freee会計で経理代行サービスを構築!
札幌で「先行者利益」を狙う先見の明

税理士法人札幌中央会計 熊谷さん(左)・鶴田さん(右)

税理士法人札幌中央会計

(左)熊谷 様
(右)鶴田 様

事務所規模:35名
所在地:北海道札幌市中央区
課題:業務効率化、付加価値向上
北海道札幌市に事務所を構える税理士法人札幌中央会計は、従業員数34名という中堅規模の会計事務所です。札幌市の会計事務所の中には、freee以外の会計ソフトを導入しているところが多く、「先行者利益」を狙うためにfreeeを導入したと同事務所の熊谷孝宏さんは話します。

そんな熊谷さんに札幌というfreeeがまだ浸透していない地方都市で、freeeをあえて導入することのメリットなどについて伺いました。

先行者利益を狙うためのブランディング

――貴事務所の成り立ちについて教えてください。

熊谷孝宏さん(以下、熊谷):創業者の川崎毅一郎が、昭和57年に公認会計士税理士川崎事務所を開業したのが当事務所の発端です。創業者が株式会社のみならず医療法人、公益法人、社会福祉法人、学校法人といった非営利法人分野の会計税務に精通していたことから、現在も数多くの非営利法人のお客様にも恵まれています。

――事業承継からDX支援まで幅広いサービスを提供していますが、特に強みを発揮できるのはどんなサービスでしょうか?

熊谷:基本的な申告書の作成はもちろんのこと、事業承継やM&A、相続対策、組織再編、資産税についても力を入れています。また公認会計士の事務所も併設しているので、監査業務やDD(デューデリジェンス)についても、お客様からご好評をいただいています。
税理士法人札幌中央会計 熊谷さん

――はじめてfreeeを知った時の印象をお聞かせください。

熊谷:元々、クラウド会計にはアンテナを張っていまして、新型コロナウイルスが蔓延する前に、事務所としてfreeeに取り組み始めました。「今までの会計ソフトとはちょっと違うぞ」という印象を受け、freeeに成長性を感じたんです。freee自体もまだ未成熟だし、それを扱う市場も未成熟だと思いましたが、今までにできなかったことができるようになるサービスだと思って取り組みました。

――今までにできなかったことというのは、具体的にはどんなことでしょうか?

熊谷:例えば外部のソフトとの連携です。freeeは当初からAPIを公開していて、その拡張性に関するポテンシャルには目を見張るものがあります。まさに次世代のソフトだと思ったのです。

札幌では他社のクラウド会計を使う事務所が大勢を占めているので、今からそこに加わるメリットはありません。それよりも、これから"来る"だろうfreeeにいち早く習熟するほうが意義が大きいと思ったのです。

従来からの記帳の形は必ず変わり、単に入力するだけの業務は価値がなくなっていくと私は確信しています。その一方で、freeeならお客様に対して付加価値の高いサービスを提供できると思ったのです。

もう一つ、先行者利益を狙うためにfreeeを使ってブランディングしたいという意図もありました。我々の場合、当初は事務所内に理解者が少なかったのでスピードは出せませんでしたが、わかりやすい形でブランディングできる点もすごくいいなと思います。
税理士法人札幌中央会計 熊谷さん

freeeを使う税理士は仕事を楽しめる

――freee会計をメインとする経理代行の会社をつくったと伺いました。

熊谷:はい、株式会社AZUREという会社です。早くから弊社の代表の理解もあって、もう一人の有志である鶴田麻悟と立ち上げに至りました。そこでは主に札幌中央会計の熟練スタッフではなく、外部から新規人材を集めて業務にあたっていただいています。そのほうがスピード感を持ってfreeeの操作を覚えていけると判断したためです。

従来から会計事務所に勤めている人の中には「freeeは使いにくい」という感想を持つ方が多いかもしれません。またそういう人の中には「試算表さえできればいい」という方がおそらく大半なのではないかと思います。

しかし仕訳をさんざん叩いてきた私からすると、試算表だけを作っても面白くありません。その点、外部との連携など様々なことが可能なfreeeはその入力過程が多種多様で、使っていて面白いんです。
税理士法人札幌中央会計 熊谷さん

――freeeを導入する前にどんな課題がありましたか?

熊谷:今までは紙の資料を回収して手入力していて、時間もコストもかかっていました。freeeを導入したことで、時間とコストも含め、色々なことを解決できる糸口になったと思います。

――具体的にはどんな糸口になったでしょうか?

熊谷:例えば会計事務所は税務申告書を作ることがメインなので、担当者はともすると自分にとって都合の良い資料ができればいい、と思いがちです。クライアントの事務員さんがどんなに非効率な作業をしてようが興味はない、逆に事務員さんに対して「こういう資料がほしいから作ってくれ」みたいな身勝手な態度で接する風潮が少なからずあったと思います。

freeeを使うと会計の周辺業務を必然的に効率化することになるので、事務所の担当者はクライアントの事務員さんが楽になるというところまで自然と目を向けるようになります。

要するに「会計事務所は結局、何を売っているのか」ということが今変わりつつあるのです。簡単な申告書を作成することだけならボタン一つでできるようになるでしょう。申告をするのは当たり前で、せっかくだったらfreeeを入れてバックオフィスのところまで見てあげて、業務の効率化につながるといいよねとか、お客様にこれまでにない付加価値を提供できるのがfreeeの良さなんです。

freeeを導入して大変だったことと楽になったこと

――freeeを導入して大変だったことはありますか?

熊谷:freeeでは、今まで会計に携わってきた人たちがあまり意識していなかったところをきちんと設計しなければなりません。例えば仕訳対象の資料の流れを変えていくなど、きちんと"はめて行く"ことが必要になります。そのため、導入にあたっての教育コストや習熟コストが他社ソフトに比べて高いということがわかりました。

ただ、そうした導入に関するコストに目を向けるのではなく、業務効率を最大化してお客様のためになるのはどのソフトか、と考えたときに「freee一択」という結論は私たちの中ではすでに出ていました。freeeにはコスト以上の新しい価値を作ることができると思い、私たちはその結論に素直に従うことにしたんです。

――逆にfreeeを導入して楽になったことはありますか?

熊谷:資料回収のやり取りとコミュニケーションにかかるコストが圧倒的に削減できました。freeeでは、例えば仕訳を起点としてチャットでコメントができます。これは他社のソフトにはない機能です。

――貴事務所については2020年からご支援をさせていただいています。特に効果を実感されたことはありますか?

熊谷:月に一度、freeeの担当者さんと打ち合わせをさせていただいています。当事務所にはfreeeの入力補助を専門に行う女性担当者がいるのですが、彼女は楽しんで仕事をしているようです。自ら創意工夫して新しい入力方法など提案していただいたりもしています。以前、freeeの担当者さんと実施した「実技チェック」などでも、freeeではこんなこともできるんだ、という発見があって面白いと言っていました。日々いろいろな発見があるのもfreeeの魅力の一つですね。

――リアルタイムに近い形で経営数字が見られる仕組みを弊社では「リアルタイム経理」と呼んでいます。貴事務所はリアルタイム経理にどのように取り組んできたのでしょうか?

熊谷:私たちもリアルタイム経理の環境を完璧に構築できているわけではありませんが、忙しい社長さんはスマホなどで最新の数字をすぐに確認できるので、おそらく満足感は高いんだろうな、と思います。もとより仕訳に関する資料をきちんとリアルタイムで共有できる環境を整えることが一つのポイントであると考えています。例えば、弊社では現金取引がある場合は、GoogleスプレッドシートのfreeeAPI出納帳(※)でAPI連携することを推奨しています。今後もそのような取り組みを進めていき、理想のリアルタイム経理に近づけていきたいと思います。

※エンジョイント税理士法人の智原翔悟さんが無償で公開しているもの。
税理士法人札幌中央会計 熊谷さん

イチ押しの機能は「債権債務の管理」

――他の会計事務所にfreeeをお勧めするとしたら、どんな点がイチ押しでしょうか?

熊谷:freeeでは「未決済取引の消込」と呼ばれている債権債務の管理機能です。当事務所では経理代行はほぼ100%、freeeでやっています。だからこそ自信を持って債権債務の管理をサービスとして売り出せました。

例えば社長さんから請求書だけ出してもらい、「ここがまだ入力されていませんよ」とか「ここがおかしいですよ」と指摘するのですが、freeeの債権債務の管理機能を使えば簡単にできてしまいます。freeeが「取引」という他社ソフトにはない基本概念をベースに作られたソフトだからこその機能なので、これは強くお勧めしたいです。

――最後に、今後の目標を教えてください。

熊谷:直近の目標としては、freeeをメインとした経理代行のサービスを進めているので、これを大きく伸ばしていきたいという思いがあります。

今後の市場の中で、経理の大崩壊時代が来ると個人的には思っています。実際、そうした事例が私たちのクライアントさんの中でもちらほら出始めています。

これを防ぐために必要なのがDXです。freeeを使えば「BPO(Business Process Outsourcing:業務プロセスの一部を外部に委託すること) DX」みたいなもの、つまり今までとは違う形のアウトソーシングが可能になります。会計人にしかできないDXは当然にあるわけで、その辺りにfreeeの将来性を感じています。
事務所内に協力者が少ない状況の中で、freee導入の旗振り役をあえて買って出た熊谷さん。2021年6月にはfreeeをメインとする経理代行の新会社を設立したそうです。freeeの将来性を信じる会計のプロが、北の大地でまさに今、イノベーションを起こそうとしています。

税理士法人札幌中央会計

北海道札幌市中央区
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