
全国84カ所に拠点を持つ国内最大級の税理士法人、辻・本郷税理士法人。前回に続き、同法人で最大規模の仙台事務所でのfreee導入事例をご紹介します。
今回お話を伺ったのは、シニアコンサルタントの佐藤大樹さんと、チーフコンサルタントの欠端優貴さん。前回はfreee導入のプロジェクトチームの目線からお話を伺いましたが、今回はより現場に近い目線から、freee導入に対する所感や導入後の変化を教えていただきました。
導入前の課題
導入後の効果
佐藤 大樹さん(以下、佐藤):当時は記帳など会計の多くの業務が紙ベースで、個々のスタッフのマンパワーに依存せざるを得ない状況でした。本来私たちが提供すべき「財務分析」や「経営提案」といったお客様の成長に寄与するための時間が圧迫されていました。
欠端 優貴さん(以下、欠端):紙ベースのデータ入力やスキャンなどの作業の工数が重く、理想とするお客様へのサービスの準備時間が十分に確保できない構造にストレスを感じていました。
単なる記帳代行で終わるのではなく、より高い付加価値を組織として安定的に提供できる体制への変革が急務でしたね。
佐藤:システム自体は多機能ではありましたが、操作の習熟に特殊なスキルを要する面がありました。当法人のような規模の組織においては、それが特定の担当者にしか業務が見えない「ブラックボックス化」を招くリスクに繋がります。
我々が最も重視すべきは、万一の担当変更や体制変更が生じたさ際でも、お客様に提供するデータの精度やスピードを一切落とさない「組織としての盤石な安定性」です。属人的なスキルに依存するのではなく、誰もが高いパフォーマンスを発揮し、標準化された高品質なサービスを提供し続ける。
その理想を実現するために、直感的な操作が可能なfreeeへの刷新が必要不可欠であると判断しました。

佐藤:当時、私はほぼfreeeのことを知りませんでした。ただ、お客様からfreeeを指定される機会が増えていたので、対応せざるを得ないという危機感は持っていました。「やらなきゃいけない」という実情に目が向いていた感じですね。
欠端:私は前職でfreeeに触れる機会が少しありましたが、今までにない記帳方法であったため、当時関わっていた税理士の先生のウケはあまり良くなかった印象があります。
一方で弊所での導入は、個人的に歓迎していました。freeeの担当の方からの説明を聞いて、「本当にその通りのシステムが実現できたら夢のようだ」と感じましたね。
欠端:実際に触ってみると、従来の会計システムの違いにぶつかり、戸惑う場面が多くありました。会計事務所の人間としては、「仕訳を入力するのが当たり前」という前提を持っていたので、「どこから仕訳を打つんだろう」という第一段階でつまずいてしまいました。
佐藤:従来の会計システムとは仕組みも仕様も概念も異なり、私も「分からないものを手探りで扱っている」という感じでした。会計の人間はどうしても複式簿記・貸借でものを考えるので、慣れるまでは苦労しました。
佐藤:私は推進者という立場だったので、とにかくひたすらfreeeについて勉強しました。お客様のニーズは高まっているので、「何とかしなきゃダメだ」という責任感もありました。
freeeから解説動画やコンテンツが結構出ているので、学ぶ機会には困りませんでしたね。そうして体当たりで触り続けているうちに、freeeの概念や仕組みがバチっとはまるようになったんです。そこからは一気に習得できました。
従来の会計ソフトは、仕訳を打つだけで、正直作業そのものには頭を使っていませんでした。それに対してfreeeは、「何と何を連携させる」という意識を持ちながら作業する必要があり、それさえできれば一気に高度な試算表が再現できます。それが腑に落ちてからは、非常に使いやすくなりました。
欠端:私は実際にfreeeの記帳の仕組みを理解できたときに驚きを感じました。お客様のところで画面を触ったとき、「あれ、これそのまま入力なしで仕訳が飛んでくるじゃん」と気づき、圧倒的に作業効率が高まるのを肌で実感できたんです。
仕訳をカタカタ打ち込んで「ターン」とEnterキーを押す作業。「あれがそもそもいらなくなるんだ」と感動したのを覚えています。

欠端:freee導入開始から半年でリアルタイム記帳を実現し、業務のスピード感がまるで変わりました。
会計のスピードを上げるには、データ共有の速度を上げるしかありません。しかし、従来はお客様のもとに書類がそろってからまとめて郵送されるのが基本でした。
それがfreeeでは、お客様に「アプリを使って手元にある書類からアップしてほしい」とお伝えすると、リアルタイムでデータを送っていただけます。それを事前に整理しておけば、最終段階はスムーズに処理でき、時間のゆとりが大幅に生まれました。
お客様には、経費を使ったときにスマホで領収書の写真を撮ってファイルボックスに上げていただくだけなので、「使いやすい」「都度処理すればこちらも楽だ」ととても評判です。
自分たちの業務が楽になったのはもちろん、お客様に喜んでいただけたことで特に良かったなと実感できます。
佐藤:freeeでは、データの連携やアップロードなど、お客様と協力しながら作業していくのが特徴です。それによって、お客様とのコミュニケーションが自然に増え、よりきめ細やかなサービスを提供できるようになりました。
また、時間にゆとりが生まれた分、お客様に寄り添ってお話を伺えるようになりました。その結果、まだfreeeを導入されていないお客様に対しても、有益なアドバイスができるようになっています。たとえば、領収書や請求書を7年間も紙保存するなんて大変!という声に対し、電子帳簿保存法にも対応しているfreeeの導入をおすすめするといった柔軟な対応ができました。
欠端:「社内に現金をなくしたい」というお客様の意見も多く、小口精算のfreeeカードへの統一をおすすめすることもあります。小口現金は、不正の温床になりやすいといったリスクがあるんですよね。freeeカードを使うことで、経費処理も大幅に効率化できます。
こうした形で、お客様に提案できる引き出しが1つ増えたのも、freeeを導入した大きなメリットです。
佐藤:時間単価が上がりました。私は新規の案件を担当することが多いのですが、たとえば6~7時間はかかると想定していた作業が、約半分の2~3時間で終わったケースもありました。顧客単価は変わらなくても、時間単価が約2倍ということになりますよね。
何より、属人化が解消された点が大きいです。私の担当業務を別のメンバーに振り分けたときに、同じくらいの時間軸で作業してもらえるようになりました。

佐藤:複数のECサイトを運営されている個人のお客様で、年間約8,000もの取引を処理しなければならない案件がありました。新規のお客様でもあったため、まともに入力すれば1年間の記帳に8~10営業日はかかる見込みだったのですが、freeeを使ったところ1~2営業日で完了してしまったんです。
1年分のクレジットカードのデータも、freeeに連携して自動登録をすれば一瞬で作業が終わります。普通は大幅な工数が必要な作業も簡単に引き受けられるという強みは、やはりfreeeならではだと実感しました。
欠端:freeeを通してオンライン上でのコミュニケーションも活発となり、結果的に訪問回数を減らしてもお客様の満足度が変わらずという状況も作り出せました。
試算表を出すサイクルも、平均1カ月〜半月程度早くなっていますね。


【組織マネジメント】顧問先50%削減の成功は、どのように組織全体に浸透したのか?
辻・本郷 税理士法人 仙台事務所
宮城県仙台市
会計事務所の方
サービス
ご契約者の方はこちら
© 2012 freee K.K.