
大阪府箕面市にある税理士法人村上事務所は、昭和57年に個人事務所として開業し、平成27年に法人へ移行した歴史ある税理士事務所です。「日本一”ありがとう”が集まる事務所を目指す」を理念に、個人・法人を問わず、相続・贈与のサポートから税務相談、事業承継や会社設立の支援まで、幅広いニーズに対応しています。
今回お話をお伺いしたのは、同法人で社員税理士として活躍する細見太一(以下、細見)さん。所内の組織改革に注力し、レガシーシステムからの脱却を目指して、freee導入を推進した中心人物です。freee採用の背景から、システム入れ替えに伴う労苦と葛藤、それを乗り越えた導入後の変化までを詳しくお聞きしました。
課題
導入の決め手
導入後の変化
細見:直接的なきっかけは2023年10月開始のインボイス制度です。当時使っていたシステムがインボイスに対応しておらず、そのまま利用を継続するのが難しい状況でした。
また、以前からシステムのコストが高いことが課題で、売上が思うように利益につながらない側面が多分にありました。このシステムの更新期限が2025年だったため、他の役員とも話し合い、システムそのものを入れ替えたほうが良いのではないかという考えに至ったんです。
細見:当時、弊所はいわゆる1人親方の集合体という感じで、まさに「税理士事務所」という環境でした。おそらくそれぞれの仕事の価値観があり、下手に干渉すると迷惑をかける、責任が発生すると考えていたのかもしれません。お互いに気を使うあまり、組織や事務所全体というテーマになると、ややネガティブな雰囲気が漂っていました。

細見:freeeも含めて4つのシステムを比較検討しました。実は第一印象では、freeeが一番うちに向いていないと思っていたんです。freeeは、システムの思想から細かな使い方に至るまで、弊所の既存システムと真逆に位置しており、基幹システムに当てはめるのは難しそうだと思いました。
既存システムは「資料ありき」の設計で、税理士の手元に資料があって初めて機能する仕組みでした。あくまで記帳代行のためのシステムという感覚です。一方、freeeはもっと上流工程に目を向け、バックオフィス業務の効率化も実現します。
そもそも目指すべき方向性が違うので、freeeに強く共感しながらも、導入のハードルは高そうだと感じていました。
細見:freeeの営業担当の方の説明や提案が大きかったです。当時弊所で使っていたシステムをその方も以前使われていたとのことで、お互いに共感できる部分が多かったですね。実際に先を走っている方の話を聞けたことで、生産性や売上の向上がイメージできました。
細見:freeeにより業務効率が上がれば、「しっかり稼ぎたい人」と「短い時間で働きたい人」のどちらのニーズにも応える、働き方の選択肢を実現できるという直感があったんです。弊社の代表は、以前から売上だけでなく従業員のワークライフバランスを大事にしていました。
また、機能面ではAPI連携の数の多さが決め手になりました。
導入ハードルはあったものの、freeeを導入すればコストカットができて生産性が上がり、売上も向上することが最終的にイメージでき、導入を決めました。
細見:所内のメンバーの理解を得るのに苦労しました。「今のままが良い」「なぜfreeeなのか」という反対の声もありましたね。仕方のない面もあるとはいえ、正直なところ、自分の意思決定を疑われるのはつらい経験でした。
細見:まずは1on1で徹底的に理解を広げていきました。また、freeeの担当の方にもご協力いただき、想定されるさまざまな質問に対する答えを事前に準備しました。サポートしてくれるメンバーもいて、ようやく何とか運用できそうな状態になったんです。
そのうえで、ハッキリと「freeeで間違いない」と実感できたのが、「freee Advisor Day 2024(※)」でした。そこである税理士法人の代表の方が話されていた、「消去法で考えてもfreeeしかないよね」という考えに強く共感し、特に印象に残っています。
※freee主催の会計事務所向けのイベント
また、そのタイミングでfreeeのフォームがアップデートされたのも覚えています。仕訳の一覧入力、電帳法対応、インボイス対応、API連携の数などから、総合的にfreeeしかないと確信できました。
細見:まずは大幅なコストカットですね。まだ見込みの段階ですが、大枠で見積もっても、固定費は6割削減となる計算です。また、私が担当したお客さまの中で、特に成果の大きいところでは、記帳やチェックにかかる工数を、3分の1にまで減らせました。
細見:既存業務の効率化により、お客様への提案の質が高まり、freee導入プロジェクトメンバーの1人あたりの売り上げが向上しています。特に、「freee導入を通したバックオフィスの改善」という付加価値を提案することで、より収益性が高い案件を獲得できています。お客様の利便性が向上することで、顧問料についても十分に満足していただけるという好循環が起きていますね。
細見:私個人だけでも、監査にかかる時間が驚くほど削減されています。月次監査の時間をほぼ削減でき、年間200時間以上の削減になっています。その分、組織の改革やお客様への付加価値の創出に使える時間が増えました。一方で、売上は増加しており、明らかに生産性は上がっていますね。
私自身のマインドセットも変わり、「時代の先を行く提案が行えるよう、組織を変革していく」ことを意識するようになりました。その結果、顧客面談の準備をより有意義に行えるようになり、本質的なご提案ができるようになっています。
お客様と一緒に会計を見るなかで、自然と未来に対する話題も増えてきました。新たな事業の提案や節税のアドバイスなど、クロスセルのチャンスも広がり、お客様にとっても弊所にとっても大きな成長材料を作れていると感じています。

細見:組織全体が成長回路に切り替わったのを実感しています。freeeの導入によって会計業務が効率化し、新たなリソースが生まれたことでメンバーとの1on1にしっかりと行えるようになりました。
1on1では社内の基幹システムについて話し合ったり、スキルを習熟させるためのサポートをしたりと、有意義なやりとりが行えています。
その結果、ほかのメンバーからも業務フローの提案が出るほどに、社内が活性化してきました。以前よりも提案や相談がしやすい組織になりましたね。
細見:業務効率の向上により、多様な人材が活躍できる環境が整いました。特にfreeeを早くから使いはじめた2人の従業員は、多忙な子育て中の状況にもかかわらず、弊所の稼ぎ頭になっています。もちろん2人の能力の高さや努力の結果でもありますが、システムをfreeeに変えたことは大きく影響していると思います。

細見:freeeというプロダクトはもちろん、「フリー株式会社」そのものが、弊所に大きく影響を与えてくれた存在です。freeeのおかげで組織全体が活性化された印象ですね。
freeeの担当の方が来てくれるだけで、所内の雰囲気が変わるんですよね。以前はやや温度感が低いところがありましたが、今は活発に意見が飛び交う組織になっています。皆その影響を実感しているのか、「次はいつfreeeの担当来てくれるの?」と聞かれることも多いんです。
私自身、「freee Advisor Day 2024」などを通じて、外に目を向けられるようになり、システム以外の点でも外部から得たヒントを改革に活かせるようになりました。
最近では代表も、freeeにプラスアルファできるサービスに目を向けています。たとえば、AIとfreeeを組み合わせることで、お客様に付加価値の高いサービスを提供できるのではないかと考えているようですね。
今後もfreeeを土台にしながら、お客様に喜んでいただけるサービスを提供し、成長を続けていきたいと思います。

【組織改革の成果】現場はどう生産性を高め、売上を2倍にしたのか?
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