独立2年で顧問先50件。新事業も展開。
元国税調査官がfreeeと共に実践する「究極のひとり税理士」への道

高橋正人税理士事務所

代表 高橋 正人 様


事務所規模:1名
所在地:北海道札幌市
課題:開業・独立、業務効率化、付加価値向上
元国税調査官の経歴を持つ、高橋正人税理士事務所の高橋正人様。2023年10月の独立開業からわずか半年で顧問先は30件を超え、2年を待たずに50件に到達しました。

現在は税理士業務の傍ら、AIを活用したホームページ制作事業も展開しています。開業税理士の多くが直面する「集客」と「業務効率化」の課題をいかにして乗り越え、圧倒的な成果を出したのか。

その成功の裏には、開業当初から必須だったと語る「freee会計」の存在がありました。札幌で、開業税理士のロールモデルとなる高橋先生に、その道のりを伺いました。

想像を絶するスピードでの成長。開業税理士の常識を覆した集客戦略

――独立から短期間で顧問先が50件に迫る勢いとのこと。この状況を、開業当初は想像されていましたか?

高橋 正人 様(以下、高橋):正直なところ、全くの想定外でした。独立前に創業融資を受ける際に作成した事業計画では「月に1件ずつ顧問先が増えていけば3年後には良い状態になる」という想定をしていました。しかし、蓋を開けてみれば、その想定を大きく上回るペースでお問い合わせをいただきました。

開業から半年足らずで顧問先が30件を超え、売上のために顧問先を追い求めるような状況には陥らず、当所の運営方針や理念を理解し、共感していただける方と顧問契約を結ばせていいただけたのは、とても有難いことだと感じております。


――多くの開業税理士が集客に苦戦する中、なぜこれほどの成果を出せたのでしょうか?

高橋:いくつかの要因があると思いますが、一つは、元国税調査官という経歴だと思います。税務調査の現場で、あらゆる業種のビジネスモデルや経済の流れを見てきたからこそ、「国税の職員としての目線」と「税理士としての目線」の両方で財務諸表を読み解けます。これが大きな強みになったのかなと思います。

二つ目は、北海道の税理士業界の年齢層です。北海道税理士会は、登録している税理士の3人に1人が70歳以上で、40代までの税理士は2割もいません。
その一方で、ビジネスの世界で新たに起業するのは30代から40代の若い方が中心です。若くして起業を志す方は、自分たちと近い目線や価値観を持ち、これから長く一緒に付き合っていける同年代の税理士を探していました。
私の顧問先の経営者の平均年齢は40代前半であり、正にそのニーズに合致したことが開業直後から集客の面で成果を出すことが出来た要因だと考えています。

――開業当初の集客で大切にしていたことはありますか?

高橋:開業当初の問い合わせの約7割がインターネット経由でした。特にSEO対策をしていたわけではないのですが、私のホームページにたどり着いて問い合わせをくださる方が多かったです。
集客をする際に大切にしていたのは、「当所のサービス内容をしっかりと説明すること」でした。

たくさんの税理士やスタッフを要する大手事務所ではなく、一人で運営する税理士事務所を選んでいただくためには、「差別化」を図る必要があると考えており、その中で一番大事にしているのは、サービスの質はもちろんのこと、特に「スピード感」です。

国税時代の先輩から「社長の時間は有限であり、税務調査に行くということは、その貴重な時間を我々が拘束しているのだ」ということを教えていただき、その意識を持って働いていました。この経験から、お客様からの問い合わせや質問には、なるべく迅速かつ的確に返すことや、月次試算表の早期報告、決算の早期確定が、当所のサービスにおける「最大の売り」として運営しています。

「どんなに美味しい飲食店でも、注文してから料理が1時間も出てこなかったら、もう次に行こうとは思わない」ですよね。税理士のサービスも同じで、質の高さはもちろん、お客様にストレスを感じさせないレスポンスの速さが、満足度と信頼に直結すると思います。この信念が、お客様から「信頼して任せられる」と評価をいただいたのだと思います。

「質は高く、安売りはしない」理想の事務所を実現するための差別化

――独立開業にあたり、どのような事務所像を描いていましたか?

高橋:まずはじめに「誰も辞めていかない事務所」にしたいと考えました。一度ご縁をいただいたら、会社が終わるときまで一緒、時には公私を問わず親戚のような深い関係性を築ける事務所を目指しています。お互いの信頼関係を構築していくために、サービスの「質」と「スピード」を落とすわけにはいかない、という気持ちが根底にありました。

――理想の事務所にするために、どのような戦略を立てていたのでしょうか?

高橋:まず、「スポット業務は一切受けない」ことを決めました。これは、顧問契約をしてくださっているお客様へのプレミア感を付けるためです。いつでも都合よく相談できるのではなく、極端に言えば「顧問契約がないと話すら聞いてもらえない」という状況を作ることで、顧問契約の価値を高め、他社と差別化してブランディングするという狙いがありました。

また、3月決算法人にとっては、決算前の2月・3月が非常に重要になりますが、その時期は税理士にとっても確定申告と重なるため、繁忙期となります。
しかしながら、3月決算のお客様にとっては税理士が確定申告で忙しいのは「そっちの事情」であり、その時期にスポット業務で忙殺されてしまうと、結果としてサービスの質を落とすことになってしまいます。それを避ける意味でも、業務領域を絞る必要がありました。

そしてもう一つ、「会計ソフトはfreee会計に統一する」ということです。お客様が現在お使いのソフトに合わせるのではなく、「当所のやり方に合わせていただく」スタイルを貫いています。もちろん、会計ソフトの乗り換え作業は当所側で請け負いますし、変更後の使用方法などは丁寧に説明していきますので、これまでに「会計ソフトを変更したくない」という理由で契約に至らなかったケースはありません。freee会計を活用して、工数を削減し業務を効率化することで、結果的にお客様へ提供するサービスの質を高く維持できると考えています。


――そのお考えの根底には、前職でのご経験があるのでしょうか?

高橋:はい。前職の会計事務所では、幅広いAPI連携に対応していない会計ソフトを使用していました。銀行預金のAPI連携やCSVインポートは段階的にアップデートされておりましたが、多くの担当顧問先の経理処理を、預金通帳を見ながら一件一件入力していくやり方に依存しており、慣れ親しんだソフトではあるものの、工数がかかりすぎることが悩みとしてありました。
もしそのまま独立していたら、顧問件数も30件程度が限界だったかもしれません。

「質は落としたくない。でも安売りもしたくない」。これを実現するには、自分の工数を下げていくしかない。そのためのツールとして何が最適かと考えたとき、freee会計にたどり着きました。

顧客獲得の秘訣は「不安の解消」。タスクの可視化で信頼を得る

――開業当初から顧問先契約の獲得率は非常に高かったと伺いました。面談ではどのような工夫をされているのですか?

高橋:面談では、「いかに対話を通じて不安や悩みを引き出せるか」が大切だと思います。そのため、お客様がリラックスできる空間作りを意識しています。

私の事務所は、絵画やオブジェを飾っていて、一見すると税理士事務所には見えないかもしれません。
初回相談は当所に来ていただき、面談することにしておりますが、初めて事務所に入った方は、「なんだこの事務所は?」と驚いていただくことが多く、その際にお客様の目に留まった物の話から、自然にアイスブレイクしていき、堅苦しくならずに会話を始めるようにしています。


――特に、これから起業されるお客様には、どのようにアプローチされるのでしょうか?

高橋:新規開業のお客様に一番多い悩みは、「何から手をつけていいか分からない」という点であり、この不安を解消することが大切だと考えています。新規開業時や法人成りの際にやらなければいけないことは、業種は違えど、そこまで大きく変わることがないため、私が作成したレジュメをお見せしながらご説明しています。

「まず、うちと契約したらfreee会計に登録してもらい、次に法人口座と経費精算用のクレジットカードを作りましょう。それが終わったらAPI連携、その次は許認可の切り替え、その次は役員報酬の決定、その次は社会保険の加入手続きが必要…」というように、会社設立から事業を立ち上げていくまでのステップに優先順位を付して、具体的に、わかりやすく可視化して示しています。

やることを明確にして、一つ一つタスクをこなしていただき、「これさえ終われば、社長は本業に集中するだけです。」というような具体的な道筋を示すことで、「この先生に任せれば大丈夫だ」という信頼を得られ、契約につながりやすいのだと思います。

――顧問先と長く良い関係を築くために、コミュニケーションで意識していることはありますか?

高橋:顧問契約を結ぶ際に、まず「私の事務所は、そもそも顧問料が高いですよ」というお話をします。「会社の売上が大きくなり、社長の生活がもっと豊かになるように、こちらも経営にどんどん口を挟んでいきます。ダメなものはダメだとはっきり言います。それで会社が大きくなれば顧問料も上がっていきます。
共に成長し、経済的にも豊かになっていけるよう一緒にやっていきましょう」というスタンスでコミュニケーションしています。
実際に決算を重ねるごとにお客様の会社が大きくなっていき、「ここまで来られたのは先生のおかげです」と言っていただけるのは、税理士としてとても嬉しい瞬間ですね。


freee会計は「工数削減の要」。その成果と導入支援のリアル

――数あるクラウド会計ソフトの中で、freee会計を選んだ決め手を改めて教えてください。

高橋:API連携の幅広さと、自動登録ルールの優秀さ、この2点に尽きます。銀行口座やクレジットカードはもちろん、Airペイやスクエアといった決済サービスと連携できるのは非常に大きいです。これまでは非常に手間だった飲食店の売上管理なども自動化できます。

工数削減の観点からは、やはり、自動登録ルールが優秀です。例えば「クレジットカードの利用明細に飛んできた、5,000円未満のETCカードの利用料金は“旅費交通費”として自動登録する」といったルールを一度設定しておけば、確認作業すら不要になります。
日々の記帳業務の中には、「この取引=この仕訳」というある種決まり切った作業が数多くある中で「API連携で飛んできた明細を目視して登録する」ということすら省略することができ、こうした一件一件の積み重ねから作業工数を削減していくことが、毎月多くの顧問先を見る上では決定的な差になりました。いくつかのソフトを比較しましたが、自分の工数を一番減らせると感じたのがfreee会計でした。

――freee会計を導入したことで、業務は具体的にどのように変わりましたか?

高橋:体感ですが、手作業だった頃に比べて業務効率は1.5倍から2倍ぐらい変わるイメージで、繁忙期を除いて残業も一切なくなりました。一番ありがたいのは、試算表発行までの時間が劇的に短縮されたことです。

お客様には、請求書はfreeeで発行し、経費の支払いは極力クレジットカードに集約するようお願いしています。そうすることで、売上と経費のほとんどのデータが自動で取り込まれ、あとは取引先から送られていく紙の請求書や、現金で支出した経費に係る領収書を「ファイルボックス」にアップロードしてもらうだけです。今までは、訪問して資料を回収してから記帳業務を行っていたのに対し、訪問前には経理処理を完了することも可能であるため、今月も8日の時点で既に7社の試算表発行が終わっています。これは従来のやり方では考えられないスピードです。

また、「ファイルボックスにデータをアップしてくれるなら記帳代行料はいただきません。紙で渡されたら料金をいただきます」というルールにすることで、お客様にも自然とデータ化を促すことができています。


簿記の知識が壁に?freee会計へのスムーズな移行を支えるOJT

――ご自身も、顧客先への導入支援も、freee会計への移行はスムーズでしたか?

高橋:正直に言うと、私自身、最初は戸惑いました。複式簿記に慣れている人間ほど、伝票会計の考え方をベースにしたfreee会計特有の取引登録に難しさを感じやすいと思います。これはもう「慣れしかない」というのが本音ですね。

ただ、分からないことがあればヘルプページを見たり、チャットサポートに聞けば大抵のことは解決します。私自身も、独立当初に行った十数社のfreee会計へのデータ移行作業をこなす中で、必然的に磨かれていった感じです。


――顧問先の方へのfreee会計導入支援はどのように行っているのでしょうか?

高橋:約3ヶ月間のOJTでサポートしています。最初の1ヶ月は、Zoomで画面を共有しながら、ポイントを整理して一緒に作業を進めます。次の1ヶ月は、お客様自身に一通り作業をしてもらい、私がそれをチェックして修正します。そうすると、3ヶ月目にはほとんどの方が一人で操作できるようになります。

最初は戸惑っていた経理担当者の方々も、一度慣れてしまえば「借入金の返済計画表を登録しておけば、あとは消し込みだけで済む」「クレジットカードの明細を手入力しなくてよくなった」と、その便利さを実感し、最終的には喜んでくださる方がほとんどです。最初の導入を税理士がしっかりサポートすることが非常に重要ですね。

 

 

“究極のひとり税理士”へ。時間を創出し、未来を切り拓く

――効率化によって生まれた時間は、どのように活用されていますか?

高橋: freee会計のおかげで、訪問する前にはある程度の経理処理が終わっているのが前提なので、まず訪問したら、どうしても資料を見なければいけない点や、ヒアリングを要する取引といった、いわゆる監査として絶対に必要な部分を優先して片付けます。

それが終わってからは「何か変わったことはありましたか?」と、ここからお客様が話したいことを引き出していく時間に入ります。

仕事の話だけでなく、雑談のようなイメージで話を広げていくと、ご自身の身の回りの悩みの話が出てくることも多いです。そうやって話が進むほど、私としてもお客様のことを深く知る機会にもなり、関係値も深まっていきますし、次の仕事に繋がっていくこともありますね。
経理処理に要する時間を削ることで「対話」の機会をたくさん取れるようになり、好循環を生んでいると考えています。
 

――税理士業務を効率化したことで、新しい事業も始められたそうですね。

高橋:はい。時間に余裕ができたことで、以前から興味があったAI技術を活用した、ホームページ制作の事業を立ち上げました。税理士として多くの顧問先を抱えながらも、自分自身、一人の経営者として新たな挑戦ができる。これも、freee会計で自らの時間を作り出せたからこそです。

[高橋様が立ち上げたホームページ制作事業はこちら]

――最後に、これから独立開業を目指す税理士の方々へメッセージをお願いします。

高橋:お客様と深く向き合うための時間を作るためには、突き詰めれば「顧問先の件数を減らす」か、「自分の作業工数を減らす」かの二択しかありません。もしサービスの質を落とさず、より多くのお客様と良好な関係を築きたいなら、工数を削減する努力は絶対に必要です。

その点で、freee会計は工数を減らすための非常に良い選択だと思います。これからクラウド会計ソフトとそうでないソフトとの差は、浸透すればするほど大きくなっていくはずです。開業当初は全てを一人でこなさなければなりませんから、自分の時間を作り、理想の事務所を実現するために、freeeのようなツールを活用してもらえればと思います。

――本日は、貴重なお話を誠にありがとうございました。

高橋正人税理士事務所

北海道札幌市
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