
辻・本郷税理士法人は、全国84カ所に拠点をおく国内最大規模の税理士法人です。税理士285名、公認会計士64名を含む2,265名の従業員が所属しており、会計や決算から経営コンサルティングまで、幅広い分野で事業を展開しています。
今回お話を伺ったのは、同法人のなかで最大規模の事務所である仙台事務所に在籍する、シニアコンサルタントの沖野元気さんと、コンサルタントの後藤瑠真さん。freee導入にあたってはプロジェクトメンバーが結成され、沖野さんがリーダーを務め、後藤さんはメンバーとしていち早くfreeeの実走を行いました。
その経験を踏まえ、freee導入までの経緯や運用後の変化についてお二人にお話しいただきました。
導入前の課題
特定の人や部門に負担が集まり、属人化が発生
コンサルティング業務のリソースが確保できず、付加価値の提供が不十分
導入の決め手
導入後の変化
沖野元気さん(以下、沖野):弊社は創業当初から「付加価値の高いサービスを提供する」ことを理念に据え、個人・法人を問わず税務関連の幅広い領域でサポートを行ってきました。
また、最近の法人全体のテーマが「専門性を高める」ことです。大きく「法人」「相続」「事業承継」を3つの柱として、「カンパニー制」という体制を構築しています。事務所内で「法人カンパニー」「相続カンパニー」「事業承継カンパニー」と担当を分け、専門性の強化と同時に各担当の連携を図りながら、各々がプロジェクトを進めている状況です。
沖野:海外も含め91か所ある弊社の事務所のなかで、一番歴史が古く、かつ最大規模の事務所が仙台事務所です。宮城県全域を担当しており、現在、約70名の従業員が所属しています。

沖野:一番大きな課題は属人化でした。各分野の業務に対応する担当者同士の連携が不十分で、特定の人や部門に負担が集まる傾向がありました。弊社は人数が多い分、特に他の人の業務が見えにくくなりやすかったと思います。
また、弊社の理念でもある「付加価値の提供」が十分に行えていない点も、大きな課題でした。当時は記帳に時間を取られ、付加価値を提供するコンサルティング業務へのリソースが十分に確保できていなかったんです。
沖野:業務の効率化を目的にクラウド会計ソフトを導入したことがあります。ただしそのソフトは、伝票や請求書の仕訳の際、登録ボタンを手動で押す必要があり、利用のネックになっていました。その経験から、本当の意味で「自動化」できるソフトを導入しないことには、時間の捻出は難しいと感じていました。
沖野:お客様から「freeeを使っているところに依頼したい」というお声が増えてきたことがきっかけです。ニーズの高まりを実感するなかで、freeeの導入や推進を「法人カンパニー」の活動の軸にしながら、仙台事務所の代表的な取り組みとして全国の他の事務所にも共有する流れになりました。
しかし、当初私個人としては導入の必要性をあまり感じておらず、抵抗感がありました。なぜなら、すでに社内には業務効率化のための各種ツールが導入されており、それらを活用すれば、一般的な会計クラウドソフトとほぼ同じ精度で各種業務に対応できていたためです。
沖野:freeeの担当の方と直接お話をして、「自動化」できる部分に魅力を感じたことが大きかったです。
また、「進化性」にも期待を抱きましたね。仮に導入段階で多少不便な点があったとしても、使いやすい仕様に改善してもらえるのではないかと思いました。
さらに、freeeのような成長を続ける会社さんと同じ目線で動かないと、うちの事務所は置いて行かれてしまうと、危機感に近い刺激を受けたことも大きかったです。
沖野:事務所内への浸透が、なかなか難しかったですね。若手メンバーを中心にプロジェクトチームを結成したために、ベテランのメンバーから一線を引かれてしまったところがありました。
沖野:プロジェクトチームの再編を行いました。当初のプロジェクトチームも、半年で100件ほどのお客様にfreeeを導入していただいたので、一定の成果は出せていたと思います。
しかし、事務所のスタッフに浸透させるには、さらに幅広い年代のメンバーの増員が必要でした。そこで、あえてfreeeに懐疑的なメンバーのなかで、個人的に信頼関係が作れている社員をプロジェクトチームに入れました。
その結果、より率直な意見が飛び交うようになりました。プロジェクトチーム内にオブザーバーチームができたようなイメージですね。
沖野:とにかくコミュニケーションを図り、中長期的なビジョンを示すことで方向性の統一を目指していました。たとえば、プロジェクトチームのメンバーには「今はきついけど、freeeが定着して業務が効率化されたら、評価されるのは活動した我々だよ」といった形で声をかけて、将来をイメージしてもらうように意識しました。
そんななか、いち早く個人レベルでfreeeへの熟練度を上げていたのが、立ち上げ当初からのプロジェクトチームのメンバーである後藤です。

後藤 瑠真さん(以下、後藤):通常の業務に加えてfreeeの導入作業を進めたため、導入段階では時間の確保に苦労しました。そんな中で非常に助かったのは、freeeさんから2週間に1度くらいのペースで進捗確認のご連絡いただいたことです。その都度疑問点について教えていただくというサイクルを回すことができ、システムの理解を深めるうえで大きな力となりました。
後藤:お客様の記帳時間が大幅に削減されました。私の担当顧客もそうですし、freeeに切り替えをしたお客様のデータを全社で集約したところ、平均33%程度も記帳時間を削減できていることがわかりました。特にExcelにインポートして通帳に連携する作業をされていたお客様は、記帳時間を最大約50%程度も削減できていたんです。
お客様が業務の効率化を具体的に示してくださったことが、事務所内でのfreee導入に対する心理的なハードルを下げることにも繋がったのではないかと感じております。
そして、何よりもお客様に自信を持ってfreeeをおすすめできるようになりました。
後藤:最近すごく良いなと思ったのは「ファイル自動登録ルール」ですね。お客様が写真をアップロードすると自動で仕訳が完了するため、正確に素早く明細を確認できる点が魅力です。手動の対応を50%以下まで減らせました。
この機能がリリースされるまでは、明細数の多いお客様は、これまで未処理の明細が何百枚もクラウドストレージに溜まってしまうことがありましたが、このような状況が解消されました。この先、「どのような明細に対して、どのような処理をする」といった「自動登録ルールの設定」を増やせば、さらに仕訳を効率良く行えると実感しています。

後藤:記帳に費やしていた時間をお客様のために使えるようになった点ですね。お客様とお話しする前に、他社の情報を比較したり、提供内容をより丁寧に精査したりと、事前に準備できることが格段に増えました。お客様とじっくりお話しする時間も確保できるようになり、最新の税制のご説明や新たなご提案なども行えるようになりました。
また、私はfreeeの損益レポートも活用しています。freeeの損益レポートはデザインも含めて見やすく、私にとって欠かせないアイテムです。
後藤:私が主担当しているお客様では、この1年で19件中13件が freee に切り替わりました。導入にあたっては独自の業務設計図を用い、現状把握から導入ステップ、役割分担までを明確にすることで、スムーズに進行できたと感じています。
また、お客様からも「試算表の形式や資料の提出方法が少し変わるだけだよね」といった声を多くいただき、切り替えに対する抵抗感が少なかったことも円滑な移行につながった要因だと思います。
後藤:まだ手作業が中心の事務所では、freee を導入することで一気に業務効率が向上すると私は確信しております。導入にあたって不安や戸惑いがあるのは当然ですが、ぜひ思い切って一歩を踏み出してほしいと思います。
沖野:ノウハウを統一したいと考えている事務所や組織にとって、freeeはとても効果的なツールです。試算表一つ取ってみても、情報の共有がしやすくなるため、若手でも高品質なものを作れる状態になります。
後藤:今では、freee は会計事務所にとって必要不可欠なソフトだと感じています。
さらに、フリー株式会社が発信する情報やノウハウも実務に直結するものが多く、私自身の成長にも大いに役立つ存在です。
沖野:私にとっては、寝ないで働いてくれる経理のプロフェッショナルであり、超一流会計事務所のノウハウの分身です。「自動化」が一番の魅力だと思います。
沖野:事務所としては、地域をより活性化させることが目標です。具体的には、東北をもっと盛り上げるために、仙台に本社を置く上場企業がどんどん増えてほしいと思っています。そしてそういった企業や団体に、「辻・本郷税理士法人」として、常に付加価値を提供できる存在でありたいです。
個人的な展望としては、仕事が好きでなおかつワークライフバランスも実現できる職場環境を目指したいですね。freeeの活用を軸にさらに業務を効率化して、すべてのスタッフが仕事と家庭を両方大事にできる組織を作りたいです。


【現場の定量的成果】推進した自動化は、現場の業務時間と時間単価をどう変えたか?
辻・本郷 税理士法人 仙台事務所
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