なぜfreeeは「面白くてやめられない」のか?
“仕訳は手打ちの方が早い”という不満を、いかにして「楽しい」に変えたか

尾﨑隆久税理士事務所

所長 尾﨑隆久様(左)
職員 佐藤望 様(右)

事務所規模:4名
所在地:愛知県蒲郡市
課題:A-SaaSとfreeeの統合、業務効率化
2026年6月末のA-SaaSからのシステム統合は、多くの税理士事務所にとって大きな不安です。「本当にfreeeに移行すべきか?」「かえって業務が煩雑になるのでは?」と悩んでいませんか。

愛知県蒲郡市の尾﨑隆久税理士事務所も、当初は「仕訳は手打ちの方が早い」という声が上がるほどの抵抗に直面しました。しかし、この変化をチャンスと捉え、freeeの導入を成功させました。

導入後の成果

  • 1時間半かかっていた記帳業務がわずか15分に短縮
  • 記帳業務の時間が減り、コンサルティング業務に集中できるように
  • 顧客満足度も向上し、より深い経営アドバイスが可能に


なぜ「もう元のやり方には戻れない」とまで語るほどfreeeが仕事に「面白さ」をもたらしたのか、その軌跡を紐解きます。そこには、多くの税理士事務所が抱える課題を解決する、具体的なヒントが詰まっています。

freee導入の経緯と背景

「freee」を導入した背景には、従来の会計システム(A-SaaS)を提供していた会社の買収という大きな出来事がありました。当時は、この強制的な移行を「避けられない決断だった」と語っています。

これはA-SaaSを導入した背景でもありますが、過去に使っていたシステムはオンプレミス型であったため、事務所のサーバーに縛られ、外出先や顧問先の会社ではデータを確認することができませんでした。そのため、急な問い合わせに即座に対応できず、一度事務所に戻って確認する必要がありました。

クラウドベースのシステムはこの課題を解決する大きな魅力となりました。場所を選ばず、リアルタイムで顧問先とデータを共有できるため、迅速な対応が可能になります。

導入時の不安:未知のシステムへの戸惑い

freeeの導入が決まった当初、社内には大きな不安がありました。特に、旧システムからの移行を経験したことのない従業員にとっては、「一体何がどう変わるのか」「そもそもfreeeがどういうものなのかさえ想像がつかない」という状態でした。

「何が不安なのかさえ分からなかった」と当時の状況を振り返ります。初期設定の複雑さに対する懸念も大きく、果たしてスムーズに移行できるのか、社内からも不安の声が上がっていました。

導入における課題:仕訳入力のスピード低下

中でも最も大きな懸念は、日々の業務、特に仕訳入力への影響でした。長年使い慣れた旧システム(A-SaaS)と操作性が大きく変わることへの抵抗感は強く、「これまで通りのスピードで入力ができなくなるのではないか」という不安は、特にベテランの顧問先担当者にとっても深刻なものでした。

実際に、導入直後は「早く入力できない」ことへの不満が多かったといいます。長年の経験で培った入力スピードが一時的に失われることへの戸惑いは、避けられない課題でした。


導入へ向けた工夫:業務フローの再構築と顧問先目線に合わせたメリットの提示

顧問先から最初は早く入力できないことへの不満がありました。でも、freeeがやろうとしていることを理解し、考え方を変えていったんです。

従来の「仕訳をひたすら打つ」という業務から、「業務フローを自動化する」という考え方にシフトしました。レシートを読み込み、通帳をデータ化することで、手動入力が必要だった部分が自動で処理されるようになり、最終的に効率が向上したのです。

主に訴求したポイントは以下3つです。
 

  1. 顧問先毎にメリットを提示: 顧客一人ひとりが「何にメリットを感じるか」に焦点を当てて業務設計を行うことで、freeeの豊富な機能を最大限に活用し、抵抗感を乗り越えることができたのです。「領収書を貼るのが嫌いな人には、スマホで撮影するだけでいいこと」を伝え、抵抗感を和らげました。
  2. シンプルなマニュアル作成: 全機能を網羅するのではなく、顧問先ごとに必要な機能だけを厳選したマニュアルを作成。例えば「連続取引登録」と「自動で経理」の2つに絞ることで、操作へのハードルを下げました。
  3. 段階的な導入サポート: 最初の1ヶ月は、事務所側でデータ登録を代行し、取引テンプレートや自動登録ルールを構築。顧問先はその後、最低限の操作で済むようになり、徐々に慣れていきました。入力件数が多い人には、通帳データの自動連携と自動登録ルールを活用し、「100件のうち70件は自動で処理されるので、残りの30件だけ確認すればいい」というメリットを提示しました。
     

その結果、「freee」は業務に劇的な変化をもたらしました。
 

  • 時間短縮と効率化: 1時間半かかっていた記帳業務が、わずか15分で完了するようになりました。これにより、作業時間が大幅に削減されました。
  • リアルタイムでの顧客対応: リアルタイムでデータを共有できるため、クライアントからの質問にその場で回答できるようになり、信頼関係も深まりました。
  • 付加価値サービスの提供: 記帳業務の時間が減ったことで、経営分析や事業方針の相談など、より専門的なコンサルティング業務に時間を割けるようになりました。


「freee」は、単なる会計ソフトではなく、業務フローそのものを変革するツールであり、クライアントとの関係性をより強固なものにするシステムと言えるでしょう。

 

今後の展望とメッセージ:AI活用によるさらなる効率化

freeeの導入は、単なる業務ツールの変更にとどまらず、仕事そのものの面白さを再発見するきっかけになったと語る。

「freeeは面白いですね。業務がどんどん減っていくので、楽しくて仕方ありません。」

入力作業の組み合わせを考え、クライアントの業務に最適な方法を模索することは、まるでパズルを解くような楽しさがあるといいます。単純な記帳業務が減ることで、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになったのです。

「もう元のやり方には戻りたくないですね。それくらいfreeeに慣れてしまいました」

また、従来のシステムでは仕訳を「打つ」こと自体に満足感を覚える人もいましたが、freeeでは取引を入力すれば自動で仕訳が生成されるため、その過程を確認することで納得感を得られます。
freeeは、バックオフィス業務の効率化だけでなく、仕事に対する姿勢や考え方を変える可能性を秘めてます。

今後も「freee」のアップデートには期待を寄せています。特に、AIを活用したデータ化サービスへの期待は大きく、将来的にはレシートや書類をスキャンするだけで自動的にデータが取り込まれ、入力作業がさらにゼロに近づくと考えています。

尾﨑隆久税理士事務所

愛知県蒲郡市

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