ツイート
指導の手間も時間も抑えながら、顧問先も事務所も“ラク”に。
“freee会計×ScanSnap”で叶える証憑回収のデジタル化
BANZAI税理士事務所
代表 伴 洋太郎 様(右)
ほか、職員の皆様
事務所規模:3名
所在地:愛知県西尾市
課題:業務効率化、証憑回収、紙の処理の多さ
実践したこと/効果:
・ScanSnapを顧問先に無償貸与
・freee会計とScanSnapの連携による証憑回収のデジタル化
・顧客教育コストを抑えながら証憑回収の品質向上
会計事務所における証憑回収のデジタル化は、多くの事務所が課題を感じながらも、なかなか実現できていない領域です。愛知県で開業するBANZAI税理士事務所は、この課題に真正面から取り組み、独自の解決策を見出しています。
freee会計とScanSnapとの連携、その精緻な仕組み化により、顧問先の負荷や事務所側の教育コストを最小限に抑えながら、紙での資料回収をほぼゼロにすることに成功。「お客様の面倒事は全て巻き取る」という方針でありながら、徹底したデジタル化を推進し、所員全員が定時で帰宅できる働き方を実現されています。
今回はBANZAI税理士事務所代表の伴 洋太郎さんに、freee会計導入背景や事務所の方針、ScanSnapとの連携による効率化の具体策などについて話を伺いました。
親しみやすさを武器に、税理士と直接やり取りできる仕組みで差別化
――現在の事務所の規模と強みを教えていただけますか。
伴洋太郎さん(以下、伴):現在は私を含めて3名体制で、税理士は私1人、私以外の2名は会計業務未経験で採用したスタッフです。
未経験と聞くと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、業務上は全く問題ありません。もちろん会計知識は社内で教育する必要がありますが、むしろ未経験だからこそ、freeeの習熟がスムーズにいったのではという印象はあります。また、当事務所ではスタッフ自身が業務マニュアルを整備し、随時アップデートしているので、未経験でも入りやすい形ができていると思います。
強みは、気軽にコミュニケーションが取れる会計事務所として頼りにしていただいている点ですね。お客様に「なぜ当事務所にご依頼いただけたのですか?」とお聞きすると、「話しやすそうだった」という回答をよくいただいています。
事務所としてデジタル化を推進して生まれた時間は、お客様とのコミュニケーションに活かしています。全てのお客様との定期面談を「必ず税理士が行う」ことをお約束しており、多くの方に価値を感じていただいている点は、当事務所の特徴的な強みです。
地域にはすでに歴史ある事務所がたくさんある中で、「ここは何か違う」と思ってもらえるように、仕組みはもちろん、ホームページやSNSなどでの見せ方も、強く意識しています。
紙中心の非効率な業務も「これが普通」だと思っていた
――税理士になる前は会計事務所で担当として勤務されていたとのことですが、どのように仕事をされていましたか。
伴:現在の事務所を開業する前は10名程度の会計事務所に勤務していました。創業から約50年の歴史ある事務所で、数十年お付き合いのあるお客様が多く、資料の受け取り方も基本的には数十年前から変わっていない状況でした。
入所2ヶ月目から担当を任され、前任者が残した紙の資料を見たり先輩に質問したりして、1つひとつ把握しながら手探りで業務を進めていました。業務自体がかなり属人化されていましたし、紙の書類が多く、効率は良くなかったのですが、当時は税理士試験合格が最優先で、業務はとにかくこなすことに精一杯。「これが普通なんだろう」と思いながら、疑問も持たずに働いていました。
――デジタル化・効率化の必要性を感じ始めたのは、いつ頃からでしょうか。
伴:税理士試験に合格してからです。それまで試験勉強に充てていた時間が空いたので、その時間を何に使おうかと考え、Web上で情報発信をしている税理士の先輩方の活動を見たり、書籍を読んだりするようになりました。そこで、私が「普通」だと思っていた働き方とは全く違うやり方をしている先生方に出会い、価値観が大きく変わったのです。
特に、思い切ってデジタル化し、業務効率化している事務所の事例を見て、「これだ!」と強く感じました。それまでは他事務所がどんな働き方をしているのか、全く情報に触れる機会がなかったので、大きな発見でしたね。
外の世界を知り所内の標準化、デジタル化に課題を実感
――価値観が大きく変わった結果、前職の事務所についてどのような点に課題を感じられましたか。
伴:大きく2つあります。1つは標準化がされていないことです。当時は担当制だったので、スタッフごとに個別最適化された作業方法があり、資料回収に関する統一したルールがありませんでした。そのため、社内での情報共有が難しく、改善しようとしても全社一丸となって取り組むことができません。お客様とのやり取りも属人化していて、担当が変わったときの引継ぎが非常に大変でした。
もう1つは、デジタル化が進まないことです。長年のお付き合いがあるからこそ、「今までの方法でいいじゃないか」「私たちに何のメリットがあるの?」といったお声が多く、なかなか前に進めない状況がありました。社内体制的にも、デジタル化を推進する機運が高まりにくい組織になっていたと思います。
このような状況から、自分が開業する際は、デジタル活用を前提に事務所づくりをしていこうと考えました。
freee会計×ScanSnapで、顧問先が「ボタンを押すだけ」で証憑回収が可能に
――その後、独立開業された際に、freee会計を選んだ理由を教えていただけますか。
伴:開業準備の段階でデジタル化を意識していたので、クラウド会計を選ぶことは決めていましたが、実は他社ソフトを考えていた時期もありました。決め手になったのは、フリーのインサイドセールスの方の熱心なご提案でした。
そもそも、どのソフトを使うにしても、使ってみないと分からないという思いもあり、本質的な選び方ではなかったかもしれませんが、結果的には良かったと思っています。
――freee会計と同時にScanSnapを導入されたとのことですが、その理由は何でしょうか。
伴:お客様への教育のしやすさが決め手でした。ScanSnapなら「このスキャナーでスキャンすれば証憑が会計事務所に届きます」というシンプルな説明で済むのです。ScanSnapは始めに事務所側でしっかりと設定をしておけば、お客さまへの教育コストを大幅に抑えることができるのです。
この状態に行き着くまでにいろいろな試行錯誤をしてきました。例えば、チャットで写真を送っていただく形式にしたときは、写真の精度が揃わず確認に手間のかかるケースが多々ありました。スマホのスキャンアプリで撮って送っていただいたこともありますが、この方法だとダウンロードして保存して確認するという風に、ステップが多くなってしまいます。
「スキャナーが会社にあるからScanSnapは不要」と言われた顧問先もありましたが、やはり端末にデータを保存し送信するという手間が顧問先の負担になります。Googleドライブなどのクラウドストレージを使用する場合にも、「この種類の資料はこのフォルダに」といった細かい説明が必要になりますし、お客様側でPDF化してアップロードして振り分けていただくのもやはり手間がかかります。都度考えて操作するとなると、どんなに慣れても思わぬミスが発生することもありました。
このような試行錯誤を通して、結果的にScanSnapが切り札になっていきました。ScanSnapならホームアプリに履歴が残るので、顧問先も「送った・送っていない」の判断が簡単になります。さらに、スキャンされたデータの品質も均一化されたことで、事務所側の手間も省くことができました。どちらにとってもメリットが多いのです。
――具体的な運用方法を教えていただけますか。
伴:当事務所では、ScanSnapを顧問先に無償で貸し出しています。お客様にはWi-Fi環境と電源、置き場所のみ用意していただき、初期設定は全て事務所側で行います。機器の貸出や初期設定のコストは業務効率化への必要経費だと考えて行っています。
ScanSnapはディスプレイ付きの「iX1600」を使用することで、お客様はボタンを2回押すだけで適切に証憑を送っていただける仕組みになっています。サイズがバラバラな書類でも自動で読み取れますし、逆さまでも自動で補正されます。当事務所ではこれに加え、さらに運用の工夫をして、効率化を行っています。
また、初期段階でお客様へのヒアリングを通して、お金の流れを把握する際には、freeeの「クラウド型会計事務所スターターキット」の中にある「導入時ヒアリングシート」を活用しています。このヒアリングを材料に、どんな単位で証憑をグループ分けするかを検討してScanSnapの設定に落とし込むのです。
――freee会計やScanSnapといったデジタルツールの導入にあたり、お客様からの抵抗はなかったのでしょうか。
伴:当事務所では契約の段階でデジタル化への対応をお願いしています。「紙の資料はお預かりしません」とまず最初にお伝えし、そのために用意しているScanSnapでの運用方法をご説明しています。集客手段をオンラインにしていることもあり、年齢層としては30~40代がボリュームゾーンで、50~60代のお客様も若干名いらっしゃるという状況です。
過去、契約が済んだ後にお客様にいざScanSnapを置こうとしたところ難色を示されたケースがありました。このときは推し進めてもお客様のストレスになりそうに感じたため、こちらが証憑を回収しに行く代わり顧問料の上乗せをお願いする、ということで折衷案としました。
当事務所でも、ScanSnapを使ってもらえないからといってすべてお断りすることはありません。頼りにしていただいたお客様には、できるだけ応えたいというのが税理士というものです。付き合いの長いお客様に新しい提案を全面的に受け入れてもらうことは簡単ではないと思います。全面的に行うことが難しければ代替案を用意する、例えば代わりに報酬面のご提案を行う、というのはひとつの方策ではないでしょうか。
お客様の自発的な資料提出とデジタル化で実現した、子育てを両立できる働き方
――実際にデジタル化を徹底されてみて、効果はいかがでしょうか。
伴:紙での資料回収をほぼなくすことができました。以前は資料を取りに行ったり、電話で催促したりする作業が多かったのですが、そのような作業は一切ありません。こちらから働きかけなくても、お客様が自発的に資料を送ってくださるようになったのが大きな違いです。
作業面でも、かつては通帳のコピーを定規で目視しながら1行ずつ確認して入力していましたが、今はそういった手作業がほとんどありません。データ化されたものを確認する作業に変わり、業務スピードが格段に上がりました。記帳代行を担っていながら、よほどのことがない限り、翌月には前月の試算表が締まる状態を実現できています。
当事務所に新規依頼をいただいたあるお客様は、「(以前の税理士には)毎月資料を郵送することが業務負担だったが、今は都度スキャンで済み、『送りました』といった報告もいらない。デジタルデータなので、リアルタイムに同じものを見てチャットで確認し合えるのが助かっている」と嬉しいお声をいただいています。
――業務効率化によって生まれた時間は、どのように活用されていますか。
伴:プライベートの充実に充てています。当事務所のメンバーは全員が子育て世代で、私も2歳の子どもがいます。業務を効率化したおかげで、スタッフは9時から16時まで、私も17時半には仕事を終わらせて保育園のお迎えに行けていますし、土日出勤も基本的にしません。前職の事務所では、四六時中仕事に追われ続ける状態でしたので、その頃に比べると物理的にも精神的にも明確にゆとりが生まれています。
繁忙期は私が受け皿になって、土曜日に出勤することもありますが、普段から余裕を持った働き方をしているからこそ、そのような緊急対応も可能になっているのです。業務を詰め詰めにしないことで、子育て世代のスタッフが「今日は行けません」と気兼ねなく言える環境を作れています。
税理士が直接価値を届ける、少人数制チームでつくる事務所の未来
――今後の展望についてお聞かせください。
伴:私が思い描いているのは、税理士を筆頭としたチーム制の組織です。1人の税理士の下にたくさんのスタッフがいるような形ではなく、税理士1人とアシスタント2~3名程度のチームを複数作っていきたいと考えています。
これは、医療機関のような専門家モデルを目指しているからです。病院では、受付は事務員が行ったとしても、診察は必ず医師が行いますよね。会計事務所も同じように、税理士が直接お客様に価値を提供する体制であるべきだと考えています。
現在は私を含めて3名体制ですが、今後は新しい税理士を迎え入れて、複数のチームを作っていければと思います。
――最後に、これからデジタル化を目指す事務所へのアドバイスをお願いします。
伴:まずは自分たちの事務所でScanSnapやfreee会計を使ってみて、効果を実感すること。その上で、新規のお客様に対して「こういう効率的なやり方ができます」と提案していく。デジタル化は、このように段階を踏んで進めていくのが良いのではないでしょうか。
どんなに良いツールでも、導入できない環境に導入しようとしても無理が生じます。どのようなお客様とどのようなやり方で関わっていくのか、事務所の方針を立て、上手く経営判断をしていただくことが必要になると思います。
freee認定アドバイザー制度の詳細を見る
セミナーに参加してみる
BANZAI税理士事務所
愛知県西尾市
freee認定アドバイザーページは
こちら
利用サービス
freee会計
URL
https://ban-tax.com/
あわせて読みたいその他の事例
課題:業務効率化
導入サービス:freee会計
税理士・会計事務所の皆様もfreeeがサポートします
貴事務所の課題を解決する
お役立ち資料はこちらから
資料ダウンロード
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
お問い合わせ
サービス一覧
freee会計
freee申告
freeeデータ化サービス
freee人事労務
証憑管理プラン
freee税理士登録
A-SaaS
freeeカード Unlimited
パートナー制度
個人認定資格
認定アドバイザー特典
freee開業サポート
freee税理士検索
サポート/コミュニティ
アドバイザーガイド
"マジカチ"meetup!
法改正対応
インボイス
電子帳簿保存
導入事例
セミナー
コラム
お知らせ
代表メッセージ
認定アドバイザーとの歩み
お問い合わせ
資料ダウンロード
プロダクト紹介動画
利用規約
会社概要
プライバシーポリシー
© 2012 freee K.K.