スタートアップ支援特化型の会計事務所がfreeeを選んだ理由とは?

Gemstone税理士法人

Gemstone税理士法人

代表・公認会計士・税理士 石割由紀人 様

事務所規模:30名
所在地:東京都港区
課題:集客、付加価値向上
Gemstone税理士法人は、スタートアップ企業の会計・税務業務や企業会計に強みを持つ会計事務所です。

監査法人での勤務経験を持つ代表の石割由紀人様にfreeeの導入経緯を伺うと「実のところ、最初はfreeeに対して懐疑的な印象を持っていた」と話し始めます。そこからどのような変遷を辿って、freeeを積極的に導入するようになったのでしょうか。

監査法人で得た経験や知識をスタートアップ支援に活かす

――最初に、Gemstone税理士法人の紹介をお願いします。

石割: Big4出身の公認会計士、税理士、元上場企業経理部長、大手ベンチャーキャピタル出身者等で構成された会計事務所です。私自身は、監査法人で勤務したのち、ベンチャー企業とベンチャーキャピタルを経験しています。

最大の特徴は、スタートアップ支援に注力していること。20年近くスタートアップ支援の界隈に関わってきた私自身の経験も、事業に生かしています。

――スタートアップ支援に注力している理由を教えてください。

石割: スモールビジネスを支援する税理士事務所はいくつもありますが、スタートアップに特化した税理士事務所はそう多くはありません。また、私の目から見て、スモールビジネスとスタートアップの違いをあまり理解していないのにスタートアップ支援を謳ってしまっている税理士事務所も少なくないと感じています。

そうした理由があって、分かりやすく同業者との差別化を図るべく、スタートアップ支援を私どもの強みとして打ち出すことにしました。

――そこで、監査法人経験者としての強みが活きてくるのですね。

石割: その通りです。スタートアップ支援のプロセスでは、資金調達(公庫創業融資でなく優先株式によるエクイティファイナンス等)、ストックオプション、自己株式取得(スクイーズアウト)などといったファイナンス関連のイベントがいくつも発生します。ですから、スタートアップ支援に携わる税理士は、ファイナンス関連の会計と税務に強く、かつ監査法人の監査に耐えうる企業会計にも対応できなければいけません。

私の経験を踏まえて申し上げますと、監査法人経験を経て税理士として独立できたとしても、高品質の税務サービスを提供できるまでには一定の経験年数を要します。ですから、実務や知識を通して監査する側の視点と、上場会社で求められる企業会計の水準の双方を理解している私どもが、スタートアップベンチャーに提供できる価値は大きいと考えています。

小規模マーケットで顧客を獲得する難しさ

――監査法人出身の石割様が、なぜ税理士法人としてスタートアップ支援に携わろうと考えたのでしょうか?

石割: 独立は税務を中心にしようと決めていました。監査契約を結んで上場準備が具体化している会社の多くは、すでに顧問税理士と契約しているため、その段階で税理士として新規参入することが難しい側面があります。したがって、税理士法人として事業成長フェーズの早い段階から顧客に関与するのが良いと判断しました。

税理士のビジネスモデルって、ある種最高のサブスクリプション型だと思うんです。他に社外CFOとして顧客に関わる方法もあり得たのですが、税理士として入るほうが事業の継続性を期待できることもあって、現在の形でスタートアップ支援を展開しています。

――スタートアップ支援に注力しているからこそ感じる、事業推進の難しさがあれば教えてください。

石割: いま国内にある企業のうち、上場済み、あるいは上場を目指す企業の数はほんの僅かです。つまり、多くの企業においては、会計というものに対して、監査に耐えうる企業会計水準までは求めていないのが普通です。

この状況を私どもの視点に置き換えて考えると、そもそもスタートアップ支援事業のターゲット企業数が少ないことがお分かりでしょう。それを承知の上で、いかにして顧客を獲得するかはスタートアップ支援ならではの難しさなのかなと思います。

――実際にどのような方法で、顧客を獲得しているのでしょうか?

石割: スタートアップ支援に強い弁護士先生や司法書士の先生からのご紹介は多いですね。ベンチャーキャピタル等が主催する起業家支援プラットフォームをサポートしているので、そこに参加している起業家からご相談をいただく場合もあります。

これは私どもならではの顧客獲得戦略だと思うのですが、個人の公認会計士をはじめ社外CFOサービスを提供されている方と連携をする場合もあります。彼らはファイナンスが強くても税務を得意としていない傾向にあるので、「苦手分野を任せられて助かる」と喜んでいただけます。私どもとしても、社外CFOの方々とタッグをくむことでより充実したバックオフィス業務支援を提供しやすくなるメリットがあります。

会社設立から上場まで、企業活動を一元管理できるツールとしてfreeeを評価

――設立して間もない時期から、freee認定アドバイザー登録をされています。登録したきっかけを教えてください。

石割: 新設法人の顧客を中心に、会社設立時からfreeeを使いたいとのリクエストを受けて、私たちも真剣にfreee導入支援に取り組むべきだと考えて登録しました。

でも実のところ、最初のうちはfreeeをスタートアップ企業に導入することに対して懐疑的に思っていました。

――懐疑的に思っていた理由が気になります。

石割: 当時のfreeeが提供していたサービスや機能の範囲では、将来発生する内部統制や監査への対応が難しそうな印象があったのです。

――そこから現在に至るまで、どのような心境変化があったのでしょうか?

石割: 心境が変わった最初の転機は、freeeが上場会社の内部統制や監査にも対応可能なエンタープライズプランをリリースしたことです。会社設立から上場まで、あらゆるフェーズに対応できるサービス内容を見て、「これならば、スタートアップ企業にfreeeを導入しても大丈夫」と感じました。エンタープライズプランの導入実績が着実に増えている状況も見て、サービスに対する安心感がさらに増しました。

freeeが上場したことも、心境変化の要因の一つでしたね。「上場企業が提供するサービスであれば、顧客に安心して使っていただける」と自信を持てるようになりました。

――少しずつ、freeeに対する印象が好転したのですね。

石割: freeeが自ら作っていった「freeeを選ぶべき理由」の一つひとつが、私どもに刺さりました。

加えて、freeeのインターフェースは他社の会計ソフトと違って、ミニERPを体現しようとする点も優れていると思います。資金の流れに注目して企業活動を一元的に捉えようとするインターフェースを採用したfreeeの姿勢に、私は大きな将来性を感じました。

freeeのサービスや企業姿勢からは「fintechを使ってどのような価値を提供していきたいか」というビジョンが伝わってくるんですよ。大げさな話ではなく、会計業界におけるイノベーションはfreeeからしか起きないのではないでしょうか。
freeeが提供するモジュール群|Gemstone税理士法人 導入事例記事
※ インタビュー当時(2020年)の情報

スタートアップ業界における存在感を増していきたい

――今後の事業戦略について教えてください。

石割: 昨今のコロナ禍を受けて、会計業務のクラウド化を進めなければ事業継続が困難になることを改めて痛感しました。

その影響で、さらに事業を成長させるためには「クラウド会計に強い会計事務所」といったブランディングが直近の課題であると考えています。

――ブランディング力を高めるために、なにか既に取り組んでいる施策はありますか?

石割: 顧客の新規/既存を問わず、freeeを積極的にお勧めしています。導入実績を積み重ね、現在ではfreee5つ星アドバイザーになりました。

――中長期的に取り組みたいテーマがあれば教えてください。

石割: 個人的には、スタートアップ向けの人事労務サービスを立ち上げたいですね。採用や人事考課、管理職育成などといった人事労務課題を解決していくイメージです。

――なぜ、人事労務サービスの立ち上げを検討するようになったのでしょうか。

石割: 実際に、お客様のほうからご相談をいただくケースが多いんですよ。ご相談をいただいた段階で、私どもから具体的な支援ができると、スタートアップ支援の幅がより広がるだろうと思っています。

あと、私自身が組織拡大時における人事施策の難しさを痛感した経験があることも一因にあります。かつて監査法人の就職難が発生したとき、監査法人に就職できなかった会計士志望者を積極的に採用したのですが、数年経って就職難が落ち着くと、当時採用した社員が次々と監査法人に転職してしまったのです。

――それは苦い経験でしたね。

石割: 採用した人たちが組織に定着しなかった責任は私にあります。能力やポテンシャルを重視する一方で、腰を据えて税務業務をやっていこうという目標を共有できていない人を採用してしまったのです。腰掛けなんかではなく、一緒に税理士事務所を盛り上げていこうと思える仲間を採用し、育成するべきだと考えを改めました。

能力が高い人たちを採用できたとしても、組織を盛り上げてくれるためにエネルギーを使ってもらえなければ、企業の成長につながりません。さらに離職されてしまっては、彼らの育成に費やした時間が無駄になってしまいます。上場に向けて組織を拡大成長させようと奮闘するお客様がこうした状況に陥らないためにも、いつか人事労務サービスにも携われたらいいなと思います。

――貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。最後に、事務所として掲げる今後の展望をお聞かせください。

石割: 「Gemstone」とは、宝石として磨かれる前の原石という意味です。その名の通り、これからもお客様が磨かれて宝石になるお手伝いをさせていただきます。

おかげさまで、スタートアップ支援に特化した会計事務所の中では、「新設法人や小規模の企業といったターゲット層に対して、適正な価格で高品質のサービスを提供している」との評価をいただいています。

スタートアップ特化型の会計事務所として、既に一定の品質水準を満たしている自負はありますが、私たちの成長が止まることはありません。より高品質なサービスを安定的にお客様へお届けできるように努めて、より多くの方々から「スタートアップ支援を相談するならGemstoneだよね」と思っていただけるくらいの存在感を出せるようになりたいです。

Gemstone税理士法人

東京都港区
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2016年1月開業。
「財務会計・税務の能力を活用して、起業家の事業成功を支援する」という理念を掲げて、会社設立、法人税務顧問、上場支援をはじめとする各種サービスを提供する。スタートアップベンチャーの支援実績多数。2020年度は関与先7社が新規上場を実現した。

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