クラウド会計ソフトfreee会計認定代理店の支援を受けた社内プロジェクトで製販分離体制を構築

株式会社宮西計算センター

(左)代表取締役 宮西邦夫 様
(右)経営支援部・freeeプロジェクト リーダー 角兼司 様

事務所規模:23名
所在地:石川県白山市
課題:業務効率化、集客
石川県に事務所を構える株式会社宮西計算センターは、記帳代行の効率化と生産性向上を目指してfreee導入プロジェクトを発足。クラウド会計ソフト freee会計認定代理店(以下、freee会計認定代理店)であるsmooth合同会社のコンサルティングを受けて次々と業務環境を改善し、当初想定していた以上の成果を挙げています。

このプロジェクトでは一体、どのような成果が出たのでしょうか?smooth合同会社代表の中野様がインタビュアーとなり、宮西計算センター代表の宮西様と、プロジェクトリーダーの角様から詳しいお話を伺いました。

記帳代行業務の効率化と生産性向上を目指して、クラウド化の検討を始める

smooth合同会社 中野 祐希 様(以下中野): はじめに、貴社のfreee導入プロジェクトが発足した経緯を教えていただけますでしょうか?

株式会社宮西計算センター 宮西 邦夫 様(以下宮西): はい。元々このプロジェクトは、記帳代行の効率化と生産性向上を目指した取り組みとして始まりました。

株式会社宮西計算センター 角 兼司様(以下角): これらを実現するためには、業務の属人化を解消したり、製販分離を実現したりする必要があると、私自身は考えていました。そこで当時は、使用中のインストール型の会計ソフトで何とか改善できないかと模索していました。

中野: インストール型の会計ソフトだと、会計ソフトが入っているPCでしかデータを閲覧できませんよね。製販分離の実現はかなり難しいかと思うのですが……?

: おっしゃる通りです。結局、当時の環境では思うような改善はできませんでした。そして、記帳代行の効率化と生産性向上を実現するならば、会計ソフトのクラウド化は必須だと思うようになったのです。

宮西: それで角は、私のもとに「会計のクラウド化を進めたい」と直談判をしてきたんですよ。彼の熱意に押されて、クラウド化の推進を承諾しました。
freeeによる業務フロー図(イメージ)
freeeによる業務フロー図イメージ(株式会社宮西計算センター)

話を聴くたびに感化されるパートナーを信頼して、freee導入を決意

中野: 私が貴社に伺ったときには、もう会計業務のクラウド化を検討していたのですね。

: はい、複数のクラウド会計ソフトを比較検討していた時期でした。freee会計認定代理店のsmoothさんとお会いしたときは、ちょうどfreeeのことを詳しく知りたいタイミングでもありました。

中野: freeeを導入しようと決めた、一番の理由を教えてください。

: 一連のやりとりを通してsmoothさんへの信頼が高まったことが、freee導入の決め手ですね。中野さんはfreee会計認定代理店の方であるにも関わらず、freeeを売り込もうとする雰囲気がないんですよ。さまざまな話を通して、当社にとって本当に良いシステムを提案する姿勢で関わってくださっている方なんだと感じました。

中野: ありがとうございます。ちなみに、私の話でどのようなことが印象に残っていますか?

: 中野さんはいつも私どもにとって有益な情報を教えてくださるので、お会いするたびに感化されています。他社の取り組み事例や、お客様の深層心理と言動についてとか……。freeeの話はそんなに多くしていないかもしれません。

中野:半分以上はfreee以外の話題だと思いますよ。角さんとはオフィシャルな場面だけでなく、一緒に飲みに行って話す機会も多いですよね。

freee導入に特化するべく、プロジェクトチームを発足

中野: freeeを導入して間もない頃の社内体制を教えてください。

: 当時の私は監査部に所属していました。最初は監査部の業務と兼任して、私一人でfreee導入に取り組もうと意気込んでいましたが、宮西から「一人で進めるのは難しいでしょう」と、待ったがかかりました。

宮西: freeeを導入すると決めたからには、freeeに特化するレベルまで頑張ってもらいたい。そう考えて、角を含む3人の専門チームとして「経営支援部・freeeプロジェクト」を立ち上げました。角以外のメンバーは、当時の監査部にいた社員の中から私が声をかけて増やしました。

: プロジェクトはその後、freee部として独立。freeeの習熟や業務フロー全体の改善など、未開の地を突き進むような気持ちで取り組んできました。部門としてどこまで採算が取れるか未知数の取り組みでしたが、宮西が暖かく見守り、実際にさまざまなサポートしてくれたのは心強かったです。

中野: 具体的に、宮西社長からはどんなサポートがあったのでしょうか?

: 私一人で始めようとしていたところにメンバーを追加してくれただけでなく、資金面でも支援してもらいました。パソコンやスキャナーなどの周辺機器や、Gsuiteやkintoneといったサブスクリプションサービスなど、多くのものをほぼ稟議なしで購入できました。あまりにもすんなり稟議が通り過ぎて、逆に不安になったくらいです(笑)

中野: 執務スペースへの設備投資にも力が入ってますよね。全体的にカフェ調のインテリアになっていたり、スタンディングデスクを導入して働きやすい環境づくりに取り組んだりしていて、一般的な会計事務所とは違った雰囲気。メンバーのモチベーションアップにもつながっているのだろうと感じます。

宮西: 「やりたい」と言って始めたからには、思いっきりチャレンジしてほしい。申請されたのに購入しなかったせいで生産性が上がらない状況は避けるべきだと思ってサポートをしています。記帳業務の効率化が進んで生産性が上がり、結果として働く時間が短くなれば、従業員も喜びますよね。

業務の進め方の変化:製販分離と属人化解消を実現

中野: freeeの導入によって、業務の進め方はどのように変化しましたか?

宮西: インストール型の会計ソフトでは難しかった製販分離を実現できました。社員が監査業務に集中できる体制も構築できています。

: パーツごとの作業の難易度を下げられたので、新たに採用したパートさん5名全員が、どのパーツの作業もできる状態になりました。パートさんは現在、月のうち3分の1程度はリモートワークで仕事を進めてもらっています。

中野: 作業環境がクラウド化されているので、リモートワークでもスムーズに動いていただけるのですね。パートさんは限られた時間で仕事をするので、通勤時間が減るだけでもだいぶ働きやすいかと思います。

: あと、freee導入をきっかけに、顧問先の経理業務フローや業務の注意点などをまとめた個社別マニュアル*を作成しました。全ての顧問先について作成し終えるまでに、およそ2年かかりましたね。

*…お金の出入口ごとに資料の内訳や登録方法、格納場所、チェック場所を1つのスプレッドシートにまとめた顧問先別のマニュアルのこと。

中野: 2年かけてやり切った遂行力がすごいです。なぜそこまで時間や労力をかけて、個社別マニュアルを作成したのでしょうか。

: 数年前に一人退職した際に、業務が属人化していたために残った人たちに業務負荷が大きくかかってしまいました。このときに「退職後の影響を最小限にするためには、顧問先ごとに異なる処理方法などを一覧にまとめ、誰が見ても滞りなく業務を進められる状態にしよう」と考えて、個社別マニュアルを作りました。

中野: freeeと個社別マニュアルの効果で、課題であった記帳業務の効率化や属人化の解消、製販分離の実現ができたのですね。

サクセスポイント 1. 案件管理の標準化

業務アプリ構築プラットフォームやタスク管理ツールを導入し、資料回収や資料チェック等の進捗状況をステップで管理することで案件管理の標準化を行っています。クラウドサービスの活用で、資料は基本freee会計のファイルボックスかクラウドストレージサービスにアップロードすることで、登録作業以降はテレワーク可能な体制を構築。

経営面での変化:顧問先急増、収益率アップ

中野: freeeの導入によって、業務の進め方はどのように変化しましたか?

宮西: 短期間で顧問先の件数が急激に伸びました。freeeの導入件数アップという結果を見て、freee部の活動は順調に進んでいるのだと実感しています。

実はこの先、顧問先の後継者不足で顧問先減少が進むだろうと危惧していました。今までは主に紹介で新規顧問先を獲得していたのですが、新たにfreee導入の問い合わせ対応からの獲得ルートも増えました。起業したばかりで従業員を雇うのが難しい社長は特に「freeeを使いたい」とおっしゃいますね。

中野: インストール型の会計ソフトと比べて、クラウド会計ソフトは、会計事務所の方々から「収益が下がる」「低単価なお客様が入る」と揶揄される傾向があります。ここだけの話、収益面ではどのような変化がありましたか?

宮西: 私どもと顧問先の双方がクラウドを使いこなせれば、収益率はむしろクラウド会計ソフトの方が上がりますよ。

中野: 理由が気になります。なぜ収益率が上がるのでしょうか?

宮西: 以前は毎月1回、往復1〜2時間かけて顧問先を訪問していたのですが、freeeを導入した顧問先には訪問しないと決めました。訪問にかかる時間やコストを削減できて、社員が本来の業務に集中できるようになった分、収益率の向上につながりました。

サクセスポイント 2. 銀行口座とfreee同期

freee会計の有料プランをご契約されている顧問先へは原則銀行口座とfreee会計の同期を依頼。どうしても対応いただけない場合は、以下の手順で処理を行っています。

  1. スキャン等でPDF/JPEGデータに変換
  2. クラウドストレージにアップロードし、保管
  3. パートさんにて明細データを入力
  4. 「明細アップロード」機能でfreeeにインポート
  5. その後は同期した場合同様、自動で経理で処理

生産性をさらに高めて、顧問先が求める高付加価値サービスも提供していきたい

中野: 貴社では今後、どのような取り組みを強化しようとお考えでしょうか?

: 従来からの対面打ち合わせならではの良さがあるのは承知しているうえで、オンラインで顧問先との打ち合わせをする機会は今よりもっと増やしていきたいです。

中野: いいですね。先方の要望とリソースが合えば、今以上に広範な地域で顧問先を獲得できそうです。

宮西: 私個人としては、コスト面で妥協することなく、さらに生産性が上がる体制を作っていきたいと考えています。その取り組みの結果、顧問先が求めている価値を提供できる事務所に成長していければと思います。

これまでに、freeeやGsuite、knintoneを導入し、ペーパレス化も推進して、リモートワークをしやすい環境を整えてまいりました。さらに現在、smoothさんにはICT化に向けた顧客管理システム構築をお願いしているところです。システムの運用が始まったら、従業員がより機動的に動きやすくなり、一人当たりの生産性は倍近く上がるのではないかと期待しています。

中野: ありがとうございます。リモートワーク環境が整った会計事務所というブランディングもできそうですね。採用募集をする際にリモートワーク可能と打ち出すと、貴社が求める人材が応募してくるかもしれませんよ。

:私自身、これからの会計事務所業界では、記帳代行をはじめとする処理型業務の低価格化が起きると予測しています。中野さんの立場から見て、会計業界の変化を見据えて私どもがさらに取り組めそうなことがあれば、この機会にぜひ伺いたいです。

中野: 貴社の素晴らしい取り組みの一つが、freee以外のクラウドツールも利用してバックオフィスの効率化を実現していることです。今はfreeeの入力指導を中心としたサービスを展開していると思いますが、近い将来、社内で培ってきたツール活用術の指導も含めたコンサルティングサービスとして事業を展開できるのではないでしょうか。

: なるほど、ありがとうございます。最近顧問先とお話をしていて、高付加価値のサービスを求める方が増えていると感じていたところでした。中野さんがおっしゃるようなサービスも、近いうちに創っていけるといいですね。また改めて相談させてください。

中野: もちろんです。引き続き支援してまいります。
(インタビュアー/smooth合同会社 代表 中野 祐希 様)

株式会社宮西計算センター
石川県白山市

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1977年設立。税務・経営のトータル・アドバイザーとして、白山市・野々市・金沢市を中心に北陸の中小企業を支援する。主な提供サービスは試算表作成、決算書作成、アドバイザリー業務。freee4つ星認定アドバイザー。

 

smooth合同会社
 石川県金沢市

http://www.smooth-n.com/

2017年設立。「ローカルビジネスをスムーズに」を企業理念に掲げ、会計事務所および法人個人事業主向けのコンサルティングサービスを提供する。クラウド会計ソフトfreeeコンサルティングパートナー、クラウド会計ソフト freee会計認定代理店として、年間100社以上の企業にfreee会計の導入実績を持つ。

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