freeeが提供する料金表のひな型を用い、適切な値段設定が可能に

税理士法人まえの 代表/税理士 前野さん

税理士法人まえの

代表/税理士 前野峻希 様

事務所規模:14名
所在地:京都府京都市下京区
課題:集客、組織マネジメント
freeeのスターターキットには、事務所のサービス内容と価格を考える際、ヒントになる料金表のひな型が含まれています。 この料金表のひな型を参考に事務所の料金プランを検討し、低価格路線を行く会計事務所とは一線を画す事務所があります。税理士法人まえのです。京都市に所在する同事務所の前野峻希さん(代表)に、主に税務の料金表にまつわる話を伺いました。

freeeの導入で新しい顧問先の獲得に成功

――貴事務所の規模を教えてください。

前野峻希さん(以下、前野): 現在、私を含め15名のスタッフが在籍しています。昨年の今時点で10人でしたので、この1年で1.5倍になっており、今年中にもう2、3人の増員を考えています。顧問先の数は、法人が120〜130件、個人が340〜350件くらいです。

――freeeのことが気になったきっかけは何でしょうか?

前野: 弊社は父の代から41年続く事務所で、業種を絞らないことが強みだと公言しています。加えて新規開業したばかりのお客様や、開業から2、3年目くらいのこれから成熟していくお客様に支えられている点も強さの一つだと思っています。

一方で課題もあり、例えば父の代からのお客様が高齢化して廃業を選ぶケースが増えてきました。こうしたことを背景として事務所の売上が一時、ジリ貧になりかけたのです。ここから脱するためにどうするべきかと思い悩んでいる時に、freeeの存在に目が留まりました。

若い経営者を中心に、クラウド会計サービスを使いたいというニーズが一定数あることはわかっていました。そうしたニーズを持つ経営者にとって、freeeは言わばドラえもんのような存在に感じるのかも知れません。未来の道具を出してくれてポンと夢を叶えてくれる、と思うのでしょう。

ところが旧態依然とした税理士はfreeeに挑戦しません。我々はそこをチャンスだと考え、クラウド会計サービスのユーザーに「この先生なら一緒にfreeeに付き合ってくれる」と思ってもらえるようにチャレンジすることにしたのです。freeeを使うことで新規のお客様を取り込めるようになったのは大きかったと思います。
税理士法人まえの 代表/税理士 前野さん

衝撃を受けたfreeeの料金表のひな型

――会計事務所同士の価格競争が激しいと感じることはありますか?

前野: それはどうでしょうか。そもそも税理士は、同業者がいくらで税務を請け負っているか知らないと思います。価格についても「前任の税理士と同じくらいでどうですか?」といった曖昧な決め方をしているケースが多いのではないでしょうか。これは税理士業界全体に言える共通の課題だと思います。

だからこそ、freeeのスターターキットにバンドルされていた料金表のひな型を見た時は、大きな衝撃を受けました。

我々はそれまでも、お客様ごとに生産性分析を行ってきました。ただ従業員に対して「なぜこのお客様は生産性が低いの?」という問いをすると、「そもそもの料金が安いからです」という回答が返ってきたり、逆に「なぜ、このお客様は生産性が高いの?」という問いに対して「この会社は料金が高いからです」という回答があるなど、生産性分析としてはほとんど意味をなさない回答もありました。freeeの料金表により金額の標準化ができるようになり、生産性分析という点についても改善の余地が見つかったのです。

――従来の料金表と、freeeのひな型を参考にした料金表では、どのくらい差が出るものなのでしょうか?

前野: 実際にあったケースを示します。個人所得税について、freeeのひな形を利用する前では弊社では14万円で請け負っていたお仕事があります。このお仕事とほぼ同じ規模の個人所得税について、新しい料金表を利用すると41万円になり、この金額でご提案したところ、笑顔で契約していただけることになりました。新しい料金表に変えたことで、今までが曖昧な根拠での金額設定となっており、価格がサービス内容に見合っていなかったものが是正されたのです。

freeeの料金表は、売上規模や面談回数等により報酬が増減するように設定されているため、お客様に対して契約時点から「売上規模が増えるなど、お仕事が増えた時は報酬を増額させていただきます。ただ、お仕事もしていないのにお金をいただくのは忍びないので、コロナで売上規模が減るなど、お仕事が減った時のご料金についてはお値引きさせていただきます」と伝えると、たいていの人は「ありがとう。わかりやすくていいね!」と納得してくださります。また、実際に売上規模が上がったときの報酬の改定もスムーズとなりました。
税理士法人まえの 代表/税理士 前野さん

顧問先とwin-winの関係を構築

――顧問料を決めるのに、もう一つ「面談頻度」という要素も関係してくると思います。

前野: そうですね。もちろん通常の担当者レベルでの相談について、別途料金をいただくことは考えていません。ただし、決算予測や決算検討、毎月の業績の確認などについて、税理士にどの程度関与してほしいかはお客様ごとに考えが異なると思っています。freeeの料金表では、面談頻度がお客様の報酬の一つの基準となっています。

例えば月額顧問料について、売上が3,000万円の会社に対してだったら、年に1回の面談でよければ1万5,000円、年に4回をご希望されるなら2万5,000円、毎月必要なら3万5,000円となります。自分の顧問報酬について、お客様が選択する余地があるというのが、freeeの料金表の良いところだと思います。

また弊社としても、お客様に対してどのくらい関与するかで、値段とのバランスが取れるようになりました。結果として、きちんと決算予測などを行うことをご希望された結果、当初の予算よりも高いプランでご納得いただいて契約に至るケースも多数ありました。また、お客様の予算によっては「もうちょっと安くなりませんか?」というケースも当然あります。そんな時は「面談は年に1度で、期中は定期的には会わないという方針でも大丈夫ですか?」とお伺いします。そうするとお客様は「ありがとうございます」と言って喜んでくださることがほとんどです。

――顧問先に対しては値上げが可能になると伺いました。

前野: 税理士としては顧問先対してこんな提案もできます。「お客様のご希望の年1回プランは30万円ですが、年4回プランだと年1回に加えてこんなことができて42万円ですよ。どちらにされますか?」というようなものです。例えば弊社の年4回プランでは、半期が終わったら半期の振り返りを行い、決算3ヶ月前には決算予測を行います。

また、決算開始前に決算検討会を行い、決算が終わった時には昨年比や売上比率分析などを行って最後に決算報告をします。年4回プランにしてもらえれば、決算予測や決算検討をすることもできますが、「決算予測は本当に不要でも大丈夫ですか?」と聞くと、ぜひ決算予測もしてほしいから年4回プランに変更させてほしいと言って、30万円の予算で来た人がそれ以上のお金を払って笑顔で帰って行かれます。まさにwin-winの関係と言えると思います。

freeeの料金表のひな型を利用するようになって何が起きたか?と言われると、お客様からすると、どのようなサービスを受けられるのか、事前にイメージしやすくなったのだと思います。また、そのサービスのどこまでを受けるかについて自分で選択できるようになったということも挙げられるかもしれません。結果として、弊社より報酬的にはもっと安い事務所もある中で、弊社を選んでいただけるお客様が増えたということだと思います。
税理士法人まえの 代表/税理士 前野さん

時間単価7,500円以上を目指す

――貴事務所では、スタッフの生産性はどうやって管理しているのですか

前野: まず最初に、なぜ生産性を管理しなければいけないかという話ですが、作業のクオリティを担保するためだと私は考えています。報酬が低いことを理由にサービスの低下が起こってよいわけはないですし、逆に報酬もいただいていないのに多くの作業量を投下してしまっている、いわゆる「ボランティア」の状態も法人としては不健全です。

また、報酬に比して投下時間が少ないといった、いただいたご報酬に見合ったサービスを提供しないことも不誠実であると考えています。この点、弊社ではいただいた報酬をかかった作業時間で除した「時間単価」という概念をスタッフの生産性の基準と考えており、弊社では7,500円(税込)を最低の目標としています。7,500円を下回ったお客様についてはしっかり社内ミーティングを行い、時間単価が下がっているのは、弊社の要領が悪かったのか、それともお客様のご都合などにより、作業量が増加しているにもかかわらず適正な報酬を請求できていないのか、を見定めるようにしています。

そして翌年、社内に問題点があるのであれば、効率などを改善するために何を変えなければいけないのかを検討します。逆に、弊社内での改善の余地が少ない場合には、報酬の増額をお願いさせていただくこともありますが、「こういう事情で手間がかかり、想定していた時間に収まりませんでした。すみませんが増額させていただけませんか?」と言うと、お客様にも心当たりがあるので応じていただけるケースも少なくありません。このように、行った「お仕事」に応じて、適切な報酬をいただくことが税理士法人にとってとても大切なことであり、この基準、標準となるという意味でfreeeさんの請求モデルは優れていると思います。

スタッフには常々こう言っています。

「もちろん、お客様にとって料金が安いことは良いに決まっている。でも、安かろう、悪かろうのサービスの提供は弊社ではやめよう。きちんとしたお仕事をして、きちんとした料金をいただくことが大切で、弊社に来ていただいたお客様には、ご満足いただけるような良いサービスを提供して、この仕事であれば!とご納得いただける料金をいただこう。だからみんな、プライドを持って仕事をしようね」と。
紹介会社を通しての新規契約も少なくないという前野さん。つい先日も、相見積もりの結果、3万円を提示したA事務所、5万円を提示したB事務所、8万円を提示した税理士法人まえのの間で揺れた卸売業は、説明を聞く中で最終的に税理士法人まえのを選択したそうです。

自分たちが届ける価値に見合った報酬がほしい――。この当たり前の願いを叶えるために、質の高いスタッフとともに古都の老舗税理士法人の代表は、未来に向けた高価値サービスを提供し続けています。

税理士法人まえの

京都府京都市下京区
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モットーは「職務を通じて、お客様の成長と発展に寄与することが私たちの誇りである」

 

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