産後わずな期間で在宅ワーク復帰ができる職場環境づくりの秘訣

税理士法人三田會計舎

税理士法人三田會計舎

代表社員・税理士 長塚寿夫 様
財務コンサルタント 北原恭子 様

事務所規模:8名
所在地:東京都港区
課題:自由な時間・場所で経理作業したい
会計業界では、専門知識を持つ人材の母数が減少しているため、採用競争が熾烈になっています。加えて、ポテンシャルがあるにもかかわらず、出産や育児を機に、長く勤めていた会計事務所を辞めざるをえない女性職員が後を絶たないことも課題になっています。

これらの課題を解決する方法として、近年注目されている施策が「在宅ワーカーの活用」です。三田會計舎では、在宅ワーカーを活用できる職場環境づくりにいち早く着手していました。財務コンサルタントの北原さんが、自ら産後も在宅ワークで働ける職場環境を構築したのです。

北原さんは「業務を滞りなく進められる在宅ワーク環境をつくるには『業務フローの型』と『freeeの仕組み』の両方が必要」と語ります。型と仕組み、それぞれどのようにつくり、運用したのでしょうか。所長の長塚さんにも同席いただき、在宅ワークがうまくいく秘訣を聞いていきましょう。

事業について

産休後も仕事を続けられる職場環境を求めて、自ら在宅ワークの型をつくる

長塚:北原は、当法人で初めての在宅ワーカーです。過去に産休・育休を経て復帰した所員がいなかった中で、北原から在宅ワークの提案を受けたのです。

北原:「出産後も今の仕事を続けたい」と思っていたのですが、当時は「産休?なにそれ?」って雰囲気も正直あったので、一体どうしたらよいのかあれこれ考えました。「在宅で仕事ができる環境をつくればよい」と閃いて、長塚に提案しました。

長塚:こちらとしては大歓迎ですよ。引き続き当法人で働いてくれるうえ、在宅ワークの型づくりもしてくれると言うのですから、すぐに承諾しました。

北原:それから産休に入るまでの間に、社内のさまざまな業務を、きちんとした業務フローとして型にしていきました。

長塚:実際に型ができあがり、北原が在宅ワークを始めても、業務が著しく不便になったことはありません。在宅ワーカーを受け入れる職場環境になったからでしょう。

北原:私も特に不便だとは思っていません。むしろ在宅ワークの方が、自分がやるべき業務に集中しやすいので楽ですよ。

課題

在宅ワークに変えても業務を円滑に進められる仕組みが欲しい

北原:型を整えるにつれて「この型を実際に運用できる仕組みがないと、在宅ワークは実現できない」という課題が浮き彫りになってきました。解決策をいろいろ検討した結果、すべての情報をクラウド上で一元管理できる基本的な仕組みが整っているfreeeの導入がベストだと判断したのです。

長塚:私自身、クラウドを活用できることが労働市場における所員の価値向上につながると予測しています。そうした視点から見ても、仕組みとしてfreeeを導入することは自然だったかと。無理に大きく始めるのではなく、まずはスモールスタートでfreeeを使う方針を示しました。

北原:さまざまな情報を連携しやすい各種機能が揃っている点も、freee導入を後押しする要因になりました。

長塚:freeeを導入して大枠の仕組みを整えたら、当法人の型をベースに、顧問先それぞれの型をつくるプロセスに入ります。多くの場合、今ある情報を活用できる範囲から型をつくっていきます。いきなり業務フローを変えるのはお客さん側も面倒でしょう。できるところから徐々に進めています。

北原:顧問先ごとの型を作るためには「何の資料を、どのような形式でインプットして、どのような形式でアウトプットするのか」を整理し、共通理解することが大事です。そのために、最初のうちに顧問先の担当者と入力担当、在宅ワーカーと私が揃ってミーティングを実施して、理解のズレを防ぐようにしています。
税理士法人三田會計舎 長塚寿夫 様

効果

部分的な業務も在宅ワーカーに依頼可能。多様な働き方に対応しやすくなった

北原:在宅ワークの型と仕組みを整えたので、私だけでなく他の在宅ワーカーにも部分単位で業務を頼めるようになりました。freeeだと一つの画面で目的の情報を素早く確認しやすいので、従来の会計ソフトより業務をするうえで専門知識の多寡が問われにくいと思います。なので、稼働時間の条件を多少緩めても、依頼内容を適切に調整すれば、在宅ワーカーに業務を分担できるんですよね。

長塚:パーツ単位での業務なら、アカウントを利用できる環境で、好きな時間に好きな場所で依頼した仕事をしてもらえます。在宅ワーカーの状況に応じて担当を振り分けることも可能です。

北原:freeeだと仕訳と証憑をセットで管理できるから、ワンクリックで仕訳から証憑まで辿り着けます。なので、お客さんから仕訳の詳細を質問されても、freeeの画面を一緒に見て、私が瞬時に操作すれば、大抵その場で解決します。お客さんとのコミュニケーションは、より円滑になりました。freeeがなかったら、私の在宅ワークは叶っていなかったです。

長塚:在宅ワークができる職場環境が整ってからの当法人は、より多様な働き方に対応できるようになりました。実際に在宅ワーカーを募集すると、高いポテンシャルを持つ方々が応募してくるんです。会計業界全体で人材不足が課題視されている今、従来のように1日8時間の事務所勤務ができる人材より、数時間でも稼働してくれる在宅ワーカーを探す方がずっと楽ではないでしょうか。業務の繁閑や内容によって柔軟な組織体制を取りやすい点も、在宅ワーカー活用のメリットだと思います。

北原:だからといって、在宅ワーカーを活用すればバラ色の環境になるわけではないって話はしておきたいです。実際に在宅ワーカーと仕事を進めると、こちらが想定していないアウトプットが出てきたり、コミュニケーションロスが発生したりするので……。在宅ワークを始める前に、何かしらの方法で研修をするなど実際に社内事情を知っていただく工夫が必要かもしれません。

長塚:そうした経験も、多様な働き方を実現するより良い職場環境づくりに活かしています。
税理士法人三田會計舎 北原恭子 様

今後の展望

顧問先との共通理解が、在宅ワークの仕組みを中長期的に浸透させる鍵

北原:在宅ワーカーとの仕事の進め方も注意点もある程度見えてきたので、それを踏まえて、さらに活用を進められればと思います。実際に、当法人のスタッフ2名も今後在宅ワークを始める予定です。

長塚:freeeを導入する顧問先が増えているので、社内のfreeeチーム体制を強化しました。遠隔地にいる顧問先や在宅ワーカーとも、ひとつの共通した画面を通して業務を進められて便利ですね。小規模案件からチームで動く取り組みは新しいなと思います。

北原:チームで仕事を円滑に進めるためには、顧問先担当にfreeeを理解してもらうことが重要です。そのために、ミーティングの機会にfreeeの操作を実際に見てもらい、一つひとつ手順を追って説明して、freeeの理解を深めていただけるようにしています。

長塚:これから在宅ワーカー活用を考える事務所の方には、いきなり新しい人を採用するのは厳しいことも知っていただきたいです。特に最初のうちは、以前事務所に勤めていた人など、ある程度阿吽の呼吸で業務を進めやすい人を在宅ワーカーとして迎え入れる方が安心だと思います。

北原:在宅ワークは今後ますます増えるでしょうね。最近は自然災害が多いですから、万が一被害を受けて出勤できなくなっても、ある程度の業務を進められる仕組みとして、在宅ワークは有効だと思います。

長塚:さらに、来年の東京オリンピック開催期間には、通勤電車の混雑が予想されています。無理をして勤務地まで往復する時間を費やすくらいなら、家で安心して仕事ができるほうが良いと考えて、在宅ワーカーになろうと考える方も増えるのではないでしょうか。そうした変化を見越して、私どもも在宅ワーカーの活用が促進される環境をさらに整備していきたいです。

税理士法人三田會計舎

東京都港区
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2009年4月設立。
月次顧問・面談を基本に、お客様の経営状況把握のみならず、各種相談の解決策を示す会計事務所。同業や他業種の枠を越えて「お客様のお困りごとの解決」に注力するサポート体制を取っている。業務のIT化を順次進め、お客様に業務効率化の提案も行う。海外含めて全国遠隔対応可能。

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