事務所の将来を見据えてfreeeを導入した会計事務所の生産性アップ戦略

ひかり税理士法人

代表社員 税理士 谷淳司 様
社員税理士 税務推進部マネージャー 則貞幸太 様
freee株式会社 代表取締役CEO 佐々木大輔

事務所規模:107名
所在地:京都府京都市中京区
課題:業務効率化、付加価値向上
全国8ヶ所に拠点を構えるひかり税理士法人様は、2017年にfreeeを導入して以来、多くの顧問先にfreeeを展開している5つ星認定アドバイザーです。

同法人では現在、付加価値業務の売上比率を上げるために生産性を高めようと、さまざまな取り組みを実施しています。その具体的な内容について、代表社員の谷様と税務推進部マネージャーの則貞様に伺いました。

freeeの導入推進は業界を生き残るために必要不可欠

佐々木 大輔(以下佐々木): 則貞様はfreee導入支援プロジェクトのリーダーとして、導入当初から所内のfreee活用を推進していらっしゃいます。新たな会計ソフトとしてfreeeを導入するうえで、苦労したことはありましたか?

則貞 幸太 様(以下則貞): 所内にfreeeを浸透させる段階の苦労はありました。当初は、「クラウドの会計ソフトの動きが今まで使っている会計ソフトより遅い」といった懸念の声が、一部のスタッフから上がっていたのです。
そこで、私を含むfreee導入支援プロジェクトのメンバーは、スタッフに対して「freeeは入力自体をなくすコンセプトで設計されている」や「お客様から『便利になった』との声が上がっている」といった説明をしました。説明を繰り返すうちに、導入への懸念はなくなっていきました。

また、freeeの成長と並行してクラウド会計ソフトの市場が大きくなっていったことで、スタッフ一人ひとりが「クラウド会計ソフトを使いこなせるようにならなければ、我々はこの業界で生き残っていけないのではないか」と危機感を持つようにもなっていました。今ではむしろ、積極的にfreeeを使いこなしていこうという雰囲気に、事務所全体が変わっています。

佐々木: お客様にfreeeを勧めるうえで難しさを感じたことはありましたか?

則貞: それはあまりないですね。最初からfreeeと相性が良さそうなお客様にだけ提案しているので、スムーズに導入できています。ITに対して興味がないお客様とはあまり相性がよくないので、あまり積極的にfreeeを勧めていません。私どもの感覚では、新し物好きや効率化への関心が高い人にはご理解・ご納得していただきやすいです。

付加価値業務の売上比率を高めるべく、生産性向上に力を注ぐ

佐々木: 事務所として現在力を注いでいる取り組みは何でしょうか?

谷 淳司様(以下谷): ここ5年くらいは、財務の延長線上にあるコンサルティング業務や高度な税務などといった付加価値業務の売上比率を高めようという方針で動いています。要は、時間あたり単価を上げる取り組みです。

それを実現するうえで、生産性の向上は極めて重要なテーマだと考えています。ですから、所内における手入力作業は極力排除できるよう、アウトソーシングや各種ITツールを徹底活用しています。生産性向上の観点から見ても、freeeは最も優れたITツールの一つだと感じますね。

則貞: 2,3年先を見据えた話をすると、基幹システムの刷新も重要なテーマの一つです。freeeの導入支援に力を入れているので、会計から申告までを一気通貫でできる状態にしていければと考えています。

: お客様が使う会計ソフトは多様化しているのですが、今使っている基幹システムとの連携がスムーズにいかない場合もあります。生産性の向上を考えると、スタッフが使うツールはできるだけ絞り込む方が望ましいと思うので、うまく集約させたいと考えているところです。

freeeさんでは将来的に、会計事務所がfreeeを基幹システムとして利用できるような戦略感を持っているのでしょうか?

佐々木: 今まさに進めているテーマの一つです。freee申告にはまだまだ改善の余地があるので、その部分をしっかり完成させようと動いているところです。freeeだけで会計から申告までを一気通貫でできることはもちろん、他社の会計ソフトを使っている場合でもfreee申告を利用できる世界観を作っていきたいと考えています。

業務のデジタル化を推進させるための人事戦略

佐々木: 生産性向上を実現させるために事務所全体でデジタル化を推進するようになってから、人材の採用・育成戦略は変わりましたか?

: 採用面接の際にITリテラシーの有無は確認するようにしています。最近採用した税務会計スタッフの中には、SE経験者が数名いるんですよ。

則貞: 育成については、freeeによる自計化の成功事例を全国8拠点にいるスタッフに向けてChatworkで共有しています。基本的には各自の自己啓発でスキルを高めてほしいと考えているのですが、新たに入ったスタッフはこれまでの経緯をキャッチアップしてもらう必要があるので追いつくまでが大変ではないか……と、最近思うようになりました。もしfreeeさんの方で、教育をサポートしたり機能のアップデート情報をキャッチアップできたりする仕組みがあれば、とてもありがたいです。

佐々木: コロナ禍をきっかけにリモートワークの必要性が高まったり、人手不足をうまく補わったりしなければならない状況の今は、クラウドの力がさらに求められるタイミングであるとも言えます。それを理解して、バックオフィスのクラウド化を推進していけるスタッフを育成する仕組みをどんどん提供すべく動いております。

今までは「会計事務所に使っていただく」を主眼に置いて考えていましたがが、今はそれだけではなく、事務所で働くスタッフ一人ひとりに対してfreee独自の概念を理解していただいたり、慣れていただいたりする機会を提供することに、力を入れて取り組んでいるところです。新たに採用していただいた方のデフォルトの研修に含めていただければ事務所の教育コストを下げることに協力できると思いますので、会計事務所の皆さんにも活用していただけると嬉しいです。

則貞: そうなんですね。教育の仕組みをもっと充実していただけると我々としても助かります。

「ITに強い事務所」として、他の会計事務所と差別化を

佐々木: ひかり税理士法人さんにはfreeeの習熟度が高いスタッフも多く、他の会計事務所の見本になるような活用例も多くあります。通常業務にプラスしてfreeeの導入を進めるのは大変だったかと思うのですが、その時期を乗り越えられた理由は何だったのでしょうか?

則貞: freeeの導入推進は、事務所の未来のためになるという思いで取り組んでいるのが大きいでしょうね。クラウド会計の市場自体が大きくなっているのだから、我々もその流れに乗らなければ生き残れません。事務所の会計も今はfreee会計を使っていて、日頃からfreeeのスキルを磨いてお客様にアドバイスできるようにしています。

: 「ITに強い事務所」というコンセプトを、少なくとも5年くらいは打ち出して他の会計事務所との差別化を図っていくつもりです。freeeさんにはますますポジションを上げてもらえるよう期待していますし、我々としてもfreeeさんの最新動向をキャッチアップして、独自のポジションを築いていきたいと思っています。

佐々木: ありがとうございます。これからも、より密に連携を取っていきながらさまざまな施策に取り組んでいきましょう。

ひかり税理士法人

京都市京都市中京区
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2003年1月設立。
複雑化する税制を確実にフォローし、あらゆる場面で的確な対応ができるプロ集団であることをミッションとする。
京都を含む8箇所に拠点を持ち、各地域の経営者や個人をサポートする。

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