
辻・本郷 税理士法人 長門拠点は、2019年に辻・本郷 税理士法人に加入しました。山口県長門市で「昔ながらの税理士事務所」として長く事業を行ってきた同拠点ですが、所長である近藤雅洋さんが経験したある出来事をきっかけに、「会計のクラウド化」という改革に踏み切ります。導入の結果としてソフトウェア固定費が50%削減、データ自動連携で作業工数も半減するなど大きな効果がでました。
「地方拠点の持続可能性を切り拓く、freeeによる業務構造の抜本的転換」。改革を経て、近藤さんはそう語ります。このことは、人口減少や地域経済の縮小、さらに会計ソフトの値上がりという地方特有の構造的課題に直面する税理士事務所にとって、今後のあり方を示す一つの希望となり得るかもしれません。
伝統的な税理士事務所が、クラウド会計の導入に踏み切った経緯と導入過程、また導入後の変化を、近藤さんを始め、プロジェクトのリーダーの渡邊清太郎さん、プロジェクトメンバーである奈古豊さん・波多野智明さん・安森拓史さんに伺いました。
導入前の課題
市場の縮小に加え、会計ソフトなどの固定費の高騰で売上が伸びない
複数の会計ソフトへの二重入力などで、会計の流れが滞ることが多い
昔ながらの現状維持が将来のマーケットから自らを切り離すリスク
導入の決め手
導入後の効果

近藤雅洋さん(以下、近藤):
地方の税理士事務所は今、かつてないほどの「構造的な疲弊」の渦中にあります。人口減少による顧問先の廃業、地域経済の縮小、そして追い打ちをかけるように高騰する会計ソフトの維持費。
これらの地方特有の構造的課題は、地方の専門家集団の体力を徐々に奪い、静かに、しかし確実に組織を解体へと導いています。私は税理士として40年以上の業界経験があり、アナログ全盛期の「昭和の好景気時代」を勝ち抜いてきました。かつては複数の有力な会計ソフトを使いこなす「二刀流」が事務所のステータスであり、プロの証でもありました。
しかし、平成の長期的な不況を経た今の業界では、多くの事務所で売上は右肩下がり、収支は赤字寸前という状況です。私たちも例外ではありません。ただ、単なる経営数値の悪化よりも、さらに深刻な問題があります。
近藤:最大の経営リスクは、「現状維持」という選択そのものでした。
ある時、スタートアップの若手経営者の方から一本の連絡を受けました。「御社はfreeeに対応していますか?」、この問いに「NO」と答えた瞬間、商談は打ち切られました。
この出来事から、若い世代にとって、クラウド会計はもはや単なるツールではなく、ビジネスを円滑に進めるための「共通言語」であると気づかされました。既存の枠組みに固執することが、将来のマーケットから自らを切り離す原因となることを痛感しましたね。
デジタル化を拒むことは、新しい才能や成長企業との接点を自ら断つことに他なりません。それは単なるIT化の遅れではなく、地方の税理士事務所における「存在意義の喪失」を意味しています。
この出来事を機に危機感を覚えた私は、これまでの自分の成功体験を捨て、生き残りを懸けた会計のクラウド化への改革に舵を切る決意を固めました。

渡邊清太郎さん(以下、渡邊):実は、最初は別の会計ソフトでクラウド化を推進していました。ただ、導入を進めるなかで、一部の修正が柔軟にできないなど、使いづらさを感じたことがあったんです。。
ほかで使用するツールを検討したところ、freeeをすでに使っているお客さまがいて、そのお客さまにfreeeを勧められたんですね。そのお客さまには「先見の明がある」と感じていたのもあります。
そんなときにfreeeの担当者と話す機会があり、「あ、これいいな」と直感的に思ったんです。すでに導入していたものを全部ひっくり返す形で、freeeに一本化することを決めました。
「いいな」と思ったのは、まず、直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)です。また、たとえば「未決済の消込」など、freeeは業務フローを「おもしろく」変える力を持っていると感じました。
近藤:freeeは進化のスピードも早く、さまざまな状況に柔軟に対応できると感じました。そういったプラットフォームへの切り換えは、経営の観点からも大きな意味を持つものです。単にツールを選ぶだけでなく、将来の変化に対応するために必要な投資だったといえます。
また、freeeに移行することでソフトウェア関連の固定費を50%以上削減でき、その点でも経営上大きなインパクトでした。
渡邊:freeeの担当者が持ち込んだfreeeの文化やフランクな関係性が、伝統的な士業の壁を壊し、改革を加速してくれたと感じています。
当拠点のfreeeの担当者は、初めて会ったときからノリが良い方という印象で、すぐに気を使わずに話せる関係性になりました。
「おもしろい」は、採用難の地方における強力な武器になります。職場の雰囲気はもちろん、ソフトウェアが「使うのがおもしろいプロの道具」になれば、スタッフの定着率は向上するはずです。また、採用時にも「最新の武器を使える税理士事務所」としてブランディングにもなります。

奈古豊さん(以下、奈古):freeeの導入当初は、正直なところ戸惑いがありました。画面遷移も操作体系もそれまでと全く違う世界で、私にとってのfreeeはまさに「大改革」。スキルを一度リセットして向き合う覚悟が必要でした。
渡邊:新卒の社員が、freeeを使っていきなりバリバリ仕事を回している。これまでの「10年修行して一人前」という会計業界の常識が、完全に壊されましたね。
一方で、ベテラン職員の経験を否定するのではなく、彼らが持つ「検証能力」というプロの眼を、自動化されたデータのチェックへと再配置する。これが組織論的な成功の鍵であったと思います。

波多野智明さん(以下、波多野):会計とは「流れ」の管理だと考えています。freee導入以前は、その「流れ」が滞ることが多く、本当に苦痛でした。たとえば、科目の入力にしても、複数の会計ソフトを使っているために二重入力が必要でした。
freeeを導入してからは、証憑をお客様にチャットツールで送ってもらい、自動でデータ化されるようになりました。これだけで工数が従来の半分程度になっています。
奈古:従来のシステムでもスキャンサービスはありましたが、データ化に1週間から10日ほどかかっていました。しかし、freeeでは最短3分で完了します。このレスポンスの速さが、業務設計そのものを変えたと感じています。
安森拓史さん(以下、安森):データ連携による入力スピードは驚愕するほどです。一方で、自動化が難しい特殊な税務処理においては、あえて手入力で検証を行っています。AIに任せられる部分は任せ、複雑な計算などは人間が担保する。この棲み分けこそが、新しいプロの仕事の形だと思っています。

近藤:長門拠点としては、この3年で売上2倍という目標を掲げています。
「freeeを制する者は、この業界を制して勝者になれる」と確信しています。freeeは単なるソフトウェアではなく、我々が勝者になるための哲学です。65歳の私でも、これほど面白いものはないと感じている。変化を恐れず、最新の武器を使いこなすことが、地方の税理士事務所が生き残る唯一の道です。
波多野:最初は従来のシステムとの操作方法の違いから使いにくさを感じところもあるかもしれませんが、慣れれば非常に便利だと実感できるはずです。移行コスト以上のメリットは、十分に得られると感じています。
freeeは機能の追加など開発ペースがとても速く、将来的な成功の可能性を高めてくれると思っています。
今後さらにAIが発展すると、帳票が完全に電子化する世の中になるかもしれません。そう考えると、開発ペースの速さは、会計ソフトを選ぶ上での決め手のひとつになると考えています。
辻・本郷 税理士法人 長門事務所
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