
開業税理士が事務所のロゴマークを制作依頼するときのポイント
税理士事務所のロゴは信頼感や差別化に重要です。本記事では、ロゴ制作のメリットや依頼方法、注意点を解説。最適なロゴを作るためのポイントを押さえましょう。
目次[非表示]
- 1.開業税理士が事務所のロゴマークを制作依頼するときのポイント
- 1.1.税理士事務所のロゴマークを制作するメリット
- 1.1.1.顧問先に安心感を与える
- 1.1.2.他事務所との差別化になる
- 1.2.ロゴマークの依頼方法と費用感
- 1.2.1.コンペ形式で公募
- 1.2.2.フリーランスのデザイナーに依頼
- 1.2.3.デザイン会社に依頼
- 1.3.ロゴマークを依頼する時のポイント
- 1.3.1.税理士事務所のコンセプトを明確にする
- 1.3.2.ロゴの代表的なパターンを知っておく
- 1.4.色が与える一般的な印象を把握する
- 2.ロゴマークを作成する際の注意点とは?
- 2.0.1.過度な宣伝表現を避ける
- 2.0.2.税理士事務所のロゴマークを作成しよう
開業税理士が事務所のロゴマークを制作依頼するときのポイント
近年ではロゴマークを作ってホームページや名刺に掲載する税理士事務所も増えてきました。
税理士事務所を開業するにあたってはロゴマークは必須ではありませんが、単なるデザインではなく、事務所の信頼感や認知度を高めるうえで重要な役割を果たします。
この記事では、税理士事務所でロゴマークを制作するメリットや、制作する際のポイントについて説明します。
税理士事務所のロゴマークを制作するメリット
まずは、ロゴマークを持つことで得られる具体的なメリットを紹介します。
顧問先に安心感を与える
税理士の職務は、顧問先からの信頼が非常に重要な職業です。ロゴがあることで、名刺や封筒、ウェブサイトなどのデザインが統一され、「しっかりした事務所」「きちんと対応してくれそうな事務所」といった期待感をクライアントに与えてくれます。
またロゴを持つことは、その税理士事務所が一貫したブランド戦略を持ち、質の高いサービスを長期的に提供する意志があることを感じさせます。これにより、顧問先に対して安定感のあるサービスイメージを想起させることができます。
他事務所との差別化になる
都市部などには多数の税理士事務所が存在し、その競争が激化しています。ロゴマークを持つことで、他事務所との視覚的な差別化がしやすくなります。
また、ロゴに事務所の理念やビジョン、地域の特色を反映させることで、顧問先に対してその事務所の特徴や信条を強く印象付けることができます。事務所のことをより深く知り印象に残こしてもらうためにも、ロゴに込めた思いはホームページ等に記載すると良いでしょう。
ロゴマークの依頼方法と費用感
ロゴマークを制作する場合、外部のデザイナーや制作会社に依頼することが一般的です。依頼方法によって、コストやクオリティ、デザイン相談に対する柔軟性が異なるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な依頼方法に対する費用感と特徴を解説します。
コンペ形式で公募
・費用感:1万円~5万円程度
クラウドソーシングなどの発注機能として備わっているコンペ形式を活用した依頼方法です。ロゴのイメージと報酬を伝え、コンペ形式でクリエイターから広くデザインを募ることができます。
通常、クラウドソーシングでは、ロゴの視覚的なイメージを依頼者と応募者で共有するためのフォームが用意されています。そのため、作りたいロゴのイメージが明確な人にとっては、予算内で多くのアイデアからデザインを選べるため、メリットの多い方法です。
一方で、安価な依頼は、ロゴ制作のプロ以外も気軽に参加しますので選定に手間がかかることもあります。プロのデザイナーに依頼したい場合は、適切な価格設定が重要です。
フリーランスのデザイナーに依頼
・費用感:3万円~10万円程度
「このデザイナーの作風が好き」「独自性のあるデザインにしたい」と考えている場合、特定のフリーランスデザイナーに直接依頼する方法が向いています。デザイン会社よりも比較的安価で、デザイナーと直接やり取りができるため、希望するデザインのイメージを細かく伝えられることが特徴です。
一方、フリーランスは個人で対応するため、依頼が集中している場合は納期が長くなることもあります。
【参考:フリーランスデザイナーの探し方】
・クラウドソーシング
・SNS(X, Instagram など)
・デザイナーの公式ポートフォリオサイト
・知人の紹介
デザイン会社に依頼
・費用感:10万円~30万円程度
デザイン会社に依頼し、その会社に所属するプロのデザイナーに制作してもらう方法です。
受注体制が整っているため、ロゴデザインの相談から希望納期などの交渉をスムーズに進めやすく、デザインの品質も安定していることが多いです。ロゴの色や形など視覚的なイメージがまだはっきりしていない場合や、ある程度、早めに納品してもらいたい場合に向いています。
一方、費用感は他の方法と比べて高くなります。
ロゴマークを依頼する時のポイント
ロゴデザインを依頼する際には、事務所の特徴や求めるイメージを明確に伝えることで、ミスマッチのない提案を受けやすくなります。ここでは、依頼時に整理しておくべきポイントを紹介します。
税理士事務所のコンセプトを明確にする
ロゴを依頼する前に、事務所のコンセプトや方向性を整理しておくとデザイナーに希望を伝えやすくなり、スムーズなやり取りにつながります。以下の点を決めておくと良いでしょう。
・事務所名(税理士の氏名でない屋号を使用する場合、その由来など)
・経営理念やビジョン、所長の信条
・得意業務や強み
・ターゲット層
これらを整理することで、どのようなイメージのロゴが事務所に適しているのかを、デザイナーと一緒に考えやすくなります。
ロゴの代表的なパターンを知っておく
ロゴのデザインにはいくつかの代表的なパターンがあります。それぞれの特徴を把握しておくことで、依頼の際に役立ちます。
代表的な |
イメージ |
一般的な特徴 |
ワードロゴ |
事務所名などの |
何のロゴであるか |
頭文字ロゴ |
頭文字からデザインするロゴ |
ワードロゴよりも |
エンブレムロゴ |
バッジや紋章の形を |
プロフェッショナル感を強調できる |
キャラクターロゴ |
キャラクターやモチーフを |
事務所のモチーフにしたい素材や |
抽象ロゴ |
理念やコンセプトなどを |
由来の説明を受けた際に |
色が与える一般的な印象を把握する
色にはそれぞれ異なる心理的な印象があります。税理士事務所のロゴを考える際には、色の持つイメージも考慮するとよいでしょう。
色 |
イメージ |
赤色 |
活力・情熱 |
橙色 |
元気・楽しい |
黄色 |
希望・好奇心 |
黄緑色 |
若々しさ |
緑色 |
自然・成長 |
青色 |
誠実さ・信頼感 |
紺色 |
知性・専門性・フォーマル感 |
紫色 |
神秘的・優雅 |
灰色 |
都会的・落ち着き |
白色 |
純粋さ・清潔感 |
黒色 |
権威・格式・高級感 |
特に、税理士事務所では「信頼感」を強調できる青系が人気です。
ただし、事務所の個性を表すことも大切ですので、ターゲット層や事務所のコンセプトに応じて他の色を活用する選択もよいでしょう。
たとえば、スタートアップ企業の支援に力を入れている税理士事務所であれば、黄緑や黄色、橙色を使い、「若々しさ・好奇心・楽しさ」を強調することも考えられます。
ロゴマークを作成する際の注意点とは?
ここでは、税理士事務所のロゴマークを作成する際の注意点を解説します。
過度な宣伝表現を避ける
税理士の広告には、日本税理士会連合会の会則等における広告規制が適用されます。ロゴマークも「広告」の一部として扱われるため、次のような点に注意が必要です。
- 事実に合致しない誇大表現にならないようにする
- 誤解を招くデザインや品位を損なう要素を避ける
商標権・著作権の侵害に注意
他者の商標権や著作権を侵害しないことにも配慮が必要です。ロゴマーク選定の際には既存のロゴと酷似していないか確認しましょう。デザイナーに依頼する際には二次使用の範囲(名刺やWebサイトなどで自由に使用できるか)を確認しておくことも重要です。
税理士事務所のロゴマークを作成しよう
税理士事務所のロゴマークは単なるデザインではなく、信頼感の向上や他事務所との差別化、ブランディングの確立に大きな役割を果たします。
ロゴデザインを依頼する際には、事務所のコンセプトを整理してデザインの方向性を明確にすることが重要です。コンペ形式やフリーランスデザイナー、デザイン会社など依頼方法にはさまざまな選択肢があるため、予算や求める品質に応じて適切な方法を選びましょう。
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