
税理士法人村上事務所は、昭和57年に個人事務所として開業し、平成27年に法人へ移行した税理士法人です。その長い歴史のなかで、freee導入は組織改革のきっかけとなったといいます。
前回は、freee導入を推進した中心人物である細見太一さんにお話を伺いました。今回は、実際にプレイヤーとして活躍する原拓也(以下、原)さんに、freee導入による業務の変化や当時の心境について、現場目線での率直な意見をお伺いします。
課題
導入の決め手
導入後の成果

原:当時使っていたシステムが紙ベースのアナログなもので、管理の煩雑さが大きな課題でした。特に難点だったのが、お客様ごとに資料がバラバラだったことです。それを訪問で回収したり郵送したりしていたので、相当な手間と時間がかかっていました。
また、当時のシステムでは仕訳入力を一行ずつ処理しなければならず、データの取り扱いも煩雑になっていました。
原:システムがクラウド化される点には、初めから一貫して賛成でしたが、当初はほかのクラウド会計ソフトでも良いのではないかと思っていました。
というのも、私は以前別の会計事務所に勤めていたのですが、そこでは複式簿記で入力できるシステムを使っていました。会計事務所は簿記に慣れている人が多いので、習得のしやすさでそちらに軍配が上がると考えていたんです。前職の関係者でfreeeを使用している方もいたのですが、私自身は使うのが難しいというイメージを持っていました。
原:「freee申告」を使ったときに、「こんなに簡単に内訳書が作れるのか」と驚きましたね。税額調整などもミスがなく、税務申告を簡単に完結できたため、令和6年度の所得税の確定申告の大半でfreeeを使いました。
この成功体験は大きな転換点でしたし、、決算申告や確定申告といった一連の税務申告をfreeeで行えると確信できたんです。その後、償却資産税の申告もfreeeで行うようになり、私個人だけではなく、事務所全体としても「freeeでいける」という意識になっていきました。

原:以前の紙ベースのシステムで発生していた手間が減り、業務効率が良くなりました。
まず、監査にかかる時間は半分ほどになりました。以前は、お客様から紙の請求書を回収して担当者がシステムに入力し、さらに別の担当者が監査するという流れがあったのですが、これがまるまるなくなりました。freeeのAPI連携機能を活用すれば、銀行口座やクレジットカードのデータから売上や入金を自動処理できるので、人の目でチェックするポイントが少なくなるんですよね。
また、決算にかかる時間も短縮でき、感覚的には負担が半減しています。以前は決算申告書を作成するのに、資料の回収と記帳に2週間ほど、内容証明などに2~3週間、トータルで35営業日ほどかかっていました。それが今では最速20営業日ほどになりました。決算整理までにかかる時間も、半日~1日かかっていたのが1時間以内になっています。
ほかにも、申告書の作成業務が効率化されました。以前は、特に売掛・買掛が多いケースで、明細の手入力や残高合わせに大幅に時間がかかっていました。
たとえば、顧問先が金融機関から長期の借入金があるケースでは、残高の利息の入力に時間がかかっていました。しかし、freeeでは自動処理で入力作業そのものが必要なく、労力が丸ごと省略された感覚です。2年目以降の申告は、前年の情報をコピーして活用できるので、さらに早く進められると思います。

原:業務スピードが格段に上がったことで、担当できる件数が増え、売り上げも1000万円から2000万円に倍増しました。
freee導入前の担当件数は、法人が10数件、個人で30件ほどが精いっぱいでした。しかしfreee導入後は、法人が25~26件、個人で50件ほどと、約2倍(1000万から2000万)になっています。その結果、売上も倍増しました。これは大きな成果だと捉えています。
また、担当件数は増えても、仕事のクオリティーは落ちていないという実感があります。納品までのスピードが上がっているため、お客様にも喜んでいただけています。
さらに、時間に余裕ができた分、お客様への付加価値をより考えるようになりました。
原:お客様との会話の内容が変わりましたね。事前に会計の問題点等をクリアにしておいて、面談では経営の指標やお客様の今後の話に特化できるようになり、より多くの付加価値を生み出せるようになったと考えています。
具体的には、お客様があらかじめ立てている売上の見込みに対して、節税案等プラスアルファの情報をお伝えするといった形です。
また、以前より試算表を細かく読み込めるようになりました。試算表というのは、ある意味無機質な数字の羅列ですが、その数字の裏側にあるビジネスモデルに目を向けたり、経営に不要な資産を見極めたりできるようになりました。試算表の解像度が上がったことで、より有益なサービスを提供できるようになっています。
原:たとえば、freee請求書を使っていただことで、売上の入力作業が効率化されます。売掛の消込などの手作業がなくなり、実質的な作業は「領収書の写真を撮ってファイルボックスにアップロードするだけ」で済むといった事例が増えてきました。その結果、お客様により本質的な仕事に専念していただけるようになっています。
ある製造業のお客様は、freeeの導入によって経理の方の業務が減ったことで、社長が抱える業務の一部を担ってもらえるようになったそうです。社長の負担が分散された結果、現場の仕事に集中できる状態になったと教えていただきました。
freeeの活用によりお客様の業務が効率化されれば、結果として弊所の業務時間の短縮にもつながります。
原:お客様が本業に専念できる環境を整えるため、プランや機能などはお客様の状況を見極めたうえでの提案が大切だと思っています。特に、freee請求書や債権債務管理機能を使っていただくことで、請求書の質を担保でき、月次試算表がすぐに確認できるなど、お客様のメリットは大きくなります。


【組織改革の全貌】現場の生産性向上は、経営層のどんな決断から始まったのか?
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