会計ソフト再選定チームが出した答え"顧問料ゼロ円時代"に備え、freeeを導入しよう

株式会社打ち出の小槌

代表 壁谷 英薫様
   田村 真理様
   見目 美咲希様

事務所規模:17名
所在地:東京都港区
課題:付加価値向上、業務効率化
独自に開発した「カベヤ式会計」を基軸として、多くの顧問先にコンサルティングサービスなどを提供する株式会社打ち出の小槌。その代表を務めるのは、公認会計士であり、カベヤ式会計の生みの親である壁谷英薫(ひでのぶ)さんです。

テクノロジーの進化により予見される会計事務所の「顧問料ゼロ円時代」への対策として、会計ソフトを再選定するプロジェクトを走らせた壁谷さんをはじめ、プロジェクトリーダーを務めた田村真理(まさみち)さん、プロジェクトメンバーの見目(けんもく)美咲希さんに、freeeを選択した理由や、実現したい世界観などを伺いました。

コンサルティングサービス「打ち出の〇〇」シリーズで経営者を支援

――貴社が提供するサービスについて教えてください。

 壁谷英薫さん(以下、壁谷):弊社は主に3つのサービスを提供しています。
 

  • 打ち出の税務
  • 打ち出の経理
  • 打ち出の財務
     

名前のとおり、それぞれ税務、経理、財務を支援するサービスです。この中で主力サービスと言えるのが「打ち出の経理」です。経理と言うと領収書の入力などをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、弊社で言う経理とは経営管理指標を作り、経営者の意思決定をサポートする役割だと定義しているのです。

また未来会計や経営支援を通してお客様をバックアップするのも弊社の特徴の1つです。その際、フロントに立ってお客様とやり取りするのは私だけではありません。教育を受けて知識を身につけたスタッフも、私と同様にフロントに立って経営者様と直接やり取りをします。

 


――フロントに立つのはどんなスキルセットを持つスタッフですか?

壁谷:フロントに立つスタッフは月次面談の際に、お客様に対して毎回、 弊社の価値を提案をする役割があります。ですので会計知識のみならず、弊社が開発している分析ツールを活用し、お客様を支援できるスキルを持っています。

弊社が提供するのは「カベヤ式会計」に基づくサービスです。例えばカベヤ式会計を特徴づけるものとして「Vision戦略図」があります。これは面談資料の中にプリセットしているのでお客様は必ず目にします。

 

Vision戦略図:すべての会社の経営状態を6段階のステージに区分し、現状を把握、改善策を導くことができる。最終的に「手元資金をどれだけ厚くできるか」ということにフォーカスし、お金が潤沢に残る経営を目指す。


Vision戦略図は、経営者様が意思決定する際に必要な管理会計を、誰にでも使いこなせる簡易な図で示した強力な会計分析ツールです。スタッフたちはこれを使いこなすとともに、毎月、顧問先ごとに社内ブリーフィングを行いながら、 ご提案内容を熟慮するようにしています。

来るべき「顧問料ゼロ円時代」を乗り切るためにfreeeを導入

――社会環境の変化、新しい概念やテクノロジーの登場など、時代の流れについて壁谷さんはどのように捉えているのでしょうか?

壁谷:今後、日本の労働人口はますます減っていきます。そうした状況下で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の普及はさらに進むでしょう。仮想通貨や生成AIなども時代を変えていくと思います。その中で、今までと同じ仕事をしていたら、遠からず「顧問料ゼロ円時代」が到来し、私たち会計事務所は 淘汰されると予想できます。

淘汰されるのを待つか、それとも新しい価値を提供する事務所に自分たちを変えていくか。後者を選択するために、自分たちの仕事のあり方を変容していかなければならないとスタッフには伝えています。


――「仕事のあり方の変容」とは、具体的にはどのような行動を起こしているのですか?

壁谷:2023年5月、繁忙期が明けたタイミングで、弊社では自分たちの今後のインフラをどうしていくかを検討するため、有志のスタッフで委員会を組成し、会計ソフトの再選定を始めました。

その際、いくつかの会計ソフトを検討していく中で、①我々が感じている時代背景にマッチするもの、②開発のスピードが速いもの、③API連携に積極的でオープンなもの、④ERPを志向するもの、⑤法制対応が迅速なものといった点で、freeeを使うことが最適解だという結論が出ました。私自身もその結論に賛同し、既存の会計ソフトをfreeeに入れ替える決断をしたのです。


手離れよく確実に法制対応するためfreeeへの移行を提案

――その後の展開についても教えてください。

壁谷:「すべてのお客様にfreeeを提案する」という大方針を打ち出したのは2023年7月です。その時、10月にはインボイス制度が始まり、翌年1月には電子帳簿保存法(電帳法)による電子データの保存が完全義務化となるタイミングで、従来の方法ではお客様の事務負担が大幅に増加することが予想されました。そこで前述の委員会を「freee導入プロジェクト」として再編成。インボイス制度の施行に間に合うように、自計化先か記帳代行先かを問わず、第1陣として100件のお客様に会計ソフトをfreeeに移行していただくという目標を立てたのです。

――どうして会計ソフトの入れ替えを急いだのでしょうか?

壁谷:会計ソフトの移行については、 導入費用のご負担も含め、お客様にご了承いただく必要があります。インボイス制度、電子帳簿保存法ともに、正しく対応できていない場合の税務リスクは非常に大きいです。制度施行時点から確実に対応できるように、前々からシステムに慣れていただけるよう、早め早めの入れ替えをお願いしていました。

まずはすべてのお客様へセミナーを通してご説明し、その後、個別にご提案しました。この時も中心になったのはfreee導入のプロジェクトチームです。プロジェクトチームのリーダーを務めたのが田村、チームメンバーの1人としてスタッフの教育などに当たったのが見目です。


――田村さんは顧問先への説明の中で難しさを感じることはありましたか?

田村真理さん(以下、田村):10月からのインボイス制度施行に備えて、2023年9月までにすべてのお客様にご連絡をして、壁谷のセミナーの内容を個別に説明しました。すべてのお客様にfreeeへの移行を進めていただくことがプロジェクトのゴールでした。

そのゴールに近づいていくうえで、 営業要素が強くなってしまうと「freeeの営業担当なのでは?」とお客様に誤解を与えてしまいかねないので、ご提案を重ねるうえで特に配慮しました。インボイス制度と電帳法のためにfreeeへの移行が必須なんです、ということをご理解いただくところが最も気をつけたポイントです。

お客様ご自身が導入費用をご負担いただく点は、特に説明が難しいと感じました。ただ「freeeに移行したほうがAPI連携やスマホアプリからの証憑アップロード機能を使って資料の共有や保存が楽になる」という点を強調することで、最終的にはお客様にご納得いただいたかたちです。


――見目さんはいかがでしょうか?

見目美咲希さん(以下、見目):私たちプロジェクトチームのメンバーは、普段、自分が担当しているお客様以外にもfreeeへの移行について説明しました。 お客様ご自身が経理の業務をどのくらい理解いただけているか、どこから話し始めればご納得していただけそうか、といったことを事前に担当者から共有したもらったり、自ら調査したりしたうえでご面談をしましたので、1件1件のお客様への対応には時間がかかりました。

また一気呵成に進めていくうえで、社内のスタッフにもプロジェクトチームの活動を理解してもらう必要がありました。そのため、 私が他のスタッフとマンツーマンでfreeeの学習をサポートしたり、 freeeの習熟に専念できるよう当時担当していたお客様を他のスタッフに引き継いだりと、様々な工夫をしました。

田村:1人のスタッフに負担が偏らないよう、担当する顧問先をフレキシブルに変えるなど、弊社として総力を挙げてfreeeの習熟に努めました。

――特に難しいと感じたのは どのようなことでしょうか?

見目:例えば自計化しているお客様には、freeeでの入力方法を1つずつ説明する必要があります。今まで利用していた会計ソフトは仕訳や振替伝票を用いた入力形式だったため、お客様や社内のスタッフにfreee独自の自動登録ルールや未決済取引などの概念をご理解いただくのが難しかったと感じています。

そのためプロジェクトチームでは情報共有を強化することを常に意識しました。freeeは入力効率の向上・品質の標準化のために多くの便利な機能を備えています。freeeのアップデートのスピードに負けず、便利な機能を習得し、お客様にfreeeの良さを実感してもらえるよう、情報共有に力を入れました。


――様々な提案をする中で「これは顧問先に響いた」というキラーワードがあれば教えてください。

田村:お客様に対しては「電帳法に関連して国の示す流れに沿っていくと、これだけの手間が増えます。それをfreeeで処理するともっと楽になり、紙も不要になります」といった提案が響いたのではないかと思います。

最終的にインボイス制度の施行までに自計化先も含め、すべてのお客様へのご案内を完了し、適宜、freeeの導入を進めた結果、200件の移行を終えることができました。

――最後に今後、freeeを使って実現したいことを教えてください。

壁谷:申告書の作成の自動化など、会計の自動化および省力化については、 徐々に実現できてきました。今後はfreeeさんにもご尽力いただき、freee申告でのワンクリック申告を実現したいと思います。またお客様との議論に用いる分析資料の自動作成も実現できたら嬉しいです。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社打ち出の小槌

東京都港区
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