「正直、最初は不安でした…」A-SaaS統合を機にfreeeへ。福岡・アイライフ税理士法人が語る、不安を"確かな手応え"に変えた業務改善のリアル

アイライフ税理士法人 薬院事務所

(右)西慶一朗様
(中央)所長 鮎川晋一様
(左)吉田 啓史様

事務所規模:5名
所在地:福岡県福岡市中央区
課題:業務効率化
~2026年6月、A-SaaSサービス統合。長年使い慣れたシステムからの移行、本当に大丈夫?~

2026年6月に迫るA-SaaSのサービス統合。「長年使ってきたシステムが変わるなんて…」「新しい会計ソフトは難しそう…」「freeeって本当にウチの事務所に合うの?」――多くの会計事務所様が、このような戸惑いや不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

特に、既にfreeeを導入したものの、まだその良さを実感しきれていなかったり、操作に少し戸惑いを感じている事務所様にとっては、先の見えない状況かもしれません。

そこで今回は、A-SaaSの統合をきっかけにfreee会計への移行を着実に進めている、福岡県のアイライフ税理士法人様に、そのリアルな道のりをお伺いしました。

A-SaaS統合という大きな転機とfreeeとの出会い

――まず、freee導入の背景や、最初の出会いについてお聞かせいただけますか?

鮎川所長(以下、鮎川): やはり、A-SaaSの統合決定が一番大きな要因でしたね。「会計ソフトが変わる」というのは、税理士事務所にとって道具が根底から変わるようなもので、めちゃくちゃ大きいことです。正直、そこに対する心配は大きかったです。freeeさんからは丁寧に説明を受けましたが、単純に道具が変わるわけですから。

以前、顧問先のライターさんがfreeeを使っていたので存在は知っていましたが、その時は仕組みをよく理解しておらず、苦手意識もありました。ただ、今回の統合を機にfreeeと向き合う中で、当初はマニュアルで自力で学ぶイメージも強かったのですが、手厚いサポート体制もあると知り、それらを活用することで仕組みが分かってくるだろうと感じました。日常業務に追われてなかなか時間を取れないこともありますが、慣れてくると「こういうことがしたいんだな」というfreeeのコンセプトが見えてきましたね。

――A-SaaS統合という大きなきっかけがあった中で、最終的にfreeeへの移行を決定された経緯や決め手は何だったのでしょうか?

鮎川: 実は、A-SaaS自体は非常に気に入っていたんです。当時としても便利なソフトで、自動化もある程度できていましたし、給与計算ソフトも優秀でした。そのA-SaaSを提供していた会社が統合するということで、ある程度の信用がまず一つありました。

もう一つの決め手は、領収書の自動化への期待ですね。A-SaaSではドサッと来た領収書を手で入れるしかなかった部分を、freeeさんはScanSnap連携である程度自動化できると。これは大きな一歩だと感じました。システムコンセプトというより、その自動化の部分に魅力を感じましたね。データ化さえできれば、という期待感です。

吉田さん(以下、吉田): 私自身は、もともとfreeeを少し扱った経験があったので、他の人よりは心理的なハードルが低かったかもしれません。「あれが使えるようになるんだ」と。A-SaaSがfreeeと統合するという話を聞き、「先進的なビジネスツールを使って事務を自動化していく」という流れに以前から魅力を感じていたので、新しい技術にどっぷり浸かれることにワクワクしました。freeeは中小企業のバックオフィス業務効率化を明確にミッションに掲げていて、お客様にも喜んでもらえそうだと感じましたね。

西さん(以下、西): 最初は正直、全然わかりませんでした。「新しいシステムを覚えられるのか?」と。知らない単語も多く、不安はありました。でも、結局は慣れれば便利なところがいっぱい出てくるんだろうなという期待もありました。

期待と同時に抱えた具体的な不安、そしてその解消

――期待と同時に、具体的な不安もあったかと思います。どのような点が不安でしたか?

鮎川: やはり「本当にスムーズに移行できるのか?」「職員は使いこなせるのか?」という点ですね。以前、顧問先が一件だけfreeeを使っていた時、私たちがfreeeの特性を理解せずA-SaaS的に使おうとして、うまくいかなかった経験があります。freeeは品目や取引先、いわゆるタグといった概念をしっかり作り込むことが重要で、他のソフトの感覚で補助科目的に使おうとすると、どうしても行き詰まる部分が出てきます。その独特の「タグ」に慣れるまでは大変だろうなと。

吉田: 会計処理自体は進化中だと理解していましたが、一番の不安は申告書の引っ越しでした。 「会計データは移行できても、申告書作成時に何か大きな支障が出るのではないか」と。これは実際にやってみないと分からない、漠然とした不安でした。

しかし、実際に所得税や法人税の申告をfreeeで行ってみて、今のところそういった不安はかなり解消されています。一度経験し、紐付けが終われば、来年はもっと楽になるだろうという期待感に変わってきました。 また、会計や申告だけでなく、人事労務などfreeeには多くの便利なアプリがありますが、その全容をまだ理解しきれておらず、お客様に的確なアドバイスができるレベルに至っていないことへの不安は、次のステップとして感じています。

西: 私の不安は、移行作業に伴う業務量の増加と、科目が正確に移行できるのかという点でした。日々の業務に加えて移行作業が乗ってくるので、特に確定申告のような繁忙期に大丈夫だろうかと。年一のお客様の申告を、A-SaaSでやるべきかfreeeで移行すべきか、日数を考えて悩むこともありました。

移行作業で工夫した点とfreeeの手厚いサポート

――実際に移行作業を進める中で、工夫された点やサポートに対する印象はいかがでしたか?

西: やってみて感じたのは、補助科目よりタグの方が慣れれば便利だということです。補助科目を付けるほどではないけれど管理したい、といった項目もタグなら気軽に作れますし、結果的に試算表が見やすくなりました。データ移行サービスも活用しつつ、償却資産など一部のデータは自分たちで一つ一つ丁寧に見直しながら設定を進めました。

吉田: A-SaaSで慣れていたリース期間定額法などの細かい償却計算について、freeeならではのやり方に合わせて工夫して対応しています。 一括償却資産の処理で端数処理の違いに最初は少し戸惑いましたが、これもfreeeの今後の機能改善に期待している部分ですね。

鮎川: サポートに関しては、当初はマニュアルや動画が充実している分、電話対応は手薄なのではないかと心配していました。 しかし、実際にはA-SaaSの時と同様に親切に対応してくれますし、Zoomで同じ画面を見ながら教えてくれるので非常に助かっています。皆さん明るく、「クラスのイケてる人たちの集団」というイメージですね(笑)。

吉田: IT系なのでドライでクイックな対応かと思いきや、同じ目線で人と人とのコミュニケーションを大切にしてくれていると感じます。 電話サポートも、若い方が多い印象ですが、一生懸命対応してくれて、一緒に勉強しているようで心強いです。 申告関連の問い合わせにも、専門知識のある方が対応してくれるので助かっています。A-SaaS時代と比べて、電話の待ち時間が格段に短くなったのも嬉しい変化です。この電話サポートは、A-SaaSユーザーの声で実現したと聞いています。

西: やはり人とのコミュニケーションで習熟の不安が解消された部分は大きいです。直接教えてもらうのが一番覚えやすいですね。

――所内で移行を進めるにあたって、情報共有など工夫されていることはありますか?

吉田: 事務所内では、freeeのこの処理はどうしているか、といったことを結構気軽に話題にしますね。 みんなまだ勉強中だからこそ、情報交換が活発です。一人で抱え込まず、分からないことがあれば独り言のように呟いてみたり、隣の席の西さんに聞いたり。

ディスプレイも近いので、画面を見ながら「そこ、こうやったらできますよ」と教え合ったりしています。知らないがゆえに不便な使い方をして時間を浪費しないよう、コミュニケーションを密に取るようにしています。

顧問先との連携とfreeeによる業務変化

――顧問先様への説明や協力依頼はどのようにされていますか?

鮎川: 正直、昔ながらのやり方をされているご高齢の方など、言いづらいお客様もいらっしゃいます。Excelで独自の日計表を作られている方には、こちらでfreeeの明細アップロード形式に変換して対応したり、日計表ではなく領収書そのものをいただくようお願いしたりしています。 ただ、新規のお客様や代替わりされた若い世代の方には、「会計ソフトが変わったので、できれば領収書はスマホで撮影してアップロードしてください」とお願いしやすいですね。

顧問先の構成として、資料を丸投げで「あとはよろしく」というお客様が多いのですが、そういう方々には、スキャンしやすいようにホッチキスを外していただくとか、ノートに貼り付けるのはご遠慮いただくといった「前工程の整理」をお願いしています。

吉田: 私は、自計化されている顧問先様で、経理担当者の方のITスキルが高い場合は、比較的スムーズにfreeeへの移行をご案内できています。 freeeの研修で得たヒントを元に、「まずこの機能から使って慣れていきましょう」と段階的な導入を提案したりしています。

鮎川: ネットバンキングを利用されていないお客様もいらっしゃいますが、無理強いはしません。freeeの取引入力機能をご案内したり、ご希望に応じて振替伝票形式で入力していただいたり。 また、コロナ禍以降、ZoomやLINEのテレビ電話を使ったオンラインでのやり取りも増えました。移動時間がなくなる分、回数をこなせますし、簡単な打ち合わせなら十分対応可能です。

――freee導入によって、具体的な業務プロセスや効果はどのように変化しましたか?

鮎川: 一番大きいのは、資料のデジタル化が格段に進んだことですね。手入力が減り、楽になったというより「手が楽になった」という感覚です。時間は…どうでしょう、顧問先も増えていますし、まだ移行の途上なので単純比較は難しいですが、増えた分をfreeeの自動化でカバーできている部分はあると思います。

吉田: 明らかに、入力作業からチェック作業へ業務の重心がシフトしました。 以前は領収書や通帳を見ながら一件一件、科目を考えて入力していましたが、今はデータが取り込まれた後のfreeeの画面を見て、前期比較でおかしな増減がないか、元帳で金額が大きいものがないか、消費税区分がおかしくないか、といったチェックに集中できます。

ScanSnapで領収書を取り込む際も、以前は内容を見ていましたが、今は詰まらないか、折れていないかといった物理的な状態を主に気にしています。 正直、手入力の記憶がほとんどないくらいです。よほど少量だったり、読めなかったりするもの以外はデータで流していますね。

特に効果を実感しているのは、ある顧問先様で、freee導入当初は大変だったのですが、タグ付けや自動登録ルールをコツコツ蓄積していく中で、月次処理の時間が体感的に半分くらいに減りました。 未処理の取引明細が数百件溜まっていたのが、今ではスムーズに処理できています。

freeeの「便利さ」を実感する機能と今後の期待

――特に便利だと感じているfreeeの機能は何ですか?

鮎川: たくさんありますが、やはり「明細アップロード」と「ファイルボックス」ですね。 ファイルボックスもルールを作成すれば、勘定科目を適切に設定でき、インボイス情報まで解析してくれるので、資料のデジタル化という点で非常に貢献してくれています。

吉田: 私も「自動登録ルール」が一番です。 自分が考えた条件がピタッとはまって自動で仕訳が登録されていくのを見ると、「やった!」という達成感があります。ヒットしなかったルールも、なぜヒットしなかったのか分析して改善していくのも面白いですね。最近では、ファイルボックスの自動登録ルール(OCRからの科目推測など)の精度も上がってきていると感じます。

西: 私も「自動登録ルール」と「明細アップロード」です。 明細アップロードは、自動登録ルールと組み合わせることで効果を発揮します。今までは一件ずつ処理していたものが、ルールを決めてしまえば同じ取引は自動で処理されますし、取引内容や相手先に応じて摘要欄の文字列を結合してルール化することも可能です。仕訳を考える手間が省けるのが大きいですね。

吉田: 明細アップロードのいいところは、顧問先様が作成したExcelデータなど、多様な形式のデータを取り込める点です。 必ずしも借方・貸方の仕訳形式になってなくても、日付・金額・取引内容といった要素があれば、こちらの工夫次第でスムーズにfreeeに取り込めます。マッピング機能も前回の設定を記憶してくれるので、一度設定すれば次回からは楽ですね。

――一方で、A-SaaSの使いやすかった点や、freeeの今後の進化に期待する点はありますか?

鮎川・吉田: A-SaaSで便利だった消費税の税込・税抜切り替え機能がfreeeにも実装されると、さらに業務がスムーズになると期待しています。

吉田: また、A-SaaSのシームレスな決算書連携に慣れていたので、freeeでも会計から申告までのデータ連携がさらにスムーズになることを期待しています。自分たちでもチェックフローを工夫しながら対応しています。

鮎川: 印刷関連の機能も、今後のさらなる改善に期待しています。A-SaaSで慣れていた操作感に近づくと、より使いやすくなると思います。

「やってみたら意外と良かった」という変化の醍醐味

――様々なご意見ありがとうございます。そういった課題もありつつ、freeeへの移行を前向きに進められている一番の要因は何だと思われますか?また、もしA-SaaSの統合がなかったとしても、freeeを導入されていた可能性はありますか?

鮎川: うーん、やはりきっかけがなかったら、正直、変えられなかったかもしれませんね。 会計ソフトの変更は、大げさに言うと「離婚して再婚する」くらいの心理的・物理的負担感がありますから。

ただ、実際にfreeeを使ってみて、「やってみたら意外と良かった」という部分があったからこそ、進められているのだと思います。他の会計ソフトも検討しなかったわけではありませんが、一番そういう比較検討が苦手なタイプでして(笑)。やるしかない、という状況だったのも事実です。

吉田: 移行には確かに心理的なコストや変化への抵抗感はつきものです。でも、freeeの担当者の方々がこちらを向いて真剣にコミュニケーションを取ってくれようとしている姿勢や、実際に使ってみて感じた新しい技術へのワクワク感が、前向きに取り組めている要因だと思います。

未来への展望と変化を楽しむメッセージ

――今後の事務所経営の展望についてお聞かせください。

鮎川: 究極的には、自分も職員も、時間的にも金銭的にも余裕を持ちながら仕事がしたいですね。freeeがその一助となってくれることを期待しています。 また、お客様の負担も軽減できれば、それが一番です。そのために、freeeのようなツールを活用して、業務効率を上げていきたいと考えています。

吉田: まずは会計と申告業務をfreeeでしっかり回せるように習熟度を上げることが第一ですが、将来的には人事労務など、freeeが持つ他の業務アプリの知識も広げて、お客様に新しい提案ができるようになりたいです。最近注目されているAI(Geminiなど)とfreeeの組み合わせで、どんな新しいサービスが生まれるのかも楽しみにしています。

西: できるだけ業務を自動化して、特に手書きの資料などをいかにスムーズにデータ化していくか、という点を追求していきたいです。

――最後に、A-SaaS統合を控え、freeeへの移行に不安を感じている他の会計事務所様や、freeeのメリットをまだ実感できていない事務所様へ、メッセージをお願いします。

鮎川: freeeは、決して顧客のことを考えていない会社ではありませんし、便利さを追求している会社であることは確かです。 担当者の話をよく聞き、サポートをうまく活用すれば、決して使いこなせないソフトではないと思います。言っても別に突き放されたりすることもないので、ぜひ積極的に活用して、仕事に役立ててほしいですね。A-SaaSからfreeeに変わって、うちは本当に良かったと思っていますよ。

吉田: 従来の物理的な作業から解放されて、データを活用して確認していくという新しい業務スタイルに、「ワクワクできるかどうか」が一つのポイントかもしれません。 変化の波に一緒に乗っていくのは楽しいですし、それによって業務が効率化され、お客様にも喜んでいただける。

もちろん、今までのやり方や「仕訳入力に魂を込める」という姿勢も素晴らしいですが、新しいやり方にも面白さがあります。freeeは、業界の中でも新しいことへのチャレンジを応援してくれる雰囲気があると感じます。

西: 作業効率は必ず良くなると思います。まずはできる範囲で少しずつ試してみてほしいですね。そうすれば、意外な発見や、ちょっとした楽しみも見つかるのではないでしょうか。

――その「変化を前向きに捉える」秘訣のようなものはありますか?

鮎川: やはり、変化すること自体にワクワクする部分があるのではないでしょうか。freeeは、新しい「おもちゃ」のような面白さがあります。それがどんどん進化していくのを見るのも楽しいですね。

また、freeeに限らず、Gemini、ChatGPTといった新しいツールも積極的に試しています。最初は知らなくても、使ってみて便利さを実感し、それを顧問先にお伝えすると「先生に教えてもらって本当に良かった。これなしの業務はもう考えられない」と感謝されることもあります。そういった経験が、また新しいことへ挑戦するモチベーションに繋がっているのかもしれません。

本日は、貴重なお話を誠にありがとうございました。

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