での運用は、資料の回収に時間がかかり、作業がなかなか進まないことが大きな負担でした。以前の作業の流れとしては、まず、顧問先から従業員分の申告書や控除証明書が届くのを待ち、内容をチェックした後、事務所側でシステムに入力していました。
しかし、資料に不備がある場合、顧問先の担当者経由で従業員本人に再確認が必要で、入力作業に進むことができません。そこでどうしてもタイムラグが発生します。特に現場勤務やシフト勤務が多い会社では、本人が常に職場にいるとは限らず、確認に時間がかかります。その結果、資料の回収が期限ギリギリになってしまうこともありました。
堂領さん(以下、堂領):手書きの申告書では、記載内容の判別にも時間がかかります。たとえば、数字が読み取りづらい、所得と収入の区別がついていない、住所や生年月日の記載に不備があるなど、細かな確認が積み重なっていました。
秋田さん(以下、秋田):不備がある場合は、それを一覧化した確認リストを作り、顧問先へ送ります。その作成や連絡、督促といった、年末調整の周辺業務にも多くの時間を取られていました。
しかも、紙の資料は作業が中断されると、状況がわかりにくくなります。以前は書類を物理的にロッカーに保管しており、作業のたびに取り出して、どこまで進めたのかを確認するという繰り返しでした。
原さん(以下、原):資料の内容をシステムに入力する際に「1PC・1人制約」があったことも、作業に時間がかかる原因になっていました。1台のPCでしかシステムにログインできず、同時に複数人の分担作業が不可能だったため、ひとつの顧問先の入力を1人ですべて処理するしかない状況でした。

秋田:大きく変わったのは、まず、事務所側での入力作業がほとんどなくなったことです。以前は、資料の内容を事務所側でシステムに入力していましたが、「freee人事労務年調プラン」では、顧問先の従業員の方が入力してくれます。そのため、事務所側はチェックに集中できています。
しかも、ネット環境があれば、クラウド上でいつでも資料を確認できます。物理的に資料を保管したり取り出したりする必要がなく、スキマ時間でチェックを進められるようになったことも大きな変化だと思います。
堂領:資料が「来たものから始められる」のも大きな変化で、作業スピードが大きく上がりました。
紙の場合、作業を開始するには、顧問先ごとに従業員全員の資料がすべてまとまって届くのを待たなければなりませんでした。しかし、「freee人事労務年調プラン」では、クラウド上での回答が完了した人からチェックできます。進捗状況も確認できるので、誰が未対応で、どこで入力が止まっているのかも、わかるようになりました。
原:以前のシステムでは難しかった、同時に複数のPCでログインして、ひとつの顧問先に対して複数のスタッフが並行して作業することもできるようになりました。これも、作業スピードの向上につながっています。たとえば80人規模の会社であっても、「ここからここまでは○○さん、ここからは△△さん」と分担でき、短時間でチェックを完了できています。
秋田:顧問先にもよりますが、体感で作業時間が半分程度、あるいはそれ以上に削減されたケースもあります。導入初年度は、事務所側も顧問先も、設定や操作に慣れる時間が必要でしたが、それを踏まえても以前よりかなり楽になりました。来年以降はさらにスムーズになると思います。
原:「freee人事労務年調プラン」では、入力内容に矛盾があるとアラートが出るため、従業員の方自身で気づいて修正できます。そのため、差し戻しがかなり減りました。
小髙:たとえば年度が違う証明書を添付している場合など、紙では見落としやすいケースも、システム上ならすぐに気づけるのは大きなメリットですね。
原:従業員の立場で言えば、アンケート形式で回答していくため、会計や税務の知識がなくても進めやすいと感じました。freee提供のマニュアルも整っており、「freee人事労務」の利用初年度であっても、ほとんどの顧問先でマニュアルを案内するだけで、そのまま入力を進めてもらえました。
また、顧問先の担当者からは「従業員に書類を配って、回収して、確認して、会計事務所へ送る」という作業がなくなったことを喜ばれました。会計事務所だけでなく、顧問先にもメリットがあるため、提案しやすい仕組みだと感じています。

小髙:従業員5名程度の小規模な会社から80名を超える会社まで、幅広い規模の会社で導入しました。人数が増えれば増えるほど、効率化の効果が大きくなるのを感じますが、人数が少ない会社でも、紙の配布や回収がなくなるメリットは大きいと思います。
給与計算を別の社労士が行い、それを基に年末調整だけ行うケースでも活用しましたが、年末調整の回答回収や確認業務の効率化という点で、十分に効果を感じられました。
また、特に外国人従業員が多い会社で、紙の書類と従業員情報を紐づける作業がなくなったことが大きな効果でした。紙の書類だと、似た名前が並んだときに、それがどの従業員の情報なのかすぐに判別できないことがありました。しかし、「freee人事労務年調プラン」では、クラウド上で従業員情報と本人の回答が紐づくので、間違いが起きるリスクを避けられます。
堂領:システムに任せられる部分が増えても、最終的な人のチェックは必ず必要です。たとえば、住宅ローン控除で夫婦共有の場合、証明書の内容をそのまま読み取るだけでは正しく判断できないことがあります。読み取った金額を、二人分として扱うべきなのか、按分が必要なのかといった細かな判断は、人が行わなければなりません。
効率化とは「人の確認をなくすこと」ではありません。人が見るべきところに集中できる状態を作ることだと思います。「freee人事労務年調プラン」では、画面上で入力情報に対する証明書などのエビデンスを横に並べて確認できます。これにより、チェック開始までの時間が短くなり、確認業務そのものもスムーズになりました。

原:年末調整だけで終わらず、その後の給与支払報告書の提出や法定調書の作成、電子申告までつながる点が大きいです。提出先や総括表の作成も自動で進み、電子申告はボタン操作のみで完了できます。年末調整後の1月末までの業務全体でも、かなりの作業時間を削減できていると感じます。年末調整は、事務所にとって繁忙期の入口です。ここで時間がかかるかどうかが、法定調書や償却資産税、確定申告の準備にも影響します。
小髙:「freee人事労務年調プラン」は、顧問先にクラウド化を体験してもらう入口にもなります。会計ソフトをいきなりクラウド化するのは抵抗がある会社でも、年末調整のように独立した業務であれば試しやすい。そこでメリットを感じてもらうことで、給与・労務、会計、確定申告など、ほかの業務のクラウド化につながる可能性があります。
また、「freee人事労務年調プラン」は料金が安価という点でも、導入しやすいと思います。導入後に削減できた作業にかかっていた人件費のほうが、導入費用よりも大きいくらいです。
秋田:年末調整業務の効率化は、単に作業を減らすための取り組みではありません。私たちが本来注力すべき「考える仕事」に時間を戻すための第一歩です。所内ではよく、「首から上の仕事を増やしていこう」と言われています。単純な作業ではなく、顧問先のために考えたり、調べたり、提案したりする時間を増やしていこうという考えです。
以前の年末調整は、情報収集、確認、入力という、作業の比重が大きい業務でした。それがクラウド化で減った分、顧問先へのアドバイスや経営支援に使う時間が増えました。紙の管理や手入力に追われる年末から抜け出すことで、税理士・会計事務所の働き方そのものを見直すきっかけになるはずです。
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