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税理士の名刺作成ガイド|税理士マークは入れる?

コロナ禍以降、さまざまな目的でのコミュニケーションが非対面化したことにより、名刺交換をする機会が減少したと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、税理士の業務は信頼関係が第一です。そのため、非対面よりも対面で話をすることの必要性は依然として高く、特に初めての対面では、挨拶とともに名刺交換をすることが円滑なコミュニケーションの入口になります。

この記事では、名刺を作成する際に載せるべき情報や業者の選定基準、注意点について説明します。

目次[非表示]

  1. 1.税理士が名刺を交わす可能性のある場面
  2. 2.税理士の名刺に記載すべき情報
  3. 3.税理士マークは入れる?入れない?
  4. 4.税理士マーク入りの名刺作成方法
    1. 4.1.業者に依頼する方法
    2. 4.2.日本税協連に依頼する方法
  5. 5.税理士マーク入りの名刺作成における注意点
    1. 5.1.税理士登録完了前の使用は控えよう
  6. 6.税理士としての信頼感を与える名刺を作成しよう


税理士が名刺を交わす可能性のある場面

税理士が実際に名刺を交わすのはどのような場面でしょうか。具体的には以下のような場面が想定されます。

・顧客との初対面
経営者など顧問先候補となる人物との初対面では、ほぼ確実に名刺交換を行うことになります。事務所に飛び込みで来所した相手の相談を受ける機会もあるため、常に名刺を準備しておきましょう。

・税理士同士のコミュニティへの参加
税理士同士のコミュニティに参加すると、他の税理士との関係を築くチャンスが得られます。名刺交換は、話しかけるきっかけを作ったり、連絡先を手早く交換したりすることに役立ちます。

・異業種との交流
他士業や関係機関とのネットワークの構築も欠かせません。そのため、異業種と交流できる場に参加し、挨拶まわりを兼ねて名刺交換することも有効です。

税理士の名刺に記載すべき情報

税理士にとって名刺は、相手との信頼関係を構築する第一歩となる「税理士としての顔」ともいえるツールです。そのため、名刺には必要な情報や自らの知ってほしい情報をしっかりと載せる必要があります。

以下、税理士の名刺に記載すべき事項をまとめます。

・事務所名
事務所名は必ず記載しましょう。自身の氏名ではない特別な屋号をお持ちの方は、その屋号を記載します。

・役職名
税理士法人を開業する場合の「代表社員」「社員税理士」といった法的な位置づけはもちろん、「相続・事業承継事業部部長」など組織内での役職名がある場合は、それも記載すると得意分野のアピールになります。

・氏名(フルネーム)
読み方を間違えられやすい場合は、振り仮名もつけましょう。逆に、敢えて振り仮名をつけないことで読み方を相手に尋ねてもらい、会話に繋げるという考え方もあります。

・住所(事務所所在地)、電話番号、FAX番号、メールアドレス
事務所所在地や連絡先は必ず記載します。

・事務所ホームページやSNSのQRコード
事務所ホームページやSNSを載せるのもよいでしょう。記載する場合にはQRコードがおすすめです。

・税理士登録番号
必須ではありませんが、税理士登録者であることを明確にできるメリットがあります。特に所属税理士の場合におすすめですが、開業税理士が記載しても問題ありません。

・所属税理士会名
こちらも必須ではありませんが、所属する税理士会を記載することで、税理士同士のコミュニティや関係団体のイベントに参加した際に、「◯◯さんを知っていますか?」のような話のきっかけになることが考えられます。

・税理士マーク
税理士バッジのデザインを模したマークです。縁取られた円の上部に桜の花が描かれたデザインになります。事務所のロゴマークなどがなくても税理士マークを入れることで、見栄えのする税理士の名刺に仕上がります。

・自身の顔写真
名刺に顔写真を入れる方もいます。大勢が集まる場での名刺交換には、後から名刺を見ても「どんな人だったかな」と思い出してもらえない場合がありますが、顔写真を入れることで他の人よりも強い印象を残しやすくなります。

ここまでは税理士の名刺に記載すべき情報を紹介しました。
名刺は受け取った相手にとって見やすいデザインであることが大切なので、すべての情報を詰め込むと読みづらくなる場合には、裏面を活用することも検討しましょう。

税理士マークは入れる?入れない?

前述のとおり、税理士の名刺には「税理士マーク」を入れることができます。このマークを入れることにより、名刺に華やかさと信頼感をプラスすることができるでしょう。

また、税理士マークは税理士バッジを模したデザインですが、そもそも税理士バッジを知らない経営者も多く存在します。そのため、名刺に税理士マークを入れることで「これは何を表しているのですか?」といった会話のきっかけになることもあります。

ちなみに、税理士バッジの外側の円は日本の「日」を示し、「日」とともにどこまでも進行(隆昌)することを意味します。また「桜の花」は、日本の国花であることから選定されています。

(参考)日本税理士会連合会HP:日本税理士会連合会パンフレットより
(https://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/240329c/ )

一方で、税理士マークや事務所のロゴマークなどがない名刺は、無味乾燥になりがちです。それ自体が悪いことではありませんが、特に経営者は普段から多くの相手と名刺交換をしますので、特別な印象を与えることは難しくなるでしょう。

税理士マーク入りの名刺作成方法

名刺に「税理士マーク」を入れるには、専門の業者や日本税協連に依頼する方法があります。

業者に依頼する方法

税理士マーク入りの名刺は、一部の印刷会社や会計ソフトベンダーなどの業者が受注しています。税理士マークの位置や名刺の素材、カラーなど、選択肢が多いのがメリットです。依頼する際には名刺の紙質やカラー、型押し加工、書体などの種類を抑えておきましょう。

・紙質
名刺に使用する紙の厚み、光沢、手触りなどによって、こだわりを演出できます。
例:厚紙、薄紙、マット、光沢、和紙、エンボス加工の有無など

・カラー
名刺の色は、相手に与える印象を大きく左右します。
例:白系はシンプルで洗練された印象、ダークカラーは高級感やモダンな印象を与えやすい

・型押し
ワンランク上の高級感や立体感を演出する加工技術もあります。
例:エンボス(紙面に浮き上がらせる加工)、デボス(紙面を凹ませる加工)、箔押し(金や銀の箔を貼り付ける加工)

・書体
名刺に使用する書体も相手に異なる印象を与えます。
例:真面目で固いイメージの明朝体、伝統的で格式高いイメージの楷書体、親しみやすいイメージのゴシック体など

日本税協連に依頼する方法

日本税理士協同組合連合会(日本税協連)とは、税理士を対象とした全国組織の組合であり、こちらでも税理士マーク入りの名刺(※1)を依頼することができます。デザインの選択肢は減りますが、公式という安心感があります。日本税協連に依頼する場合のデザインは以下になります。

  • 税理士マークの位置は、縦型・横型ともに左上で固定
  • 紙質は厚紙と薄紙の2種類
    (厚紙を選べば、税理士マーク部分を金箔と空押しから選べます ※薄紙は金箔のみ)
  • 書体は楷書体が原則

また、業者に依頼するのではなく自分自身で作成することも可能ですが、商標権や著作権など、デザインの権利関係については注意しましょう。

(※1)日本税協連の税理士マーク入り名刺
( http://www.nichizei.or.jp/service/goods.pdf )

税理士マーク入りの名刺作成における注意点

税理士登録完了前の使用は控えよう

日本税理士連合会(日税連)では、税理士登録が完了する前に、名刺などの情報に「税理士」の名称を使用することを禁止しています(※2日本税理士会連合会「税理士登録の手引」より)。
税理士マークについて直接的に言及されているわけではありませんが、未登録の状態で税理士マークを使用することは控えましょう。

(※2)日本税理士会連合会「税理士登録の手引」PDF(21ページ、PDF25 / 48)
(https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/cpta/system/entry/howto/entrymanualR6.pdf)

税理士としての信頼感を与える名刺を作成しよう

税理士にとって名刺は、単なるビジネスマナー用品ではなく、専門家としての信頼感や専門性を示す大切なアイテムです。税理士マークの有無や紙質、デザイン、カラーなど、細部にこだわることで、会話のきっかけになったり、受け取る相手にプロフェッショナルな良い印象を与えたりすることができます。

印象に残る見やすい名刺を作成し、顧問先や協業関係者との信頼関係に繋げましょう。

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