freee Seasonal Meetup 2022年2月「開業時に知りたかった!先輩アドバイザーから学ぶハック」開催レポート

freee Seasonal Meetup 2022年2月「開業時に知りたかった!先輩アドバイザーから学ぶハック」開催レポート

2月14日(月)に、freee認定アドバイザー限定イベント「freee Seasonal Meetup」をオンラインにて開催しました。

freee Seasonal Meetup(通称:フリシズ)とは、freeeの旬な情報とちょっとした交流をお届けするイベントです。

今回のテーマは「開業時に知りたかった!先輩アドバイザーから学ぶハック」。2021年10月に税理士法人化した税理士法人ブルームアカウンティング代表・青山裕之さん(freee認定アドバイザーページはこちら)にご登壇いただき、自身の開業から現在までの道のりで得たノウハウをシェアしていただきました。

目次[非表示]

  1. 1.■ freeeトーク税理士法人ブルームアカウンティング 青山 裕之さん
    1. 1.1.開業時の成功と失敗
    2. 1.2.失敗から学んだ処世術
    3. 1.3.もう一度開業するなら
  2. 2.■ 質疑応答・MeetUp
    1. 2.1.Q1:拡大路線に向かっていく際に上手くいった点や苦労した点があれば採用なども含めて知りたいです。
    2. 2.2.Q2:事務所の方向性はお一人で決めたのでしょうか。それとも誰かに相談されたのでしょうか。
    3. 2.3.Q3:業務の標準化は具体的にどのように進めているのか教えてください。

freee Seasonal Meetup 2022年2月|税理士法人ブルームアカウンティング 青山裕之 様

■ freeeトーク
税理士法人ブルームアカウンティング 青山 裕之さん

青山さんは大学卒業後、大手監査法人と税理士法人を経て2014年に独立開業しました。
以来一人で事務所を運営していましたが、2021年10月に事務所を税理士法人化するとともに株式会社ブルームアカウンティングを設立し、現在は拡大路線を軌道に乗せるべく事務所の体制整備を進めていらっしゃいます。

開業時の成功と失敗

「当初の顧客数はゼロだったので、どんな依頼でも断らずに楽しみながら対応しようと随分突っ走っていました」と開業当時を振り返る青山さん。
この頃は次にあげる3つのことを心掛けていたそうです。

freee Seasonal Meetup 2022年2月|開業時の成功と失敗

  1. 事務所の強みをつくる
    税務だけでは他の事務所と勝負できないと考えて、開業当時は今ほど普及していなかったクラウド会計対応の方針を打ち出すとともに、補助金や資金調達に強い事務所であることを強みにした。
  2. 交流会に積極的に参加する
    いろんな分野の人から話を聞ける絶好の機会。今後自分にできることを考えるきっかけになるだけでなく、顧客の獲得につながる場でもある。
  3. 仕事と家庭を両立できる働き方をする
    顧客数ゼロの開業から事業を軌道に乗せるためにどんな依頼でも断らずに楽しみながら対応する。どんなに忙しくても、キャリア志向の強い奥様とともに一人娘の子育てをする時間は確保した。

これらの取り組みが功を奏して顧客数は順調に増えていきました。
しかし一方で、「今思えば勢いで漠然と独立を決めていた」ことによって新たな問題が浮き彫りになってきたのです。

そのきっかけは、奥様の第二子妊娠でした。
この頃にはマネージャーに昇格していた奥様は、以前ほど子育てに時間を費やせない状況に悩んでおり、仕事を辞めたいとも考え始めていました。
青山さんは奥様のサポートもしなければならなくなり、これまで両立できていた仕事と家庭のバランスが崩れ始めてしまいます。

また、顧客が増えてもなお青山さんはほぼ全ての業務を一人でこなしていたため、サービスの品質低下を自ら感じ始めるように。
交流会で知り合った人から紹介された顧客との契約を逃すことも多くなってしまいました。
さらに、あらゆる依頼を受けるうちに自分にしか対応できないスポット業務の依頼が定常化してしまっており、青山さんにかかる負荷はますます増えてていくばかりでした。

失敗から学んだ処世術

このような失敗をしてしまった原因は、「家庭環境の変化を考慮していなかった」「開業前に十分な戦略を練っていなかった」「仕事の進め方が独りよがりだった」の3点にありました。
そこで青山さんは、次の処世術を実行して失敗を乗り越えていきました。

freee Seasonal Meetup 2022年2月|失敗から学んだ処世術

  1. 家庭環境の変化を発奮材料にする
    悩んだ末に妻は退職したが、こうした変化は当然起きるものとして受け入れる。実際に、これ以降ますます事業に邁進できるようになった。
  2. 事務所の戦略を練る
    漫然とした事業運営をやめて、戦略を立てたうえで拡大路線に舵を切ることを決めた。このタイミングで、税理士法人と株式会社を設立する。
  3. 戦略を実現できる事務所の体制をつくる
    事務所の規模を拡大するために、有資格者や地元在住の経理経験者などを採用。業務の見える化や標準化にも着手し、従業員に仕事をすぐに割り振れる状況をつくり始めた。
  4. 受注確度を敏感に察知する
    お客様とのご縁は大切だが、全員に平等な対応をしていては自分の時間が削られてしまう。受注確度が低いお客様とはやんわりと距離を置くなど、メリハリをつけて対応するようにした。

もう一度開業するなら

処世術を話し終えた青山さんは、「今話したことを開業当時からやっていればよかったんですけどね」と本音を漏らします。
同じような失敗を繰り返さないために、もう一度開業するなら取り組むことを以下のようにまとめてくださいました。

1.開業前に目指す事務所の姿のイメージを明確にする(事業規模、業務内容など)
2.ひとり税理士の時代から業務の見える化・標準化を進める
3.独立同期や先輩の仲間づくりをしっかりしておく
4.税理士事務所の内部体制を強固にする時期をあらかじめ決めておく
5.契約交渉をスムーズに進められるよう、報酬テーブルを整備する


最後に開業アドバイザーさんにメッセージを贈って、青山さんのトークは終了しました。

freee Seasonal Meetup 2022年2月|開業アドバイザーさんへひとこと


■ 質疑応答・MeetUp

今回のフリシズでは、トーク中に参加者から寄せられた質問にお答えいただく時間を設けました。

Q1:拡大路線に向かっていく際に上手くいった点や苦労した点があれば採用なども含めて知りたいです。

青山さん

「採用活動はいろいろ考えながら進めています。実は拡大路線に向かう前にもアルバイトなどを雇っていた時期があったのですが、その時は自分が忙しすぎて彼らに十分に気をかけられず、結局全員辞めてしまったんです。当時の反省を生かして、今はある程度気心が知れている人と仕事を進められるよう、なるべく縁故採用で従業員を雇うようにしていてうまくいっていると思います。
事務所があるさいたま市は近年人口が増えているので、今後は地元在住の方も呼び込んでいく予定です。かつて都内で働いていたけど子育てを機に地元で働こうと考えている女性や近隣の商業高校出身者などを採用して、地元の雇用確保にも貢献していきたいですね」

Q2:事務所の方向性はお一人で決めたのでしょうか。それとも誰かに相談されたのでしょうか。

青山さん

「基本的に自分一人で考えました。でも時々、自分と正反対の思考回路を持つパートナー税理士と相談することもあります。自分の考えの壁打ちができる相手がいるのはありがたいですね。もともと独りよがりな性格だと思うのですが、地元で長くやっていくためにはそれではいけないので、客観的な意見を取り入れるように心掛けているところです」

Q3:業務の標準化は具体的にどのように進めているのか教えてください。

青山さん

「事務所ではStockを活用して、業務マニュアルやメール定型文、freee新機能の注意点などをメモベースで共有しています。
あと新規の顧問先と契約するときには必ず、chatworkを使って事務局とやりとりしていただくようお願いしています。契約時にchatworkを使っていないお客様には面談の場でアプリをインストールしてもらうようにすれば、すべてのお客様にchatworkを使っていただけますよ」

 

このあとにはMeet Upを実施。
参加者のみなさんは興味関心のある部屋に分かれて情報交換をしたり、アドバイザー同士の交流を深めたりしていました。

freee Seasonal Meetup 2022年2月|話したい部屋をお選びください


今回も盛況のうちに幕を閉じました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

人気記事ランキング

タグ一覧

ページトップへ戻る